Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年1月12日発行号 - MDOnline-iDiskを使ってみる



今日はiDiskを使ってみた記事をお届けします。2次利用される方々向けの連絡事項になってしまいますが、記事に示したように、アップルよりの公式見解という形のものをうかがうことができました。しかしながら、紹介することはかまわないというスタンスだそうです。サービスの申込形態が若干グレーなだけに、各媒体様で記事をお使いの場合には、媒体の読者プロフィールを考慮された追加情報や注意書きなどを添えられることを希望します。よろしくお願いします。


それで、やっぱり、___@mac.comというドメイン名は魅力があるのでしょう。家内の友人がさっそく「メールアドレス変わったよ」などと言ってきたので、とたんに我が家でもiToolsアカウントをねだられる始末です。そのためには、もろもろの確認用においてあったMac OS 8.5.1のiMacを、Mac OS 9にして作業しないと行けません。細かくは見ていませんが、あるシステムでいったんiToolsのインストールをした後、再度インストーラを動かしても、1からインストールを始めることはしないのです。別のアカウントを申し込むには、別のシステムを使うのが一番手軽なようなのです。Webページでクリックすると、デスクトップにマウントされるメカニズムも不思議です。iToolsのサイトは、Webとデスクトップを連動させたシステムという意味でも非常に興味があるところでもあります。



(新居雅行 msyk@mdonline.jp


【Mac OS 9シリーズ】新サービスiDiskを使ってみる

Appleが北米のユーザ向けに、インターネットを通じたサービスを2000年1月の初頭から開始した。いくつかのサービスがあるが、Mac OSを使っている上で利用できるサービスとしてiToolsがある。iToolsの利用には、まずサイトからインストーラをダウンロードする。250KB余りの小さなアプリケーションだ。そのダウンロードしたインストーラをユーザがダブルクリックして起動し、実際にインストール作業を始める。インストール作業も、Webブラウザを使って行われる。インストール作業中に、ユーザ登録の場面がある。ユーザ登録では、国は米国かカナダしか選択できず、郵便番号や州名をきちんと入力する必要がある。(試用のために、筆者は正しくない住所を入力した。これには問題があるかもしれない。ただし、北米地域以外のユーザも登録してかまわないと書かれた文書もある。)
インストーラによって、iToolsのアカウントが発行される。それが無料の電子メールアドレスになり、また、ファイル保存サービスのアカウントにもなる。筆者の場合は、アカウント名「msyk」で登録したため、msyk@mac.comというメールアカウントがもらえた。このメールは通常のメーラで利用できる。POPサーバ名はインストール時に示されるが、Outlook Express 5に自動的にアカウントを登録するという作業もインストーラが行う。ただ、残念ながら筆者の手許ではこの段階でフリーズしてしまい、実際に登録されるところまでは行かなかった。
このiToolsサービスは、次の4つのサービスが含まれている。


これらのうち、やはり興味を持つのはiDiskサービスだろう。これについて、詳しく報告したい。EMailはすでに説明したようにインストール時にアカウントが発行されるフリーメールサービスだ。容量は5MBとなっている。KidsSafeはアカウント登録後、ファイルなどをダウンロードしてインストールするようになっている。HomePageはWebサイトで対話的にWebページを作るものだ。

iDiskはAppleのサーバ上に、ファイルを保存するためのスペースを無償でもらえるというものだ。容量は20MBある。その領域を確保するために、Webページから、次の図のようなiDiskの利用者ページに移動する。ここでOpen My Diskボタンをクリックする。
figs/macos9/17/fig05.gif

すると、自分のアカウント名と同じボリュームが、Mac OS 9のデスクトップ上にあらわれる。つまり、AppleShareサーバなどと同様に、iDiskの自分の領域がデスクトップにアイコンとして現れるわけだ。ボリュームの情報を見ると、どうやらK-AShareを利用して作ったサービスのようで、つまりは、TCP/IPベースのファイル共有サービスということになるだろう。
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デスクトップにマウントされたアイコンを開くと、次のように、最初からいくつかのフォルダに別れている。ルートレベルは書き込み禁止になっているため、たとえば、自分用に使うファイルはDocumentsなどのフォルダに入れればいいということになる。Finderでドライブとして見えているので、Finderでのコピーはもちろん、アプリケーションからも保存できるドライブとして利用できる。
figs/macos9/17/fig04.gif

