Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年4月11日発行号 - AppleがAstarteを取得



マイクロソフトがタイタスを傘下に収めました。ケーブルテレビなどの高速ネットワーク(ブロードバンド)は、今までのダイアルアップを中心としたインターネットとは明らかに異なるサービスを提供できます。スピードや接続時間などのスペックのアップはもちろんですが、それによって通信環境の質が変わるのは明白です。マイクロソフトはそこでどんなサービス展開ができるかを見極めることを考えているのだと思います。MSNはOSメーカという強みをあまり享受できていないとは思いますが、ネットワークインフラの先を見て先手を打ってきたと考えていいかと思います。
ラスベガスでは放送機器の展示会であるNAB2000が開催されています。Appleもその分野には深く食い込んでいることもあっていろいろ発表があったのですが、特に、DVDオーサリングツールを開発しているAstarteを取得したことは大きな意味を持つでしょう。Appleがこうしたアプリケーション分野に積極的に取り組むということを意味しており、ハードウエアからアプリケーションまでを総合的にソリューションとして提供するという方針なのだと思います。Final Cut Proのモデルをより広げるというところでしょうか。以前だと、それでサードパーティの市場を食ってしまうような批判はあったかもしれません。ですが、開発の世界もより成熟化したのだと思いますが、そうした批判はあまり出ないと思います。同じような製品をぶつけてシェアを奪うような製品マーケティングは最近ではあまり見られないこともあり、Appleとは違うスタイルの製品で独自性を出して十分にやっていけるという見込みがあるのでしょう。むしろそれがなければ、相手がAppleであろうとなかろうと、やっていけるというものでもないと思います。むしろ、Appleのアプリケーション参入は、自分自身の存在感を高めるという意味での競争原理を働かせることにもなるでしょうから、サードパーティの開発作業も活発化することが期待できます。それになんと言っても、その分野でAppleが本腰を入れるというアピールの何ものでもないわけですから、本気になれるものだと思います。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


AppleWorks 6は、4/22に発売

リリースが延期された、統合ソフトのAppleWorks 6であるが、発売日が4月22日と正式に発表された。4月12日より、The Apple Storeや販売店での予約を開始する。価格は8,800円で、アカデミック版は4,900円などとなっている。機能的にも従来からの変化はないようだ。

カテゴリ:アプリケーション


DVDirectorのAstarteをAppleが買収、DVDオーサリングへも進出

Appleは、DVDの編集ツールを開発するAstarte GmbH社の買収を発表した。同社のエンジニアリングチームはApple社に統合されることになる。Astarteは、DVDオーサリングツールの「DVDirector」をリリースしており、日本ではソフトウエア・トゥーが代理店となっている。
Appleが、パソコン本体とOSの開発からさらに手を広げるとすると、アプリケーションということになるが、現状ではAppleWorksなど限られている。しかしながら、Final Cut Proでビデオ編集のアプリケーション分野にかなり食い込むことができている。すでに他社のブランドが確立された分野への進出までは考えていないとすると、今後盛り上がる可能性を秘めたDVDオーサリングの世界で定評あるツールを開発チームも含めてAppleで得ておき、シェアの獲得を目指すことは十分考えられる。また、MacintoshをDVDオーサリングツールとして、他のプラットフォームとの差別化要因にもなる。Astarteの買収は、ビデオ分野での存在感をより高める戦略として注目できるだろう。

関連リンク:Apple Acquires DVD Authoring Technology, Products and Engineering Team From Astarte
カテゴリ:オーサリング系, QuickTime


Final Cut Proのアップデートなど、NAB2000でビデオ関連の発表

Appleは、ビデオ編集ソフトのFinal Cut ProをVer.1.2.5にアップデートし、2000年5月より配付を開始する。現状の1.2からの違いは、16:9の画面サイズに対応したこと、YUVプロセッシングに対応したこと、そして「参照ムービ作成」として元のデータをそのままにした編集結果を残すことができるようになっている。すでにG4 Veloctiy Engineに対応するなど、現状のMacintoshのラインナップで高い性能を出せるようになっている。既存のユーザに対してはフリーのアップデータを配付する。
Apple Announces Final Cut Pro 1.2.5
 http://www.apple.com/pr/library/2000/apr/10fcp.html

Matrox社は、PCIカード形式で、DVビデオのリアルタイム編集が可能なシステム「RTMac」を発表した。Final Cut Proを編集ソフトとして利用する。MatroxとAppleが共同で開発している。2000年夏に出荷予定で、価格や約$5000からとなっている。S-VHS出力や追加のディスプレイのサポートなども含まれる。
Matrox and Apple Announce Real-Time DV Editing for the Mac
 http://www.apple.com/pr/library/2000/apr/10matrox.html

