Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年1月7日発行号 - MDOnline-無料でプログラミング学習



日本時間で1月6日にあった、Macworldの基調講演を見て、即座に記事を書いたおかげですっかり生活ペースが狂ってしまいました。なんか、時差ぼけみたいな感じになりますね。これもインターネットの効果というやつでしょうか。アメリカに行かなくても行ったようになるという…。
Macworldではいろいろ新製品が出てくるのですが、開発関連でもいくつか発表がありました。中でも、CodeWarriorUは注目したいと思います。オンラインの世界でのマーケティングの手法として、強固なコミュニティを作り、ある意味で忠実な顧客をしっかりとつかむというやり方があります。まさにこれですね。もちろん、現在は英語によるサービスですが、日本語での展開は行うのでしょうか? いずれにしても、購買ユーザに対してはオンラインで恒常的にチュートリアルを提供し、これから購買する可能性のあるユーザを引き込むという点で、インターネットの状況をうまく利用した手法だと言えるでしょう。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


CodeWarriorを中心としたプログラミング学習サイト、登録無料で公開

米国のメトロワークス社は、オンラインでプログラミングの学習を行えるサイト「CodeWrriorU」を開設した。登録が必要だが、無償で登録できる。現在は、Mac OSでのC++プログラミングの基本、Mac版CodeWarriorについての2つのコースだけだが、順次Windowsでのプログラミングや組み込みPowerPCについてのプログラミングなどのコースが追加される予定だ。オンラインで学習でき、ディスカッションボードを利用したメッセージのやりとりや、講師へのメールの質問なども受け付ける。なお、受付を開設しているコースに入ってみたところ、2月の初旬か中旬から実際のコースが利用できるようになると連絡が来た。同社のCodeWarriorには、PDF文書などでかなりのドキュメントがあるが、それをオンライン展開し、コミュニティ形成を図ることで、製品をより浸透させるという意図があるものと思われる。なお、現在、申込者の中からソニーのAiboが当たるというキャンペーンも行っている。

関連リンク:CodeWrriorU
カテゴリ:サービス, CodeWarrior


マイクロソフトがMac版IE5のリリースをアナウンス、Mac OS X向けの開発も公表

マイクロソフトは、Internet Explorer 5のMac版についてのアナウンスを行った。2000年の早い時期にリリースするということであるが、Windows版から1年近く経過しているという計算になる。HTML 4, CSS 1, XML 1, DOM 1といったインターネット標準に対応したレンダリングエンジンTasmanを搭載している。とは言うものの、一般利用者にとっては、現行のVer.4.5やVer.4で参照できないページがあったりするわけではないので、ブラウザの新バージョンと言ってもあまり過度な期待はされないだろう。動作がきびきびしていればうれしいという程度だと思われる。
また、オークションマネージャのような、インターネットサービスを利用するような機能も追加されている。特徴的なのはMediabarと呼ばれるストリーミング系サービスを即座に呼び出すツールバーだ。Windows版では、Windows Media Playerベースのサービスを呼び出すのだが、Mac版では稼動環境に配慮してQuickTimeベースのコンテンツを呼び出すようになっている。Javaについては、JDirect 2.0対応と、MRJをVMとして利用することが説明されているが、それ以上の説明はなかった。
また、マイクロソフトは、Internet Explorer、Outlook Express、そしてOfficeシリーズをMac OS Xに「ネイティブ対応」させることも表明している。Macworldの基調講演でCarbonベースのInternet Explorerが公表されたので、ネイティブとは言うもののCocoaではなくCarbonだとは思われるが、まずはMac OS Xに有力アプリケーションが確実に移植される点で大いに注目ができる。また、Office自体のアップデートが行われ、Windows版のOffice 2000に相当するバージョンのアプリケーションがMac OS XネイティブOfficeとして登場するなら、バグ修正や新機能などの期待も含めて注目できる。問題は、いつ頃のタイミングでこれらのアプリケーションが使えるようになるかだ。

関連リンク:Mac Internet Explorer Home
カテゴリ:ブラウザ, Mac OS X, 業界動向


Mac OS 9でのフォント管理の上限が大幅に向上

Mac OS 9で使用可能なフォント数の増加について、Technical Q&Aの「Maximum number of fonts」という文書で説明されている。従来はスーツケースファイルで128までだったのが、Mac OS 9では1024まで増えている。これはFCBの構造が改良されたことに関連がある。また、Mac OS 9ではフォントファミリは1800まで利用できる。ただし、1つのスクリプト(言語)では、512までのフォントファミリしか使えない。