MoviesやPicturesなどは、ムービや画像を入れるためのものだが、単にファイルを保存するだけというのなら、特に意識はしなくてもいいだろう。Sitesはホームページ作成サービスで利用する。いずれにしても、ルートレベルは書き込み禁止になっていてユーザは変更ができない。プライベートはDocuments、パブリックなファイルはPublicという使い分けが基本となるだろう。

ここで、Publicという名前のフォルダは、別のユーザからも参照できる。たとえば、ファイルをたくさんの人に配付するようなときなどに利用できるだろう。WebサイトのiDiskのページの右側に、アカウント名を入れて、ボタンをクリックすると、別のユーザのPublicフォルダ内だけが1つのドライブとしてデスクトップにマウントされる。自分のアカウントのドライブとは区別がつくように、次の図のように少し違う色のアイコンになっている。このアイコンを開くと、直接Publicフォルダ内がウインドウで参照でき、さらに読み込みのみの属性となっている。つまり、他の人に書き込まれたり変更されたりはできないようになっているわけだ。
figs/macos9/17/fig06.gif

自分のアカウントのiDiskボリュームを一度デスクトップに呼び出せば、アップルメニューの「最近使ったサーバ」に項目が作られる。2度目以降は、その項目を選択すればいいが、アカウントやパスワードは残念ながら鍵束には登録できないようになっている。

iDiskボリュームは一定時間使用していないと、自動的にログオフさせられるようになっている。次の図のように、3分前、1分前、切断時にダイアログボックスが出てきて知らせるようになっている。Notification Managerベースのメッセージではなく、ダイアログボックスだ。
figs/macos9/17/fig07.gif

カテゴリ:ネットワーク, Mac OS 9


日本在住者としてiToolsを申し込む場合の注意

別掲の記事にも記したように、iToolsは北米地域向けのサービスであり、申込時の住所はアメリカ、カナダのものしか受け付けない。したがって、住所の一部を偽って申し込むことになるのだが、都市名が米国にないものであれば、アップルの側で判断できるという期待もある。登録した住所をアップル側で修正する可能性があることもQ&A文書で示されている。いずれにしても、あまりフェアではないものの、なるべく日本から申し込んだことがわかるような住所で申し込みをするくらいの配慮はしておきたいところだ。
なお、アップルの公式見解としては、iToolsに対して、「このサービスは北米のユーザを対象としたものなので、日本でのサービス開始をお待ち下さい」とのことだ。つまり、日本向けには、おそらく日本語のページで同等なサービスが開始されるので、それを待ってもいいだろう。
ちなみに、今、この記事は出先でWindowsマシンで書いている。アドレスを確かめるためにiToolsページに移動したら、Macでしか使えないサービスなので、Macを買ってからページにきて申し込んでほしいと表示がでた。もちろん、AppleStoreへのリンクもある。なかなかやるなぁ。

関連リンク:iTools
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Mac OS XにJava2を搭載、Mac OS 9対応は未確定

