Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年5月8日発行号 - 来週はWWDC



I Love Youメールの過熱報道はちょっと行き過ぎだと思いますが…。あたかもメールを受信するだけで破壊活動を起こすように書くのは止めてもらいたいですね。しかし、誰もが過度に期待をして、思わず添付ファイルをダブルクリックするというところでしょうか。こうしたことの積み重ねで、たとえば、メールソフトからオブジェクトを起動するときにはいちいち聞くようにするというようなことがきちんとメーラに組み込まれるようになるのかもしれません。だけど、ネガティブなイメージが広がるのはなんだかいやですね。アップルさんも、ここで一発「ウィルスに強いMac OS」なんてキャンペーンを張ったらどうでしょう。「世界中で感染した99%のウィルスは、Mac OSでは何ら効力は発しない」とか言ってみるわけです。なんだか、一般メディアはそれでだまされるんじゃないかな。でも、標的にされる方がいやですよね。一方、REALbasicでI Love Youメールの感染をチェックするプログラムが早速出ています。フォルダの中のファイルを調べるタイプなので、マックでは動きませんが、ソースはマック版として公開されています。
http://www.cahir.net/software/lovesmenot.html
あるビジネス雑誌では、ADSLとかで常時接続されると、個人のパソコンがハッキングの標的になるなんてあおっていますが、さらにIPアドレスが固定なので、ハッキングしやすくなるとか? いやはや…。もちろん、Pingを大量に送られるというくらいは可能性としてはありますが、ふつう、デスクトップ向けのOSはサーバー機能はオフにしてありますしね。それに、DHCPとか、プライベートアドレスということは知らないのかもしれません。それでうるおうのがセキュリティ関連のメーカーやコンサルタントの方々でしょうか。下手をすると不真面目なセキュリティ製品でひと儲けしようかなんて考える人が増えることの方が、セキュリティ的に問題のような気がします。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


CarbonLibとSDKが微妙にバージョンアップ

CarbonLib 1.0.3 SDKがftpサイトで公開されている。1.0.2との変更点は、TXNDisposeFontMenuObjectでクラッシュする点の解消と、いくつかのシステムコールの仕様の微妙な変更だ。特に大きな変化はないようだ。ドキュメントやライブラリなどにも大きな違いはなく、Universal InterfacesのバージョンはCarbon SDK 1.0.2と同様、Ver.3.3.1が含まれている。
なお、FTPサイトには、CarbonLib SDK 1.0.4も項目としてアップロードされているが、Permission deniedのエラーが出てダウンロードはできない。いずれにしても、現状のCarbon開発では、以前にリリースされた1.0.2を使うことで大きな問題はないと言えるだろう。
◇CarbonLib 1.0.3 SDK
 ftp://ftp.apple.com/developer/Development_Kits/CarbonLib_1.0.3_SDK.sit.hqx

CarbonLib 1.0.4もアップロードされている。安定性の向上のような概略的な記述しか文書には記載されていない。インストーラがあり、インストールをしてみると、日本語の使用許諾が出てくる。また、日本語システムにインストールして、AppleWorks 6を少し使ってみたが、とりあえず縦書きもできるなど、問題はない模様だ。
◇CarbonLib 1.0.4
http://download.info.apple.com/Apple_Support_Area/Apple_Software_Updates/English-North_American/Macintosh/System/Other_System/CarbonLib_1.0.4.smi.bin