関連リンク:tx13 - Maximum number of fonts
カテゴリ:Technical Q&A, Mac OS 9


REALbasic 2.1は2000年第一四半期に出荷予定

米国REAL Software社は、Basic言語をベースにしたビジュアル開発ツール「REALbasic」のVer.2.1についての出荷を正式に発表した。2000年第一四半期に出荷され、現行のVer.2.0.2登録ユーザはフリーでアップグレーする予定だ。スタンダード版が$14995、SQLデータベースアクセスなどが追加されたプロフェッショナル版が$249.95となっている。新しいバージョンでは、Windows向けアプリケーション作成機能の向上、データベース利用の改良、実行速度の向上など、基本的な性能アップが中心となっている。なお、Ver.2.1のアルファ版はすでに順次公開され、パブリックに評価が進められている。

関連リンク:REAL Software
カテゴリ:REALbasic


Installer VISE Ver.6.5にアップデート、パッケージ機能に対応など

MindVision Software社は、インストーラ作成ソフト「Installer VISE」のアップデート版Ver.6.5をリリースした。Mac OS 9に対応し、マルチユーザに対応するとともに、Mac OS 9から導入された新しい機能であるパッケージにも対応している。また、G4プロセッサのGestaltにも対応していおり、G4対応の特別バージョンの組み込みにも対応できる。コンテキストメニューのプラグインをインストール時に自動的にロードする機能も句っ割った。Installer VISEは商品ソフトウエアで利用する場合はコピー数に応じたライセンスが必要だが、フリーウエアあるいはシェアウエアは無料で利用できる。

関連リンク:Installer VISE
カテゴリ:開発ツール, Mac OS 9, システム関連ツール


Mac OS X ServerでのAppleShareファイルサーバの停止と起動

Mac OS X ServerでのAFPサービスの停止と再稼動の方法が、Tech Info Libraryの「Starting and Stopping AFP services」という文書で公開された。AFPつまり、AppleShareファイルサーバ機能は、Webブラウザによる管理機能で、停止したり再稼動させることができる。停止のときには、何分後に停止するのかなどを指定することができる。また、Macintosh Managerの管理ツールからも、サーバ機能を停止させることができる。

関連リンク:58559:Mac OS X Server: Starting and Stopping AFP services
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク, Mac OS X Server


Rage 128 ProのDVIポートにVGA接続は可能だが、通常は必要ない

DVIポートを備えるビデオカードRage 128 Proで、DVI端子にVGAディスプレイを接続できるかを、Tech Info Libraryに公開された「VGA Signals Through DVI Port」で説明している。デジタル信号のぽーとであるDVIは規格に従って、VGAの信号も通している。アダプタを使えば、DVIポートからVGAに接続することは可能だが、Rage 128 ProにはVGAポートも備えているので通常はそちらを使うのが手軽だ。なお、Rage 128 ProはDVIとVGAの両方を同時に使うことはできない。

関連リンク:58558:ATI Rage 128 Pro Video Card: VGA Signals Through DVI Port
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器


MRJ 2.2EA2が1999年末で期限切れ、ただし、継続使用は可能

Mac OSで稼動するJava VMのMRJ(Mac OS Runtime for Java)は、次期バージョンとしてVer.2.2が予定されている。EA2版が1999年9月にリリースされ、正式版は1999年秋にリリースと言う予定であった。しかしながら、現時点ではまだ正式リリースもされず、引き続くEA版のリリースも予定されていない。次はしかるべき時期に正式版をリリースするということが言われている。EA2版は使用期限が1999年末に設定されており、2000年に入ってからは警告メッセージが出るが、これは無視して使用を続けられるとのことだ。
MRJ 2.2は残念ながらJava2ではなく、JDK 1.1.8ベースのものだ。Mac OSでのJava2 VMが出るまでのつなぎ的なイメージがあったものの、ここまでリリースが引っ張られると、さすがに注目度は冷めていくのではないだろうか。MRJ 2.2での新しい機能や独自の機能も用意されているが、そうしたものにフォーカスするよりかは、Java2を目指すのが一般的な考え方になるだろう。Appleは、Mac OSにおいてもJavaをサポートすることを事あるごとに名言しているが、このところはあまりにスケジュールが守られていない。スケジュールに狂いが出るとということは、予定が立たないということも意味するために、確実にデベロッパーを遠ざけている。「OSを超えた高い互換性」というメリットがJavaを使う大きな理由の1つでもあるが、Windows環境で一般的なJava2 VMがMac OSで使えないというのは、Javaの互換性というメリットを損なうものであると断定できるだろう。MRJ 2.2がリリースされてはいないものの、Mac OS Xは今年のリリースが正式発表された。そこでは、Java2が搭載されているものと思われるが、それを待つにしろ待たないにしろ、Mac OSでのJava環境の足場が固まらない状況はまだまだ続きそうだ。

