タイトルファイルメーカーProがバージョンアップ、Web利用をにらんだ製品系列にカテゴリー開発ツール, 開発ツールその他
作成日1999/9/27 23:35:48作成者新居雅行
米国FileMaker社は、データベースアプリケーションソフト「FileMaker Pro」をバージョンアップしたVer.5をリリースした。変更点はまず、Microsoft Officeとの共用機能を高めたこと。ExcelのワークシートをそのままFileMaker Proのデータベースに変換する機能や、ワークシート形式にデータベースの内容を表示するTable Viewの機能、そしてFileMaker Pro用のODBCドライバを付属した。ODBCドライバを利用することで、ExcelからFileMaker Proのデータベースに直接アクセスすることができ、解析処理やグラフ作成をExcelで直接的に行える。データベースをWeb公開する機能では、スタイルシートへの対応や、セキュリティ関連のオプションが増えている。さらに、レイアウトやレポートを作成するアシスタント機能も追加された。値リストでのデータ一覧作成機能が強化され、また立体的なコントロールにできるなど、フォーム作成機能も強化されている。QuickTimeのサポートや、PDAとのデータ連携に関連した機能の追加もある。なお、ファイルフォーマットは、Ver.4とは変更されている。

FileMaker Pro5系列として、4つの製品がリリースされる。通常のFileMaker Pro5は、Webでの接続ユーザーが10に制限されるが、FileMaker Pro5 Unlimited($999)では無制限のユーザー接続を可能とする。UnlimitedにはWeb Server Connectorが付属し、これにより、Mac OSやWindows NTベースの各種Webサーバーからの利用もできるようになる。JavaのサーブレットやSSLにも対応している。さらに、FileMaker Server 5($999)という製品もリリースされ、ワークグループサーバーとして提供する。これは従来のサーバー版のアップデートにあたるが、Windows版では、MMCにより管理が行えるようになっている。さらにランタイム版のデータベースを開発できるFileMaker Developer 5($499)もリリースされる。日本語版もリリースされる予定はあるようだが、日本のファイルメーカー社からは現在のところ、何のアナウンスもない。

デスクトップのデータベースソフトとしては、WindowsではAccessという強い対抗馬がいる。直接対抗するのではなく、Officeとの親和性を保つことで、AccessユーザーやあるいはAccessまでも行かないようなユーザーへの浸透を計るものと見られる。一方で、Webベースで利用されるデータベースとしての存在感を高めるような製品ラインナップになっている。特にWebサーバーで利用するアダプターを提供することで、FileMaker Pro自体をWebサーバーに使う以外の使い方もできるようになり、システム構築の柔軟性は高くなるため、性能や機能を要求される現場でのニーズに応る方向へと製品が進化してきていると言えるだろう。さらにWebサイト構築ツールとの関係も強化している。GoLiveのAdobe Systems、Cold FusionのAllaire、DreamweaverのMacromediaが、FileMakerデータベースのサポートを表明しており、こうしたサイト構築ツールからデータベースの利用を記述できるようになることで、Webデータベースの標準的地位を狙っていると言えるだろう。従来でも、HomePage Proでの連携は見られたが、Webサイト構築のプロが使っているツールとの連携を深めることで、ビジネスあるいは業務ベースでのWebサイトで使われるデータベースとしての存在感を強めることを意図しているのだろう。
関連リンクIntroducing FileMaker Pro 5