タイトル【MacWIRE配信予定】AppleScript Studioのドキュメントが公開、Cocoaベースでのスクリプトプログラム開発ツールカテゴリーProjectBuilder/Interface Builder, AppleScript
作成日2001/12/6 17:20:31作成者新居雅行
AppleのDeveloper ToolsでAppleScriptプログラムの開発ができるAppleScript Studioに関するドキュメントだけが公開されている。AppleScript Studioは、どうやらMac OS X 10.1.2と、Developer ToolsのDecember 2001版で使える模様だ。いずれもまだ一般にはリリースされていないものであるが、いずれも2001年12月にリリースされなければ論理的に矛盾となるから、おそらくそうした予定なのだろう。
AppleScript Studioをベースにしたスクリプトアプリケーションは、全体がCocoaアプリケーションであるというのが1つのポイントだろう。そして、Cocoaで用意されたGUIのコンポーネントがAppleScriptで使えるということになる。Interface Builderを使って、ボタンなどを配置するのだが、ボタンで利用したいイベントを、プロパティウインドウで指定すると、それに対応したソースのハンドラが用意される。そのハンドラ側では、AppleScriptに従ってプログラムを追加することで、ボタンを押したときの処理が記述できるという具合だ。その部分はAppleScriptであるから、別のアプリケーションに対する操作を記述することは可能になるはずだ。メニューなどを定義することができるので、アプリケーションとしての形態のものが作成できることになる。また、デバッグもProject Builder側でできると説明がなされている。さらに、AppleScriptから、Cocoaのオブジェクトにあるメソッドを直接呼び出すことができるようになっているため、ある意味ではAppleScriptからCocoaのAPIへの透過性は高いと言えるだろう。
なお、ドキュメントをざっと見たところの想像ではあるが、CocoaのGUIコンポーネントはカスタマイズが可能で、独自のコンポーネントを作ることができる。そうしたコンポーネントもAppleScript Studioで利用できるとしたら、より可能性も広がると言えるだろう。
これまでは、スクリプト編集プログラムとして、シンプルなレベルの開発ツールしか提供されなかったため、FaceSpanのような開発ツールが本格的な開発者には高いニーズがあった。しかしながら、AppleScript Studioは少なくとも、FaceSpanの機能は十分にカバーしている。FaceSpanもMac OS Xに向けて開発をしているという噂もあるのだが、さすがに無償のツールと渡り合うのはそうとう厳しいだろう。また、Mac OS時代にはDialog Directorというダイアログボックスを作成する機能拡張があり定番のGUI作成ツールであったが、やはりその役割はAppleScript Studioで置き換わるだろう。無償ツールで高度な開発ができるのはある意味では歓迎されることではあるが、これまでに存在感を保っていた製品がフェードアウトしそうなのは寂しいものでもある。
関連リンクAppleScript Studio