タイトル【MacWIRE配信予定】Learing Carbonが翻訳され「入門Carbon」として出版カテゴリー雑誌、書籍, ProjectBuilder/Interface Builder, Carbon/CF
作成日2001/12/21 15:30:33作成者新居雅行
オライリー・ジャパンより出版された「入門Carbon」は、2001年5月に米国で出版された「Learning Carbon」の翻訳書である。著者はApple Computer, Inc.で、長瀬嘉秀氏の監訳、株式会社テクノロジックアートの翻訳となっている。Carbonに関して日本語で読める解説書としては初めてのものである。内容は、nibファイルでリソースを定義し、CarbonイベントをインプリメントするタイプのCarbonアプリケーションについてのチュートリアル的な解説となっている。月旅行計画というアプリケーションを題材に取り、Project Builderでの作業や、Interface Builderでのメニューやダイアログボックスの設計、そしてアプリケーション化に必要な機能についての解説が掲載されている。ローカライズや印刷、ファイル処理についても説明されている。いずれも手順を示しながらなの説明となっているので、指示通りに作業をすることで理解を深めることができるだろう。プロパティやヘルプ、アイコンといった仕上げに必要な情報も説明されている。さらに、AppleScript対応やスレッドと言った高度な話題についても簡単ではあるがプログラム例を交えて取り上げている。付録にはCarbon Eventの定義定数やパラメータの一覧があるのも便利なところだ。C言語が知っている程度のプログラマであれば、Carbon対応、つまりMac OS Xのネイティブなフレームワークを使ったプログラム作成を初歩から学習することができるだろう。また、Mac OS時代のToolboxの知識がある人なら、Mac OS X対応のアプリケーションを作成するいちばん早い方法として、Carbonへの完全対応の方法を学習することができる。CarbonフレームワークはToolboxの機能との互換性があることから膨大な機能があるが、Mac OS X向けにふさわしいプログラミングの作りがどういったものかということも、本書を通じて得られる重要な情報となるだろう。その意味では入門書ではあるものの、Carbonプログラマにとっての“標準”を知るための書籍でもある。
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