Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年2月20日発行号 - AirMacレポート



2月18日の配信では、文字化けのある記事があって申し訳ありませんでした。書けていた部分は最後の少しだけですが、同じ記事を今回再送いたします。今日の配信では、松尾真一郎さんに書いていただいた、AirMacの初日購入レポートも含まれています。MDOnline初の寄稿になります。お楽しみください。Expo後半は行事が多く、配信の間隔があいてしまったことをおわびします。最終日は、とにかく、ビラ配りに徹していました。
さて、アミュレットさん<http://www.amulet.co.jp/>より、取材させていただいた縁で、LinuxPPC2000の英語版2枚と、Tシャツ2枚をプレゼント品としていただいています。これは、抽選としたいと思います。2月22日中(つまり、次の火曜日いっぱい)に到着したメールから、厳選なるあみだくじを使用して、当選者を決めたいと思いますので、御希望の方は以下の要領で御応募ください。MDOnlineを御購読されているアドレスからの応募のみを有効とします。

 メール宛先:msyk@locus.co.jp
 メール題目:【LinuxPPCプレゼント応募】
 内容:名前、プレゼントの送り先の住所、当選時の公表名
    希望商品(LinuxPPC2000、ないしはTシャツ)

発表は、23日か24日の配信号で行います。
最後に、MDOnlineの展示での隠し玉ですが、以下のサイトを見て下さい。和菓子で作ったiMacです。ちょっと写真がピンぼけ気味なのが情けないですが…。こんなものを展示していました(MDOnlineとは無関係ですが〜笑)。ただ、できが良すぎるのか、和菓子と言われないと分からないのか、一部の人にしか受けなかったのが残念なところ。それでも大受けしてもらった人もたくさんいたので、とにかくよかったです。製作していただいた竹隆庵岡埜さんに感謝いたします。
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(新居雅行 msyk@mdonline.jp


G4で動かすLinuxPPCはとても速い

Macworld Expoのアミュレットのブースでは、PowerPC搭載機で稼動するLinuxであるLinuxPPCを展示している。特に、LinuxPPC上で、Mac OSが動く「Mac OS-in-Linux」には多くの人の注目を集めている。そのLinuxPPCのプレジデントであるJeff Carr氏に、MacWIREと共同でインタビューを行った。
LinuxPPC 2000は、PowerMac G4でも稼動するが、非常に高速に稼動して快適だということだ。Linuxはマルチプロセッサの対応も不可能ではないが、それも必要がないくらい速いと感じているそうだ。PowerMac G4への対応は、ドライバやファームウエアの対応などが必要だったり、AGPグラフィックスへの対処なども必要だったが、それほどの多くの労力はかからなかった。一方、Darwinに対しては、BSDやMachなどといくつかの階層に分かれていることから、パフォーマンス的に不利な点も見えてくるという。一方、Linuxのようなモノリシックな環境の方が、パフォーマンス的にも有利だとしている。
LinuxPPC 2000は、使い勝手のよいインストーラが特徴だ。CD-ROMでブートすれば、マウスで操作できるディスクユーティリティが動くなど、コマンドラインをたたく必要がほんとんどない。また、GNOMEがデスクトップで動くなど、操作体系は完全にGUIになっている。Mac OS X Serverがアップルからリリースされていて、同じようにUNIXの上にグラフィックスの操作環境を乗せているが、実際にはグラフィックス環境ですべての作業ができるわけではなく、見かけから簡単に使えるとは限らないと指摘する。
Linuxはすでに大きな市場を形成しているが、競合相手となるのは、TurboLinuxなどのディストリビュータだと考えているそうだ。Jeff Carr氏が、PowerPCプラットフォームを選んだのは、自分がずっとMacintoshを使ってきているからだという。LinuxPPCは、Macintoshコンピュータ以外への移植も十分に考えられるのだが、PowerPCベースのマザーボード、たとえば以前のCHRPのようなものが供給されるようになったとき、新しい展開が可能になるという興味深い話もあった。Mac OSとは違う、別の意味でのPowerPC搭載パソコンに、LinuxPPCをOSに採用したものが、状況が整えば可能になるという。
Linuxはもともとはサーバ用だったが、デスクトップ用としても十分に通用するようになりつつあると話していた。アプリケーション環境の整備などの問題もあるが、UNIXをベースにGUIを搭載し、Mac OSもブートが必要だとは言え、Linuxの1つのプロセスとして起動できる。Mac OS Xが目指す環境のある側面は、すでにLinuxPPCで実現していると言っても過言ではない。Mac OS XがUNIX化という方向を持つ中で、LinuxPPCは無視できない存在になっていると言えるだろう。

