タイトルMac OS 9.1のTechnical Noteが公開、多数の変更箇所を詳細に紹介カテゴリーTechnote, Mac OS 9
作成日2001/1/19 14:27:29作成者新居雅行
Technical Noteの「Mac OS 9.1」が公開された。Mac OS 9.1に関する詳細な情報が記載されたドキュメントだ。開発を行っている人や、システムの詳細を知りたい人は必ず目を通しておく必要があるだろう。ダイジェスト的に目についたところを報告しておこう。
まず、Finderには「ウィンドウ」メニューが追加されたが、メニュー選択によってそのウインドウがアクティブになるだけでなく、Commandキーを押しながら選択すると、そのウインドウが閉じるなど、「ウィンドウ」メニューのキーオペレーションがいくつかある。また、パッケージ化したアプリケーションの中身を、コンテキストメニューで見ることができるが、これは、Mac OS Xライクな機能だ。また、アプリケーションの最小メモリ量を設定することができるようにもなった。(なお、この文書には記載されていないが、Finderでのボリュームの初期化は、デフォルトが拡張フォーマットになった〜読者の稲垣さんより情報をいただいた。)Finder関連ではかなりたくさんのバグ修正や動作の見直しが行われている。ディスクのキャッシュサイズの上限は、8MBから32MBにアップしている。
AppleScript 1.5.5ではスクリプトの記述にいくつか変化が見られる。たとえば、現在システムがシャットダウン処理中なのかが判断できるようになっているなどあり、プログラムを示して機能の変化を説明している。セキュリティ関連では128ビットに対応している。AppleHelpについてはCarbonLibのバージョンアップに伴うAPIの変更がある。Help Viewerでは「help://」にも対応している。CarbonLibについては、すでにこの文書で1.2にアップグレードするように勧めている。Alias Managerでは、ファイルを参照する構造体としてFSSpecだけでなくFSRefという新しい形式のものが加わっている。FSRefは、Resource Managerでも利用されるようになっている。また、Process Managerが完全にPowerPCコードで構成されるようになった。アプリケーションの切り替えやAppleEventの処理などが効率化され、システム全体のパフォーマンスを高めると説明されている。
リモートアクセスはいろいろな変化があるが、AppleScriptの「リモートアクセス命令」がサポートされないようになっていると説明がある。ただし、Mac OS 9からアップデートすると、フォルダにはスクリプト機能拡張ファイルは残っている。代わりに「ネットワーク設定スクリプト」の機能を使うように説明がある。AppleScriptに関する変更点は文書の中でも別途まとめられているため、要チェックだろう。
OpenGLはVer.1.1.3からVer.1.2となり、Velocity Engine向けの最適化が進み、アンチエイリアスによる描画の対応などが追加されている。Appleシステムプロフィールでは、CarbonLibのバージョンを表示することや、USB機器とのイベントログを参照できるようになっている。MLTEに対応したテキストエディタのWorldTextがCDには添付している。MacsBugは6.3.3を利用する必要がある。
以上はダイジェストであり、この文書の情報量はかなり多い。プログラムを作っている人は、自分に関係する部分はしっかり熟読しておく必要があるだろう。
関連リンクTN2010:Mac OS 9.1