Pinnacle Systems社は、非圧縮の標準解像度、および高解像度のシステム「TARGA Cin」を発表した。価格は$10000からで、2000年夏の出荷を予定している。
Pinnacle Systems and Apple Bring Uncompressed High-Definition Video to
the Macintosh
 http://www.apple.com/pr/library/2000/apr/10pinnacle.html

カテゴリ:QuickTime


TelexからUSB接続のマイクがリリース、Mac OS 9.0.4で稼動

Telex Communicationsは、USBに接続するマイクロフォンの2製品をリリースした。マイクが内臓されていないiBookでも、サウンドの入力や音声のコマンド処理ができるようになる。Mac OS 9.0.4での対応となってるようで、Mac OS 9.0.4の改良点としてUSBサウンド入力があったことが伺える。
「H-531 USB Digital Headworn Microphone」($59.99)はヘッドセット型のマイクロフォンでり、耳に当たる部分が写真では見られるがスピーカの機能は含まれていない。ヘッドセットからケーブルが延び、途中にボックスがあって、さらにUSBコネクタにつながるような形式だ。「M-560 Super-Directional USB Digital Microphone」($69.99)は、据え置き型と言えるコンパクトなタイプで、マイク部分は細い棒のようになっている。写真では判別できないが、マイクユニットからケーブルが出ていてそこから直接USBに接続するようだ。どちらのマイクロフォンも、電源はUSB端子から取り出す形式になっている。

関連リンク:Telex Announces Availability of First Mac-Compatible USB Microphones
カテゴリ:iBook, 周辺機器


リモコン信号をMacから発信、コントローラ作成やAppleScript対応

StudioZeeは、Macintoshに接続できるリモコン装置「ZephIR! v1.0」の出荷を開始した。ADBポートに接続して、赤外線信号を発信できる。つまり、ビデオやテレビなどのリモコンの操作を、Macintoshからできるようにするというものだ。汎用的なコントロールソフトも付属しており、自分でウインドウの設計などもできる。また、OSAXも含まれており、AppleScriptベースでの外部機器のコントロールなども行えることになる。電源は不要となっている。USB搭載機については、iMateなどのアダプタを使って接続してほしいとのことだ。実用上はともかく、たとえばWeb共有と組み合わせて使うことで、遠隔地からWebブラウザを使って自宅のビデオをコントロールするということも可能だと言えるだろう。ホームコントロールとしては使いやすい機器とソフトウエアのセットだと言えそうだ。価格は$74.75となっている。

関連リンク:ZephiIR!
カテゴリ:周辺機器


QuickTime Streaming ServerはHFS+ではなくUFSボリュームを使うこと

QuickTime Streaming Serverは、HFS+のボリュームへのインストールはサポートしていない。UFSのボリュームにインストールする必要がある。HFS+ボリュームには正しくインストールされない可能性がある。

関連リンク:QuickTime Streaming Server: Install Onto UFS Partition
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), QuickTime, Mac OS X Server


AppleShare IP 6.3.1へのアップデートが公開、SMBの修正など

Appleは、サーバ向けソフトウエアのAppleShere IP 6.3.1のアップデータをリリースした。Mac OS 9.0.4向けとなっているが、Mac OS 9.0.3をインストールしたG4でも稼動する。AppleShare IP 6.1以降のものを、6.3.1にアップデートする。SMBサーバの利用で、ファイルがすべて表示されるようになったことや、IMAPサーバの処理能力を向上させたこと、アタックに対するセキュリティを強めたこと、AppleShare Client 3.8.6を同梱、フォルダのアクセス権についてどの階層でもリモート管理ツールで設定できるようになったことが変更点だ。
インストール方法等の文書については、Tech Info Library-Jで以下のものが公開されているが、変更点などについてはアップデータのページと内容的には変わりはない。
◇100358JO:AppleShare IP 6.3.1 について
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=100358

関連リンク:AppleShare IP 6.3.1 アップデート(日本語版)
カテゴリ:サーバー製品, Tech Info Library-J, ネットワーク


Apple DVD Player 2.2の日本語の添付文書が公開

Mac OS 9.0.4に対応したDVD PlayerのVer.2.2についての文書がTech Info Library-Jで公開された。この文書は、2.2にアップデートすると、アプリケーションと同じフォルダに「Apple DVD Player について」という名前で保存されるSimpleText文書と同じものである。DVDの自動再生を行わなくする方法や、視聴者の年令に応じたバレンタルコントロールの設定、FBI警告など、実際に使用する上での操作のポイントになることがまとめられている。DVDプレイヤの詳細な使い方を知りたい場合には参照するとよいだろう。

関連リンク:100359JO:Apple DVD Player 2.2 について
カテゴリ:Tech Info Library-J, 周辺機器