関連リンク:Carbon
カテゴリ:Carbon/CF


WWDC情報、MDOnlineのセッション参加スケジュール予定

いよいよ来週に迫ったWWDCだが、以前からお知らせしているように、MDOnlineより新居雅行が取材におもむく。WWDCでは並行してセッションが行われるのであるが、新居が取材するセッションを、あらかじめ公開しておく。基本的には参加したセッションは可能な限り記事化するつもりである。MDOnline講読者の方の場合、こちらで作成する記事をあてにして、別のセッションに参加するということも可能であるようにするためである。配信先ではMDOnlineのすべての記事が配信されるとは限らないので、ある程度割り引いて考えていただきたい。
以下が現在のスケジュールだ。基本的には昼間セッションを聞いて、夜に執筆となるが、初日と2日目のキーノートについては大きな話がある可能性もあるので、終了後すぐに執筆を行い、必要なら即座に配信を行う。ただし、諸般の事情(会合が入ったとか、鋭気を養いたいとか…)で参加できないセッションがある可能性もあるので、お含みおきいただきたい。

Sun, May 14
18:30 Internatinal Reception Party

Mon, May 15
10:00 Keynote S.Jobs, A.Tevanian
 -->Writing!
13:30 Mac OS X Overview
15:00 Carbon Overview
16:30 Aqua Overview
 -->Writing!

Tue, May 16
9:00 Keynote
 -->Writing! I hope so...
13:30 Introduction to Java on Mac OS X
15:00 I/O Kit Overview
16:00 Carbon Event Model-Advanced
 -->Writing! or Dinner
19:30 Apple Design Awards
 -->Writing!

Wed, May 17
9:00 Introducing the New Project Builder
10:30 QuickTime: The Road to Mac OS X
 -->Writing! or not...
13:30 Mac OS X: Server Services
15:00 Mac OS X Doc Highlights
16:30 Cocoa Update
 -->Writing!

Thu, May 18
9:00 Using Interface Builder
10:30 (未定) ..あるいは午前はオフか?
 -->Writing! or not...
13:30 AppleScript and Frameworks
15:00 Cocoa in Depth
16:30 Mac OS X: Localization
19:00 Beer Bash!!
 -->Writing! (if possible...)

Fri, May 19
9:00 Debugging Applications on Mac OS X
10:30 Mac OS X: Printing
 -->Writing! or not...
13:30 Mac OS X:Quartz
15:00 Mac OS X Core Audio: Multichannel and Beyond
16:30 Mac OS X: Audio Drivers
 -->Writing!

水曜日の午後一番に、MIDIとMusicのセッションがあり、行きたいのであるが、サーバの方が重要なのでそちらを行くことにする。

WWDC参加者にはメールが行っているが、ポイントだけまとめておこう。まず、WWDCに参加するには登録が必要だが、登録は会場で土曜日から行える。土曜日は15〜18時、日曜日は8〜20時の間なら登録ができる。月曜日は7時から開始だ。多くの人はツアーで行くとは思うが、到着日が土曜である。土曜に出かけるついでに登録もできるし、日曜日の夜にあるレセプションの前にでも会場に寄るというのが1つの選択肢となるだろう。

それから、Appleの本社の中庭で行われるビアパーティは、木曜日に行われる。その時に、アップルグッズのストアでお土産を買うというのがお決まりのパターンだろう。ストアは、WWDC期間中は、20時まで開いているので、早めに移動して買物をするというのがいいだろう。もっとも、レンタカーなどの足がある人なら、それよりも前の日に行って、在庫切れ前に買い漁るというのも手だろう。
ビアパーティはのゲストミュージシャンは、The Rippingtons featuring Russ Freemanだ。昨年のラリーカールトンと言い、傾向が似ているのが気になるが(笑)、楽しみである。Rippingtonsを知らない人は、Amazon.comで視聴してみよう。

カテゴリ:イベント


ソニーのコンバータDVMC-DA2では編集ソフトで利用できない機能がある

Tech Info Libraryに公開された文書によると、ソニーのアナログビデオをFireWireに接続するアダプタのDVMC-DA2が、Final Cut Pro 1.2.1、iMovie 1.0.2ではビデオの出力ができないという不具合がある。将来的にはソフトウエアの修正で対処する方針だ。なお、DVMC-DA1ではその症状は出ない。なお、LANCケーブルの接続を行わない状態でビデオ出力を行えば、テープが入っていないというメッセージが出るが、その後にLANCケーブルを接続すると、出力ができることもある。また、iMovieでLANCケーブルを接続しないでビデオのインポートを行うことができないが、いったんビデオを再生してビデオ信号をDVMC-DA2に流し込むことで、インポートのボタンが利用できるようになる。