MRJのメーリングリストで公開された情報によると、1月初旬のMacworld ExpoでのJavaのセッションにおいて、Mac OS XでJava2を利用できるようにしていることが正式に明らかにされた。現在は1.2.2に相当するものを組み込んでいるが、1.3などSun Microsystemsのリリースする最新のJava2環境に追随する予定だ。Mac OS XのDeveloper PReview 3におおむね完全な形で組み込まれるという。
また、Mac OS Xに組み込まれているJava VMは、POSIX(UNIXオペレーティングシステムの規格)をベースにしている。また、AWT(Javaのユーザインタフェース)部分はCarbonを利用した作りとなっている。つまり、標準的なJava環境はCocoaベースで動くわけではない。おそらく、Solaris向けのJava VMをベースに開発したため、こうした構成になっているのだろう。SolarisもMac OS Xも同じBSDをベースにしている。
一方、Mac OS X向けに開発されているJava2環境を、Mac OS 9/8に移植するかどうかについてはまだ決定を下していないということだ。つまり、Java2がMac OS 9では未来永劫使えないという事もあり得るということだろう。Carbonは互換性があるというもののPOSIXベースの部分はMac OS 9には本来存在しない機能だ。従って、Mac OS XのJava環境が整備されても、さらに開発リソースを投じる必要があり、優先順位をアップルがどう考えるかにかかっている。
いずれにしても、言われていたMac OS XでJava2対応は確実になったと言えるだろう。しかし、だとすると、一般ユーザレベルで利用できるのは、2000年夏以降ということになり、Windows環境に2年近い遅れとなってしまう。

カテゴリ:Mac OSテクノロジー, Java


Power Mac G4で起動を早くするには「起動ディスク」を選択

Tech Info Libraryに公開された「Select a Startup Disk to Reduce Start Up Time」によると、Power Mac G4では、「起動ディスク」コントロールパネルで適切なドライブを選択していれば起動時間が短くなるということだ。ドライブを選択していないと、起動時に接続されいてるデバイスをスキャンするので、その分の時間がかかるとのこと。

関連リンク:58421:Power Mac G4: Select a Startup Disk to Reduce Start Up Time
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Power Mac


DrawSprockets関連のサンプルプログラム

ゲームの画像処理向けシステム機能であるDrawSprocketsを使ったサンプルプログラムが、以下のように公開されている。OpenGLと併用する方法や、画面特性を変更する方法が示されている。

◇OpenGL DrawSprocket 1.1
http://developer.apple.com/samplecode/Sample_Code/Graphics_3D/OpenGL_DrawSprocket.htm
OpenGLとDrawPorocketを統合した形式で、全画面の描画を行うサンプル。複数のディスプレイがある場合でも正しく処理されるようになっている。いくつかのバージョンでのDrawSprocketsの使い分けや、OpenGLのマルチピクセルフォーマットの利用法のサンプルでもある。

◇DSp Context Switch 1.0
http://developer.apple.com/samplecode/Sample_Code/Games/DSp_Context_Switch.htm
DrawSprockets(DSp)を使って、コンテキスト、すなわち解像度などの画面特性を変更するサンプルプログラムだ。全画面表示した上で、画面の解像度を切り替えるようなサンプルが用意されている。

カテゴリ:グラフィックス, アップルからの開発資料


Mac OS 8.6でのEPSONプリンタのトラブル

Tech Info Libraryに公開された「Print Jobs Inadvertently Merged」では、EpsonのStylus Color 600プリンタを使った場合の問題と対処について記載されている。USB搭載機でシステムがMac OS 8.6で、さらにドライバがColor Stylus v5.5AEの場合、1ページ目の最後が2ページ目に少し表示されてしまうというもの。用紙がなくなった場合にこの症状になるが、用紙を追加する前にLoad/Ejectボタンを押せばいいとのことだ。

関連リンク:31158:Mac OS 8.6: Print Jobs Inadvertently Merged
カテゴリ:Mac OS 8, 周辺機器, Knowledge Base(旧TIL)


2000/1/11に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年1月11日に更新されたものとして公開された。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

25087:AppleShare IP 6: Too Many Aliases in a Folder Hangs Server During ftp Access
30859:Mac OS 8.5: Icons Clipped When Using Print Window
72002:iReview, iCards, and iTools: FAQ
60235:Macintosh: Using DVD-RAM Discs
16168:PowerBook and iBook: AC Adapter, Battery, and Recharger Identification
24213:Power Macintosh G3: Technical Information Guide
58418:Power Mac G4: How to Differentiate Between Models
58431:Power Mac G4 (AGP Graphics): Ethernet and Wireless Networking Specifications

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)