カテゴリ:UNIX


AirMac発売初日購入レポート

MacWorld Expo初日の基調講演では、新製品の発表と同時に、待たれていたAirMac(旧称:AirPort)の発売が2/18となることが発表された。その発売初日に早速購入とiBookへのセットアップを行ったので、そのレポートをお送りする。

AirMac製品は、Mac側に装着するAirMac Card(定価12,800円)とネットワークの基地局とも言えるAirMac BaseStation(定価38,000円)から構成される。1台のMacをAirPortに接続する場合は、AirMac CardとBaseStationを1台づつ購入する。2台以上のAirMac対応のMacを持っている場合は、AirMac Cardを2枚購入し、1台のMacでSoftware BaseStationの機能を使うことにより、ソフトウエア的にBaseStationの役割をこなすことができる。ただし。この場合はBaseStationを務めるMacは場所を固定しなければいけない。今回購入したのは、iBookに装着するAirMacCardとBaseStationの組み合わせである。

製品は、カメラ量販店で購入した。このお店はiBookの販売店にはなっていないが、AirMac自体が、今回のExpoで発表された新製品の登場によって、Mac全体で使えるようになったため、Macの販売店であればどこでも入手できる。値段は、初日と言うこともあるが定価だった。ただし、お店独自のポイント還元はあったので、実質的には1割引といったところだ。

AirMacCardには、機種別のCardの装着方法を記した冊子が付いてくる。ところが、この中には、新しいPowerBook G3向けの冊子だけはなかった。AirMacの製造タイミングとPowerBookG3の発表タイミングのずれが原因だと思われるが、新しいPowerBook G3を購入した人にとっては混乱するかもしれない。

CardのiBookへの装着は簡単だ。キーボードの上部のツメ2箇所を引き上げてキーボードを外し、中央部にあるアンテナ端子をCardに装着し、そのCardを手前側のスロットに差し込むだけである。変な話だが、購入して帰る途中のバスの中で装着をしてしまったぐらいである。

Cardの設置が終わったら、次はBaseStationを設置する。BaseStaionには、モデムポートと、10Base-TのEthernetポートが付いている。それまでモデムを使ってInternetなどに接続していた人は、モデムポートにモジュラーケーブルを接続する。一方すでにLANが設置されている場合には、そのネットワークにEthernetポートを使って接続する。筆者の環境は、LANが設置されている状況なので、Ethernetポートを利用する。

インストーラ起動すると、あとはiBookとBaseStationの間で無線で通信を行いながら、セットアップは進んでいく。手順としては、iBookのネットワーク関連の設定をBaseStationにコピーし、iBookに別のプライベートアドレスを割り振って、BaseStationでルーティングを行うように設定される。付属のAirMac設定アシスタントで行われるのはここまでだ。家庭などLANを使っていない環境であれば、これで設定は完了だ。問題なのは既存のLANにつなげる場合で、そのLANで使用可能なIPアドレスをBaseStationに設定する必要がある。この設定は、AirMac管理ユーティリティを使う。BaseStationは、デフォルトでは自身がDHCPサーバとなってAirPortを利用するMacに独自のプライベートアドレスを配る。既存のLANに接続する場合には、LANで決められた範囲のIPアドレスに納めたいことが多い。その場合は、BaseStationのルータの機能を切って、同じセグメントのコンフリクトしないIPアドレスをBaseStationとAirPortを利用するMacに設定すればよい。

電波の伝達状況が気になるところだろう。マンションの自宅という非常に限られたサンプルだが、マンションの一戸の対角線で、間にドアを2つはさんだ状況でも、電波は60%ぐらいの強度を維持して、通信上は全く問題がなかった。筆者の家では、PHSのホームステーション、ホームアンテナも利用していて、その電波も飛んでいるのだが、その電波よりもしっかりしている。

全体を通して、セットアップは非常に簡単だと感じた。ネットワークを含めて慣れている人であれば、全部で10分ほどで終わるだろう。一般家庭で、モデムを使ってInternetに接続しているような場合でも、30分もかからない感じだ。ただし、特に既存のネットワークに接続する場合、IPアドレスの割り振りを巡って混乱する可能性が十分あるので、ネットワークの知識がある人が作業する必要があるだろう。iBookが(充電されていれば電源も含めて)何にも繋がれていなくて、Networkを自由に使えるというのは、非常に快適だ。ただし、それだけで5万円はどうかといえば、高いのではないかという気もする。

