Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年12月14日発行号 - MDOnline-NetSprocketsもオープンソース



久しぶりにMac OS 9シリーズを書きました。具体的には12月3日にアップルで行われた説明会の内容をまとめたものです。別のニュースソースからは12月2日に行われたマルチランゲージ関連の説明会の模様が報じられていましたが、その内容はいずれまたお伝えしたいと思います。
音楽、そしてMIDI、とても夢のある世界ですね。デザインに次いで、やはりサウンド関連もMacintoshが強い分野です。しかしながら、昨日配信されたMacWIREでOMSの開発者のインタビューが掲載されました。
http://www.zdnet.co.jp/macwire/9912/13/c_musical.html
ひと昔前なら、音楽と言えばMIDIであり、シーケンスソフトが中心だったわけです。MIDI楽器を堆く積み上げていたのは、実は私もそのひとりでもありました。しかし、ちょうど昨日、カメオインタラクティブからMixman StudioやRhythmic Circle Fuseの説明会があったのですが、もはやDJやVJといったことにフォーカスは移っています。MIDIはOS機能に取り込まれましたし、外付けの楽器が必要なのは制作者だけになってしまい、昔はいわば電線の規格だったのが、プロトコルの規格としての意味が強くなっているのです。積み上げた楽器群をコントロールする往年のシーケンスソフトも、市場はハイエンドに限定されるのはもう揺るぎない事実です。Opcodeはいくつかのメーカの中でも、どちらかというとローエンドの開拓に積極的でした。上記の記事を読むとWindows対応はあまり乗り気ではなかったというものの、当時はそれが大きな飛躍であるようなニュアンスをかもし出していました。いろいろな思惑があるかとは思いますが、MIDI系はハイエンドにフォーカスしたところだけが残っているのも事実です。DJ、VJ系はどちらかというと安価なソフトが多いのですが、今後どのような展開をするのでしょうか? 元サウンドや元映像なんかはハイエンド系のシステムで作って、それを安価なソフトで使って楽しむという図式ができつつあるのかもしれません。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


NetSprocketsをオープンソース化、Darwinのコミュニティを強化

Appleはネットワークを利用したゲームを構築するための基本機能を提供するNetSprocketssをオープンソース化した。tarファイルで配付されているため、Mac OS X Serverがまずは基本的な対応プラットフォームと思われるが、ソースコードの配付のためUNIX系などいろいろなプラットフォームで利用できるようになる可能性が期待できる。NetSprocketはMac OSで稼動するシステム機能であったが、ネットワークでの利用を促進するためオープンソース化してマルチプラットフォーム利用を進展させることを意図しているものと思われる。また、以前よりMac OS X ServerやLinuxで稼動していたクロスプラットフォームのネットワークゲーム構築の機能を提供するOpenPlayはVer.1.2になった。OpenPlayもオープンソースとして配付されているが、1.2になって移植性が高まった。将来的には、OpenPlayはNetSprocketsの機能を取り込むことも計画されている。
また、Perlで作られたHeaderDocというユーティリティもオープンソースとして公開された。これは、CやC++のヘッダからHTMLを生成するもので、ライブラリなどのドキュメントをソースコードから自動生成するものだ。
以下のサイトでは、Darwinにコミットしているプログラマを紹介するなど、Darwinコミュニティの強化も図っている。オープンソースという枠組で、アップルがどこまで公開するかということが当初からの注目点ではあったが、NetSprocketsのオープンソース化は、OpenPlayの延長線上にあるもので、範囲を広げつつあるという見方にはつながらないだろう。コミュニティを拡大強化することが当面の目標であると思われる。その中で流れを作って行こうという考えではないだろうか。

関連リンク:Apple Expands Darwin with New Developers, Projects
カテゴリ:ネットワーク, オープンソース, Mac OS X Server


【Mac OS 9シリーズ】デザインや出版にもMac OS 9

Macintoshがデザインや出版の世界で高い支持を得ていることはよく知られている。デジタルビデオやCGなどの分野では最新のハードとシステムをふんだんに利用できる。一方、DTPの世界ではフォント環境の問題や、アプリケーションの問題などがあって、未だに「安定環境はMac OS 8.1」と言われるほどだ。そのため、最新のG3やG4などの高速機が使えない状態にもなっている。しかしながら、きちんと環境を整えれば、Mac OS 9もDTPに十分に使えるOSであることを、アップルが主催した製品説明会で披露された。DTPの分野では著作物や雑誌などでも活躍をしている菊池美範氏をゲストスピーカに迎え、アップルの担当者とともにMac OS 9をDTP分野でも十分に使えることをアピールした。なお、トークセッションはMDOnlineの筆者である新居雅行が司会を務めた。そのときのプレゼンテーションやトークセッションの要約を今回はお届けしよう。

古いシステムを使わざるを得ない1つの大きな要員は、まずフォントにある。旧来のOCFフォントと呼ばれるメカニズムから、Mac OS 8.5以降はCIDフォントに以降し、Mac OS 9である意味では完成した機能を提供している。Mac OS 9では従来のフォントではなく、CIDフォントを使う必要があり、フォントメーカはすでに供給を行っている。また、Adobe ATMなどのフォント関連ユーティリティもMac OS 9への対応版が出ている。その意味では、フォント環境は概ねMac OS 9でも問題なくそろうようになっていると言える。フォントの細かいバージョンを違わないようにしたり、CIDとOCFの混在を避けるようにするといった配慮は必要なものの、すでに現状ではCIDフォントで環境は作れるようになったと言える。「フォント」フォルダのスーツケース数が1024に増え、フォントファミリ数については、1スクリプトに対して512に拡張されるなど、Mac OS 9ではシステムでより高い機能を持っている。縦書きのグリフの問題として、丸漢フォントの働きによって以前のシステムではグリフがないものでもあたかも見えていたということがあった。それが、Mac OS 8.5ではある意味で素直に動作するようになったため、縦書きのグリフが見えなくなるということになったが、Mac OS 9では以前のシステムの動作も取り込み、縦書きグリフが見えなくなる問題にも対処してある。

