タイトルBrowsing Mac OS X》Mac OS XマシンにEthernetネットワークカードを追加する(1)カテゴリーネットワーク管理, ネットワーク, Browsing Mac OS X
作成日2001/11/15 18:24:39作成者新居雅行
通常のクライアントはEthernetなりAirMacが1つ稼働していれば十分である。一方、ルータをくみたいとか、ブロードバンドISPに接続するためのNAT処理をパソコンにさせたいとなると、もちろん1つのEthernetポートでの運用も可能だが、できればEthernetのポートが2つ以上が欲しいところだ。もっとも、最近はブロードバンドルータという製品が1万円前半から売っているから、そうした単独の機材を使った方がよっぽど楽だということもあるのかもしれないが、たとえば、1台のパソコンで、サーバ件NAT処理マシンにしたいということもあるかもしれない。もちろん、大きな規模のネットワークだといくつかの回線を使ったりとかいった割り振り作業のために、ネットワークカードを複数使うということになるかもしれない。
いずれにしても、こうしたネットワークカードを追加すると言った作業は、総合的に見れば、Windowsマシン…というか、PCでLinuxとかする方がある意味では楽ができる。ネットワークカードのドライバは最近ではLinuxでも豊富に利用できるようになっているからだ。一方でOSの設定は苦労するとは言え、PCIカードタイプだと普通はインストーラが自動的に設定をしてくれる。後から追加するとハマるってこともあるかもしれないが、計画的にやればけっこう楽にネットワークの設定もできるくらいになっている。
一方、Mac OS 9、そしてMac OS Xのいずれも、追加のネットワークカードとなると制約が大きかった。いずれのOSも基本的にはネットワークカードに対応したドライバソフトがシステムとは別に必要になる。すでに、相当以前から、Macintosh本体にはEthernet端子は存在していたため、Mac OS時代から、標準のEthernetポート用のドライバはシステム組み込みである。だから、わざわざOSにドライバは組み込まなくても通常はネットワーク利用ができるといった利便性にはつながっている。一方の追加のEthernetカードは、PCIスロット時代になってからはサードパーティ製品しかないわけで、それらのドライバはシステムには組み込まれていない。(ただし、Mac OS XにはDEC社のカードのドライバは付属しているが比較的古いカードのようだ。)2年ほど前でも、ちょっと高いとは思ったけど、Mac OS対応のドライバが付属した10BASE-Tのカードを1万円近くで買ったという記憶もある。当時でも、2000円も出せばPC向けの100BASE-Tカードはあった。Mac OS 9向けでもこうした制約があるのに、Mac OS Xではなおさらであった。もっとも、ディアイティが扱っているFallaron社製品のように、Mac OS Xの標準ドライバで利用できるというものもあるものの、たとえば過去に発売されたMac OS向けのEthernetカードはもちろん、そうではない汎用品のEthernetカードだと、Mac OS X向けのドライバがないならば、Mac OS Xでは使い様がないということになる。

◇ディアイティ製品のMac OS X 10.0、Mac OS X Server 10.0対応状況のご案内
 http://www.dit.co.jp/company/news/010323_2.html