余談だが、AirMac製品の付属の冊子によると、AirMac製品の通信機器としての認定は、ルーセントのCardとして行われている。つまり、製品としてはルーセントのCardと同じであるわけだが、これから考えるとAirMacの発売が遅れたのは、認定作業の遅れというよりは、商標がらみの遅れの要因が大きかったのではないかと思われる。

[松尾真一郎/快適iBook生活]

関連リンク:快適iBook生活
カテゴリ:ネットワーク


CocoaはYellow Boxの進化形、Mac OSのディレクタにインタビュー

Macworld Expoにあわせて来日しているApple社のOSテクノロジーのディレクタであるKen Bereskin氏にインタビューをした。開発に関連する内容についてお届けするが、インタビューの内容は、MacLife誌の2000年4月号に掲載する予定である。
Mac OS Xに対する開発者側から見た取り組みとしては、まずCarbonによってMac OS Xの多くの機能を利用できる魅力があり、また、移行しやすい手法として用意されている。さらに、次世代の新しい高性能な環境としてCocoaが用意されている。Cocoaは、従来のYellow Boxが進化したもので、進化したことによる違いとしては、Aquaといったユーザインタフェース機能や、Quartsといった新しいグラフィックスエンジンに対応したところがあげられる。なお、Carbonで作られたアプリケーションでも、通常のMac OSのAPIを使っているのであれば、Aquaの独特のユーザインタフェースは自動的に構築されることになる。つまり、OSレベルでAquaというユーザインタフェースが稼動しているため、Carbonアプリケーションでも、Aqua対応になるということだ。また、Aquaのアピアランスはある程度のカスタマイズができ、アイコンのサイズなどがその例だ。しかしながら、広範囲にカスタマイズができるわけではなく、一定の枠組みの中でのカスタマイズに限定するようになる。
多言語対応がMac OS Xの特徴でもあるが、インストールする最初の段階で、言語を指定して、それによって言語や関連する設定に応じたシステムのインストールを行うような形式になる。また、Mac OS 9で導入された「パッケージ」というアプリケーションファイルの配置形式も、Mac OS Xでも使えるようになっている。アプリケーションをこの形式で製作すれば、ローカライズに必要なファイルを、ユーザの見えないところに用意することができ、多言語対応がやりやすくなる。サードパーティが作るアプリケーションに対してパッケージといった形態を勧めると同時に、Mac OSのコンポーネントも、パッケージの形態をとるようになるだろう。
Mac OS XがG3以降のハードウエアしか対応しない理由として、まずは高度なグラフィックス処理などをこなすための必要なパフォーマンスが得られないからというのが答えだ。そして、対応するハードウエアを限定することで開発効率を高めるというのも理由である。また、ハードウエアの買い替えサイクルから判断しても、G3以降の機種で多くのユーザが利用できると考えるとのことだ。
Mac OS X Serverについても、積極的に機能向上は図る。Mac OS X Serverにはいくつもの固有のサービスがある。NetBoot、WebObjects、QuickTime Streaming Server、灰パフォーマンスのファイルサーバの機能は、Mac OS X Serverで提供可能なサービスであり、その点は重視している。ディレクトリサービスについても、現在のMac OS X Serverが対応しているNetInfoをはじめ、LDAPに対応し、また、ノベルやマイクロソフトのディレクトリサービスとの相互運用も、Mac OS Xでは可能になっている。

カテゴリ:Mac OSテクノロジー


AirMacの管理についての文書が公開、アクティブローミングの設定など

Tech Info LibraryにAirMac(米国ではAirPortのため、以下の文中ではAirPortとして参照する)に関する文書が公開された。管理ツールのことや、アクティブローミングの設定など、ネットワーク管理に関する内容となっている。要約は以下の通りだ。

◇58533:AirPort 1.1: Base Station Extras Folder Contents
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58533
AirPort 1.1のCD-ROMにあるExtrasフォルダには、AirPort Base Stationのソフトウエアと管理ツールがある。管理ツールは、AirPortを装着していないMacintoshから、AirPort Base Stationの管理を行う場合に利用する。

◇58584:AirPort: Configuring a Base Station With a non-AirPort-Capable Computer
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58584
AirPortが利用できないMacintoshから、Base Stationを管理する方法について、かなり詳細に記載されている。管理ツールをCD-ROMから取り出すことや、あるいはサードパーティのワイアレスネットワークカードを使った場合のやり方が手順で示されているなど、詳しくいろいろなことが記載されている。