関連リンク:iMovie/Final Cut Pro: Unable to Output When Using Sony DVMC-DA2
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ビデオ編集


FireWire搭載のPowerBookでパスワード保護は使えない

Tech Info Libraryの情報によると、FireWire搭載のPowerBookでは、「パスワード保護」コントロールパネルは添付していないし、カスタムインストールでも利用できない。他のMacintoshからコピーして使うこともしてはいけない。もし、やってしまった場合、ハードディスクを取り出して別のPowerBookに取り付けて、パスワード保護の機能でパスワードを解除するのが安全な解除方法である。

関連リンク:http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60729
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), PowerBook


QuickTime Streaming Serverの2.0.1へのアップデートが公開

QuickTime Streaming ServerをVer.2.0.1にアップデートするアップデータが公開された。インターナショナル版で、Mac OS X Server 1.0-2以降のOSで利用できる。変更点としては、プレイリストブロードキャスタでのオーディオとビデオの同期の改善、クライアント側のエラーのログをについての改善、最適化されていないムービでの処理能力の改善などとなっている。インストール方法が記載されているが、tarファイルを直接伸張するのではなく、Workspace Managerでダブルクリックして、アシスタントを使ってインストールするように説明されている。なお、以下の文書がRead Meの模様だが、執筆時点では公開されていなかった。
◇QuickTime Streaming Server 2.0.1 Read Me
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n86032

関連リンク:http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11552
カテゴリ:QuickTime, Mac OS X Server


GameSprockets 1.7.4がリリース

Mac OSのゲーム向けシステム機能であるGameSprocketsのVer.1.7.4が公開された。英語版のみが公開されているため、日本語システムの場合は日本語版を待つのが良いだろう。1.7.4ではホイールマウスを含むほとんどのUSBの操作機器をサポートした他、マルチスクリーンの改良、3次元サウンドの改良などが行われている。ただし、テスト目的での利用であることが明記されているため、特別な理由がない場合には、このバージョンのソフトウエアは使わない方が無難であろう。なお、1.7.3の日本語版はソフトウエア・アップデートで入手できる。

関連リンク:GameSprockets 1.7.4
カテゴリ:Mac OS 9


スリープでのメモリ保持ファイルを強制的に削除する方法

省エネルギー設定での「スリープ中もメモリの内容を保持する」により、メモリの内容をハードディスクのファイルに保存する。Mac OS 9.0.4でその機能が利用できなくなったが、以前にファイルを作った状態でアップデートするとそのファイルが残ってしまっていることもある。そのファイルは比較的大きなサイズなので削除したいと考えるだろう。その場合、Sherlock2を使って検索するが、非表示ファイルのため、カスタムの検索ダイアログボックスを表示し、名前に「Memory」、属性として非表示のものを検索し、該当するファイル(Memory Contents)を削除すればよい。その方法が図入りで説明されている。

関連リンク:iBook / PowerBook (FireWire): How to Delete the Memory Contents File
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), PowerBook, Mac OS 9


Final Cut ProでPALビデオの編集処理による問題と対処

Final Cut Pro 1.2.1でPALビデオを使った場合に問題が出ることがあることをTech Info Libraryで公開されている。PALビデオのクリップを編集した後、オリジナルのデータを削除して再キャプチャを行うと、すべてのクリップに対してオリジナルではないメディアを使うため結果が異なることになってしまう。この問題は将来修正される予定であるが、問題の対処方法について記載されている。

関連リンク:Final Cut Pro: Incorrect Recapture of PAL Clips
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ビデオ編集