ページデザインの分野でもっとも良く使われているページレイアウトソフトのQuarkXPressについても、旧バージョンのVer.3.3はMac OS 9での動作には問題がある。しかしながら、Ver.4についてはMac OS 9では一切問題なく利用できる。プロテクトのドンクルのUSBアダプタは無償で入手できるので、利用するハードウエア的には問題はない。アドビ製品についてもMac OS 8.1以降の互換性を確保しているとアナウンスされているため、主要なアプリケーションについても、Mac OS 9での利用は問題がないと言える。

このように、OS、フォント環境、アプリケーション環境をまとめて移行できるのであれば、現在でもMac OS 9は十分にDTPで利用できる状態にあると言える。ただし、中途半端な移行ではいろいろ問題が出る恐れがある。菊池氏によると、たとえば仕事の変わり目などで環境をごっそり移行するようなことをすれば問題ないのではないかということだ。あるいは年末と正月の休みを利用して環境を移行するのも1つの手だ。もちろん、環境の移行には手間はかかるが、Mac OS 9にすることによる効率化を考えれば、それくらいの手間分はすぐに元がとれると菊地氏は話していた。

カテゴリ:Mac OS 9, Mac OS 9


DVI端子のあるディスプレイは、電源、ビデオケーブルの順に接続する

デジタルビデオ入力(DVI)端子を備えたApple Studio Displayについて「Apple Studio Display DVI: Plug In Power Cord First」という文書がTech Info Libraryで公開されている。ディスプレイのケーブルを差し込む前に、まず、Apple Studio Displayの電源を接続しておく必要がある。電源、ビデオケーブルの順序で接続しなければならない。そうしないと、静電気によるダメージの影響が出る可能性がある。

関連リンク:NEW:58547:Apple Studio Display DVI: Plug In Power Cord First
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器


AirPortは搭乗時は切る、MACアドレス、電波利用

AirPortに関する情報が、Tech Info Libraryに以下のように3つ追加されている。MACアドレスや電波のチャンネルなどはシステム管理がらみで必要な情報かもしれない。また、飛行機に搭乗する時には切るというのも知っておくべきことだろう。

58548:AirPort Card: Disable During Air Travel
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58548
飛行機に搭乗する際にはAirPort Cardの機能をオフにして、電波を発しないようにする必要がある。コントロールバーによる方法と、アプリケーションによる方法が説明されている。

58549:AirPort: Locating the MAC Address
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58549
MAC(Media Access Control)アドレスの取得方法が記載されいてる。Base Stationやカードの場合の書き込まれている場所や、AirPortアプリケーションを使った場合のMACアドレスの確認方法が記載されいる。

58550:AirPort Base Station: Channel Selection and Overlap
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58550
AirPortは2.4GHz帯の電波を使っているが、そこは14チャンネルに別れており、どのチャンネルを使うかはAirPortユーティリティで設定できる。各国での利用可能なチャンネルの一覧表があるが、日本は14番目のチャンネルのみだ。また、1つのチャンネルが別のチャンネルの帯域まで広がって電波を出していることが説明されている。

カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク


マルチユーザでチャネル出ない場合には、操作をすればダウンロードする

Tech Info Libraryに「Sherlock 2 and Multiple Users: Missing Channels」という文書が公開された。マルチユーザで使用していてSherlock 2を使うと、チャネルが3つしか設定されておらず、すべてが見えないとうことが起こる場合がある。そこで「My Internets」チャネルを選ぶと検索すべきサイトがない旨のメッセージが出るが、そこでプラグインなどを検索しに行き、Sherlock 2は本来のチャネルも含めて用意する。

関連リンク:31154:Sherlock 2 and Multiple Users: Missing Channels
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


ViaVoiceとSpeakable Itemsを両方使う方法

Tech Info Libraryに公開された「Speakable Items: Using With IBM’s ViaVoice」では、IBMから発売された音声認識システムのViaVoiceを使いながら、Mac OSの音声認識システムのSpeakable Itemsを利用できるかどうかを解説している。Speakable Itemsとは、音声でMac OSを操作する機能で、一覧に示されたコマンドを発声することで、さまざまな作業ができるようにする機能だ。サウンド入力を1系統しか受け付けないことから、その機能を使うには制約がある。それをやりくりする方法が記載されている。また、Mac OSの音声認識システム下でViaVoiceを使う上での問題点などもまとめられている。

関連リンク:31155:Speakable Items: Using With IBM’s ViaVoice
カテゴリ:ユーティリティ, Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


1999/12/13付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年12月13日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

70135:WebObjects 4: Correcting Century Issues in the WebObjects 4.0.1 Examples
60006:Software Fulfillment Options
70134:WebObjects 4.0.1 Patch 1 Overview
58539:Apple Studio Display DVI: Technical Specifications
10639:Using Screen Savers with Liquid Crystal Displays
58541:AirPort: Why You Must Enter Password When Waking From Sleep
58501:AirPort: Supported Internet Service Providers
58538:AirPort Base Station: Troubleshooting a Dial-up Connection

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)