ではあきらめるかと言えば、やはりドライバが公開されていないかを探すしかない。ディアイティの製品だとそのままOKだから、とにかく試してみればいいだろう。しかし、そうでないのなら、とにかくドライバを捜しまわるしかない。ただ、ネットワークカードの場合、そのカード自体のメーカというよりも、カードで使われている主要部品(「チップ」と呼ばれる)のメーカ次第ということになる。秋葉原などで「ノーブランド品」的に売られているというものでも、メーカ品でもチップが同じなら、同じドライバが使えるという場合が多々ある。ノーブランド品(あるいはそれに近いもの)は、フロッピーなんかが入っていても、チップメーカが作ったものがほとんどそのままということもある。従って、カードのメーカを当たるだけでなく、なんというチップが使われているのかを調べて、そのチップのメーカのホームページなども探るというのがポイントになる。
そこで、一時期によく売られていた安いEthernetカードとなると、Realtek社とかVIA社のチップが使われていた。もちろん、カードのメーカは全然違うのだが、基盤むき出しのカードだからどこのチップなのかはすぐに分かる。Realtek社は、100BASE-TX対応のチップ向けMac OS X対応ドライバが比較的早くから公開していたのである。たまたま、RTL8139Bというチップを使ったカードを筆者は持っていた(実はLinux機で使っていた)ので、それをMac OS Xのマシンに実際に入れてみた。このカード、実はマニュアルをちゃんと残してあるのだけど、マニュアルを見ても、カードを見ても、メーカ名すら書いていない。MADE IN TAIWANということしか分からない。たぶん、2年くらい前にDOS/Vパラダイスのワゴンで買ったやつだと思うけど、そんな記憶も怪しいくらいだ。それでも、動けばいいわけだ。

◇Mac OS Xマシンに装着したRealtekのチップを搭載したカード
 

正確には、Mac OS X Server 10.1.1が稼働するBlue & WhiteのPower Macintosh G3に装着した。XもX Serverもネットワークの基本部分は違いはないと思うので、どちらのOSでも同じだろう。以下、「Mac OS X」ということで総称することにする。なお、300MHzのクロックで、メモリは256MB、ハードディスクは6+8GBというところだ。

◇Blue & WhiteのPower Macintosh G3に差し込んだ(ちょっと見づらいが、手前のカードがEthernetカード)
 

Realtek社のドライバは、以下の手順で入手できる。同社のサイトはアドレス一発では示しにくいので、ご了承願いたい。まず、以下のアドレス、つまり、Realtekのトップページに移動する。そして、「Download」のリンクをクリックする。移動したページで、「Communications Network ICs」というリンクをクリックする。すると、製品を選択するポップアップメニューが出てくる。RTL8139Bの場合は、「Fast Ethernet NIC (10/100M)」の行にあるポップアップメニューから「RTL8139(A/B/C/8130)/810X Family」を選択すれば良い。そして「Driver Only」の選択はそのままでGoボタンをクリックする。そうすると、ドライバのダウンロードページに移動する。

◇Realtek社
 http://www.realtek.com.tw/

Mac OS XはUNIXのカテゴリではなくOthersになっているが、Mac OS X 10.0.4向けと、10.1向けのβ版が公開されている。今回は10.1向けのβ版を利用してみた。
ダウンロードするファイルは、rtsmacx(110).zipという名前であるが、普通にIneternet Explorerでダウンロードすると解凍されて、「rtsmacx(110)」フォルダができているはずだ。その中にあるEXEフォルダの中に、さらに「RTL8139.TAR」というアーカイブファイルがある。StuffIt Expanderがあればtarファイルも解凍できるので、そのファイルをダブルクリックするとそれだけで解凍は行われるだろう。すると、「rtl8139.pkg」というファイル(実際にはフォルダだけど)が出てくる。これをダブルクリックしたら、システムのインストーラが起動してインストールが始まる。

◇解凍をしてインストーラをダブルクリックすれば良い。
 

あとはお馴染みのシステム変更を伴うインストールだ。図は示さないでおく。最初に管理者パスワードでロックを解除し、その後に注意書きや使用許諾などがあって、インストール先を指定し、インストールを行う。インストールはすぐ終わる。注意書きに操作方法が書いてあるが、あまりそこに書かれていることは気にすることはないだろう。使用許諾はまったく中身がないが、「同意する」をクリックしなければならない。
インストール後は、再起動の必要があるが、筆者の作業手順としては再起動後ログインパネルが出てきたところで、いったんシステムを終了して電源を落とし、本体を開いてネットワークカードを取り付けた(だから記事の説明とは順序が違う)。Mac OS X Serverは既定値ではログインパネルでのシステム終了ができないようになっているが、システム環境設定の「ログイン」でその設定は変更できる。
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