タイトルMac OS X Public Beta公開されるも日本国内のユーザは手も足も出ずカテゴリーMac OS X, Mac OSテクノロジー
作成日2000/9/14 10:39:32作成者新居雅行
2000年9月13日にMac OS Xの公開ベータ版「Mac OS X Public Beta」がリリースされた。パリで開催されているApple expo 2000の会場で販売されるとともに、AppleStoreで$29.95で販売が開始された。残念ながら、英語、ドイツ語、フランス語に対応したバージョンだけとなっている。また、オンライン販売も米国のAppleStoreだけで行われているため、つまり、日本のユーザはパリに行った人でなければ、13日には入手できないということである。AppleStoreのPublic Beta販売ページを見ると、ソフトウエアライセンスへのリンクがあるが、これは評価と開発のための利用に限るという内容のライセンスのようで、デベロッパ向けのもののような機密保持を要求するものではないようだ。ADCメンバに対しては、別途、開発ツールを含むPublic Betaが配付されることが表明されているが、筆者のところには執筆時点では到着していない。
販売サイトでは、Public Betaの期限を正式版の発売日ないしは2001/5/15の早い方となっている。後者の日付はWWDC 2001の時期に近いが、WWDCは5/21から開始される。正式版の発売は、2001年前半という表現になっている(原文はearly 2001)。

Mac OS Xは1996年末にアップルがネクストコンピュータ社の買収によって得たOPENSTEPをベースに、次世代Mac OSとして開発されてきたものだ。Mac OSに織り込めなかったメモリ保護、プリエンティティブマルチタスクを実現する、より進化したOSだ。また、コア部分はMach、BSDといった実績のあるUNIXシステムを採用したものであり、折しもオープンソースソフトウエアのブームにも連動することとなる。紆余曲折があったものの、最終的にはMac OS 9と同等な環境を用意したBlueBox、Mac OS 9との互換性が高く新しいOSの機能も利用可能なCarbon、そしてネクスト社が構築してきた高性能なフレームワークの発展系であるCocoaという3つのフレームワークを提供するという形となった。グラフィックスシステムとしては、2D系ではPDFベースのQuartz、業界標準の3DライブラリであるOpenGL、メディア系としてQuickTimeをサポートする。ユーザインタフェースもAquaという統一したデザインでまとめられ、Mac OSのFinderのテイストと、ネクスト以来のWorkspace Managerを統合した新しいデスクトップとなっている。Dockと呼ばれるアプリケーションや文書の呼び出し、あるいは開いているものをアイコンで管理するなど、より進化したユーザインタフェースが搭載されている。Java2をサポートし、Swingを使えば、Aquaユーザインタフェースを純粋なJavaアプリケーションからでも利用できる。日本語環境については、OpenTypeを標準としてひらぎのフォントを採用するなど、パブリッシング分野へ強くコミットしたものとなっている。
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