◇58596:AirPort Base Station: Configuring for Active Roaming
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58596
Air Port 1.1以降の管理ツールでは、複数のBase Stationを1つのネットワークに接続して、自動的に切り替わりながらワイアレス接続が可能な「アクティブローミング」ができる。したがって、複数のベースステーションの管理をまとめて管理ツールでできるようになっている。アクティブローミングを可能にするために、どのように、管理ツールを利用すればいいのかが、この文書で解説されている。

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク


Mac OS X Serverで利用できるMacintosh Managerのサーバの配付が開始

Macintosh Manager 1.2のMac OS X Server用のサーバプロセスが配付された。Macintosh Managerをサーバおよびクライアントにインストールすることにより、システムや利用できる範囲を限定することが可能で、たくさんのMacintoshをまとめて管理するような場合に便利だ。AppleShare IPをサーバに使うソフトウエアはすでに配付されているが、新たに配付されたのはMac OS X Serverをサーバに使うものだ。クライアントや管理ツールについては、すでに配付されているものを使う。クライアントは、Ver.1.1以降のものが利用できる。

関連リンク:Macintosh Management Server 1.2
カテゴリ:Mac OS X Server, ネットワーク


QuickTime 4のインストーラを利用するにはクッキーを利用可に

QuickTime 4のインストーラは、Webあるいはインストーラのいずれを利用するにしても、クッキーの機能を使うため、クッキーは利用できるようにしておく必要がある。利用できない場合には、アカウントとパスワードを入力するダイアログボックスが表示されてしまう。クッキーを利用できるようにしても、そのダイアログボックスが出るのであれば、ネットワーク管理者かプロバイダに相談してほしい。クッキーは、RAMに残り、ブラウザの終了後は消される。また、個人情報をトラックするわけでもないので、安心してもらいたいと書かれている。

関連リンク:59015:QuickTime 4: Installer Download Requires Cookies
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), QuickTime


Final Cut Proでの再生時には、モニタは75Hz以上のリフレッシュレートで

リフレッシュレートが60Hzのモニタを使った場合、ムービの再生でフレーム落ちが発生することがある。その場合、モニタのリフレッシュレートを75Hz以上に上げる必要がある。85Hzがベストな状態になるはずだとしている。

関連リンク:25117:Final Cut Pro: 60Hz Monitor Refresh Rate Interferes With Playback
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), QuickTime


2000/2/18に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年2月18日に更新されたものとして公開された。文書のアドレスが記載されているものは、そのアドレスを利用して参照できる。アドレスがないものについては、文書名の冒頭が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

◇58521:AirPort: Compatibility With Older Macintosh Products
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58521
◇58510:AirPort 1.0: Base Station Extras Folder Contents
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58510
◇58576:AirPort: Sharing Base Station with Non-AirPort Capable Computers
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58576
◇30425:PowerBook Repair Extension Program: FAQ
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n30425
○システム関連
◇31183:iDisk: Using With Firewalls
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31183
◇25114:Mac OS 8, 9: System Compatibility Matrix
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n25114
◇24965:Mac OS: Matching Mac OS ROM File To Mac OS Version
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n24965
○プリンタ関連
60490:Desktop Printing: Error -8940
15173:PrintMonitor: Manual Feed Notification
15317:LaserWriter 8.1.1: Disable Font Downloading?
15108:LaserWriter 8.1.1: Setting Default Paper Tray
15276:LaserWriter Utility: Prints Samples From Any Source
15058:LaserWriter with Fax: Setting Fax Paper Tray
15164:LaserWriter 8 Driver: Printing Always Uses Hard Drive
15345:LaserWriter 8.x: Print Servers Issues
15396:LaserWriter 810: Virtual Printer Attributes
15889:LaserWriter 8.x: Freezes Printing To Tektronic Printer
15547:LaserWriter Driver 8.x: Defaults To Level 1 w/Spooler
15577:LaserWriter 8f Driver: Wrong TO: Field With Group Fax
15601:LaserWriter Fax: Legal Paper Tray Selection
15631:Turning Off Printer Configuration Pages Upon Startup
15291:Fax Viewer: Incompatible With Early GCC Print Drivers
15548:LaserWriter Fax Tune-up: Fixes Pagination Issue
○サーバ製品
25089:AppleShare IP 6.1-6.3: Print Server Queue Could Not Be Created On First Attempt

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)