カテゴリ:Java


Lassoが4Dにも対応、FileMaker Pro5にも対応してバージョンアップ

Webサーバとデータベースを連結するツール「Lasso」がVer.3.6にアップデートされた。FileMaker Pro5シリーズへの対応に加えて、4th Dimensionにも対応した。また、セキュリティの強化やコマンドの追加などが行われている。LassoはMac OSあるいはWindowsで利用できる。Mac OSでは標準的なCGI機能を経由して利用できる。データベースとしては他にODBCソースの利用も可能だ。サーバで稼動させるLasso Web Data Engineと、DreamweaVer3内でアプリケーション構築ができるLasso Studioからなる。価格は$599から$1999となっている。

関連リンク:BLUE WORLD SHIPS LASSO WEB DATA ENGINE 3.6
カテゴリ:サーバー関連


WebSTARがG4に最適化、開発キットはCarbonにも対応

Mac OSで稼動するWebサーバの代表格であるStarNine社の「WebSTAR」がVer.4.2となり、G4プロセッサのVelocity Engineに対応した。Data Cache Plug-inなどが、ベクタライズ処理機能を利用して高速化を図っている。
また、WebSTARのプラグインなどを開発のための「WebSTAR Developer Toolkit」についても更新され、Carbonベースの開発やG4のVelocity Engineのサポートを追加した。Carbon向けのテンプレートが添付されている。StarNine社はMac OS Xへの対応を積極的にすすめるという意志の現れでもあると言えるだろう。

関連リンク:StarNine Developer Program
カテゴリ:サーバー関連, Carbon/CF, PowerBook


AppleShare IP 6.3のWebリモート管理ツールはAppleTalkも必要

AppleShare IP 6.3でWebベースのリモート管理ツールを使う場合でも、AppleTalkは切にしてはいけないことが、Tech Info Libraryの「Web-Based Remote Admin Will Not Launch If AppleTalk Is Inactive」で説明されている。AppleTalkを使うようにするか、あるいはMac OSで稼動するサーバ管理ツールを使うか、いずれかで対処しないといけない。

関連リンク:32078:AppleShare IP 6.3: Web-Based Remote Admin Will Not Launch If AppleTalk Is Inactive
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), サーバー製品


Macintosh Managerのクライアントが1.2に戻される

AppleShare IP 6.3やMac OS X Serverをサーバとして、クライアントのMac OSを管理するMacintosh Managerのクライアントソフトウエアが、Ver.1.2になった。1999年12月後半にVer.1.2.2になったものの、問題が見つかったため、公開バージョンはVer.1.2と古いバージョンに戻されている。これは英語版のソフトウエアの状況で、日本語版については、Ver.1.2までしか公開されていなかった。
Ver.1.2のReadMeファイルが、以下のアドレスで、Tech Info Libraryの文書として参照できる。

◇60678:Macintosh Manager 1.2: Read Me
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60678

関連リンク:Macintosh Manager 1.2
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク, サーバー製品, システム関連ツール


最新機種ではネゴシエーションができないEthernetスイッチがある

最新の機種と、あるEthernetスイッチの相性が悪いことが、Tech Info Libraryの「Auto-Negotiation Issues With LinkSys 5-Port Switch」で公開されている。LinkSys社のEtherFast 10/100 Dual-Speed 5-Port Workgroup Switch(モデルはEZXC55W)に対し、iBook、スロットローディングのiMac、AGPグラフィックスのPower Mac G4とを接続しても自動的にネゴシエーションすることができない。このトラブルに巻き込まれた場合には、LinkSys社のサポートに連絡しろと記載されている。他のネットワークスイッチに関してはこうした問題は発見されていない。

関連リンク:32076:iBook, iMac (Slot Loading), G4 (AGP): Auto-Negotiation Issues With LinkSys 5-Port Switch
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Power Mac, iBook, iMac, ネットワーク


2000/1/6に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年1月6日に更新されたものとして公開された。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。なお「iMac DVD Update 1.0: Read Me」は既報のアップデートソフトウエアのReadMeファイルなので、詳細は割愛する。

58444:Tech Info Library: Advanced Search Techniques
22104:Tech Info Library: Basic Search Techniques
25084:Duo Dock: Modem Port Not Available After Mac OS 8.5 Install
58434:Power Mac G4: Technical Specifications
58555:Open Transport Tuner 1.0: Description
24321:AppleShare IP: Port Numbers Used By AppleShare IP Services
11983:Difference Between Landscape and Portrait
31151:Mac OS 9: Enhanced CDs Mount Multiple Partitions
60675:Macintosh Manager 1.2.2: Read Me
43031:iMac and iBook: How to Backup Hard Drive Contents
58557:iMac DVD Update 1.0: Read Me

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)