Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年3月8日発行号 - MDOnline



ベータ版を無償で配付するという手法はよくあるわけですが、本来は開発の最終段階で、動作検証やバグを探すというのが目的でした。しかしながら、もはやベータ版はプロモーションとしてしか機能していないと言わざるを得ないかもしれません。プレス関連の仕事をしているため、タイミング的には遅く提供していただいているのでそう思うだけなのかも知れません。しかしながら、ベータ版での?事項がそのまま製品になっていることもよくあります。ユーザとしてはこれから製品になるというものをいち早く見ることができるというメリットは確かにあります。しかしながら、いろいろな環境での検証という本来の意味が薄れた現在では、ベータ版という開発現場の言い方を使うことに違和感を感じてしまいます。
一方で、アップルは「ベータ版」と称するものを一般ユーザに一切見せないという姿勢かと思います。ですが、DVDプレイヤとか、AirMacのベースステーションソフトのように、プレビュー版として配付することを行っており、これは評価できると思います。一部のユーザしか使わないものではありますが、とりあえずまったくないよりもはるかにいい状況となりますし、かえってベータ版をばらまくよりも、まともに評価してもらえるユーザの手に確実に渡るのではないかと思います。それなりきちんと動く状態でないと、普通は評価する気にはなりません。さらに、一般ユーザによるベータ版評価のプログラムもアップルは始めていますが、メンバを絞ったベータプログラムの方がばらまくよりもよほど効果があると思います。つまり、きちんとチェックをして、きちんとレポートを書くということが期待できるからです。
いずれにしても、市場の大多数は開発現場の人ではありません。「アルファ」「ベータ」という言い回しから早く脱却すべき時ではないでしょうか。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


NATおよびハブ機能を持つハードウエアのルータがリリース

Dr. Bott LLC社は、ケーブルモデムやDSLモデムとEthernetのネットワークを接続するルータ「Macsense XRouter」をリリースした。価格は$299.99。ケーブルモデムなどと接続する10BASE-T端子に加え、ネットワーク側は4ポートの10BASE-Tのハブ機能も含まれている。4台までなら直接XRouterに接続できるが、さらにハブで拡張することも可能だ。NATの機能が組み込まれているため、1つのIPアドレスを使ってネットワークにつながれている複数のパソコンからインターネット接続をできる。XRouterにはDHCPサーバの機能もあり、252のIPアドレスの配給ができる。XRouterの管理はWebブラウザから行えるようになっており、プロバイダへ接続する場合にアカウントやパスワードが必要な場合にも対処できるようになっている。

関連リンク:XRouter Internet Sharing Hub
カテゴリ:周辺機器


LANでテキストメッセージをやりとり、Windowsとの送受信も可能

Kanex Groupは、ローカルエリアネットワーク内のMacintosh間で直接テキストのメッセージをやりとりするソフト「MacPopUp 1.1」をリリースした。テキストメッセージを送受信できるが、受信したメッセージをText-to-Speechで読み上げる機能もある。シェアウエアでシングルユーザのライセンスは$25となっており、サイトライセンスもある。Windows版の「MacPopUp for Windows」もあり、Windowsとのメッセージのやり取りもできるが、現在はまだベータ版である。Windows版の読み上げ機能は、MicrosoftのText-to-Speech機能を利用する。Macintosh版はAppleScriptにも対応しており、メッセージの送信などをスクリプト処理できる。

関連リンク:Softwarium
カテゴリ:電子メールソフト


DVビデオに画像出力するサンプルプログラム

DV端子に接続されたビデオに対して、DVストリームによるQuickTimeムービを再生するサンプルコードである。以前に配付されていたビデオ出力のサンプルコードであるVidOutAppをDV向けに書き直したものである。アプリケーションのメインの部分はCで作成されているが、ビデオ出力関連の部分はC++で作成されいてる。ビデオ出力するためにどのようにQuickTimeのAPIを利用すればいいのかを調べるのには参考になるプログラムコードだと言える。

関連リンク:SimpleVideoOut 1.0
カテゴリ:アップルからの開発資料, QuickTime


ノートパッドやスクラップブックのファイルを複数利用する方法

ノートパッドやスクラップブックのファイルを複数利用する方法が記載された文書が公開された。新しくこれらの文書を作るには、システムフォルダにある「ノートパッドファイル」「スクラップブックファイル」をいったんシステムフォルダの外に移動させ、これらのアプリケーションを起動すればよい。すると、システムフォルダの中に新しくこれらのファイルが作られる。このファイルはシステムフォルダの中になくてもよく、外に出してダブルクリックすれば開いて書き込みや参照ができるようになる。なお、System 7.5以前のバージョンだと、システムフォルダにこれらの名前で存在しないといけないので、複数のファイルを切り替えるには、ファイル名を付け直すことで対処できる。

関連リンク:25127:Using Multiple Note Pads and Scrapbooks
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9, Mac OS 8


WebスクリプトシステムのPHPの最新版をMac OS X Serverに組み込み

WebスクリプトシステムであるPHPをMac OS X Serverで利用する方法が、Stepwise.comで公開された。PHPは、WebサーバのApacheをベースにして、ApacheのShared Moduleとして稼動するもので、perlライクな言語をHTMLの中に記述することができる。各種のデータベースを利用するモジュールもサポートしているため、データベースアクセスを伴うWebページ作成などで利用されている。2000年2月25日に配付開始されたPHPの最新版3.0.15を利用する方法が記載されている。ソースをダウンロードして、一部分を書き換え、メイクする方法が記載されている。また、Apacheの設定ファイルの修正ポイントも記載されている。

関連リンク:http://www.stepwise.com/Articles/Workbench/2000-03-07.01.html
カテゴリ:サーバー関連, Mac OS X Server


2000/3/7に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年3月7日に更新されたものとして公開された。文書のアドレスが記載されているものは、そのアドレスを利用して参照できる。アドレスがないものについては、文書名の冒頭が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

◇31020:DVD: Causes of Skipping/Stuttering
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31020
◇75024:Macintosh Manager: Additional Online Resources
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75024
◇60099:Mac OS X Server: Changing Setting For bind To niparent
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60099
◇32082:Final Cut Pro: PowerBook Support
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n32082
◇24991:Final Cut Pro: Compatibility Matrix
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n24991
30313:PhotoFlash: 2.0->2.0.1 Updater
1011:Note Pad: Maximum Size
43038:Troubleshooting Handbook: Starting Up From a CD

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)