Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年5月31日発行号 - FireWireからの起動を可能に



昨日、ジャストシステムの発表会があって、MegaVi DVというDVビデオ編集ソフトが発売されることになりました。iMovieのマネ?と言ってしまえばそれまでなんですが、ちょっとおもしろいことがいくつかありました。ビデオ編集といっても家庭向けなんで、トラック固定でビデオは1トラックだけなのですが、ビデオクリップを重ねると自動的にその部分はトランジションになります。また、レンダリングは再生時にリアルタイムで行われるので、トランジションの設定をしても、レンダリングには入りません。iMovieもバックグランドでやるものの、リアルタイムには行わないのでトランジションが完成するまで待たされますね。テロップも同様で、やはりリアルタイムにレンダリングされます。
ただ、もっと興味があるのは、9月に発売されるMegaVi TVという、テレビ映像の録画ソフトです。つまり、パソコンをビデオデッキにしようと言うソフトで、ありそうでなかったものですね。コントローラのデザインがApple DVD Playerそっくりなのはまあありがちだととしても、USBのTVアダプタとセットで販売することに加えて、プリインストールへの積極的な展開を考えているとか。昔にパソコンディスプレイでテレビが見えるだけというものもありましたが、性能向上などでテレビとパソコンが本格的に一体化する気運は確かにあります。さらに、インターネットのテレビガイドから番組を選択することで、ビデオ予約ができるなど、インターネットサービスとのうまい連動も考えているようです。ビデオ編集よりも、むしろこちらの方が注目できる動きと言えるでしょう。
オフィスソフトでの飛躍を狙ったジャストシステムですが、下手に刺激をした結果、逆にMicrosoftのシェアが高くなりました。しかしながら、Microsoftの弱い家庭向けにターゲットを絞り、しっかりとデザインされたソフトを投入してきている点では大きく注目ができます。Microsoftも分割だなんだと逆風で、現状では家庭向けにパワーを向ける気配もないですから、そのあたりはきちんと方向付けされていると感じました。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


USB、FireWireドライブからの起動を可能にするアップデータ

Software Updateに、全機種向けにファームウエアのアップデータがリリースされた。北米地域向け英語版なので、安全を見越せばアップデートは避けて日本向けのものが出るまで方がいいかもしれない。以下はリンクと修正内容だが、バグ修正に加えて、USBやFireWireドライブからの起動を可能にした点や、メモリ環境の改善を行っている。

◇PowerBook Firmware Update 2.4
 http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11701
USB接続のドライブからの起動を可能にする。また、FireWire搭載機では、FireWire接続のドライブからの起動を可能にする。また、ターゲットディスクモードの動作を改良した。

◇iBook Firmware Update 2.4
 http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11702
iBookで256KBのメモリモジュールを使えるようにし、USBドライブからの起動を可能にする。

◇iMac Firmware Update 2.4
 http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11698
スロットロード方式のiMacでのみ利用できるアップデータで、FireWireドライブからの起動を実現する。また、ごく少数の本体で発生している、起動直後に電源の問題により終了してしまう不具合も修正される。

◇Power Mac G4 Firmware Update 2.4
 http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11699
Power Mac G4で、ある種のサードパーティのメモリでの起動時の問題や、1GBを超えるメモリを搭載した時の認識の問題を解決する。また、初期のG4において、USBあるいはFireWire搭載の記憶装置での起動をできるようにする。AGPグラフィックスタイプの本体でのみ利用できる。

カテゴリ:PowerBook, Power Mac, iMac, iBook, 周辺機器


【小池邦人のプログラミング日記】2000/5/29<WWDC 2001に向けて その1>

今年のWWDCが大変盛況だったことを聞き及んで「来年はぜひ参加してみよう!」と考えている方も多いと思います。そんな方々のために、2回に分けてWWDCに関するちょっとしたノウハウを取り上げてみます。

近年のWWDCは、アップルが航空券とホテルのパックツアーを用意し、会場でのほとんどのセッションに日本語同時通訳が付いたおかげで、日本からの参加者が劇的に増えました。「WWDCはデベロッパーのための催し」と思われがちですが、昔と比較してセッションでカバーされる分野も多岐に及んでいます。直接にソフトやハードの開発をしていなくても、ディープなマックユーザにとっては有意義で興味深い催し物になりつつあります。実際に、同伴したうちの奥さんなどは「Macworld Expoより面白い!」と喜んでおりました。(プログラマーじゃありませんけどね)

まずは、WWDCへ参加するまでの道のりです。WWDCへ参加できる唯一の条件は、AppleのADC(Apple Developer Connection)会員であることです。(年齢制限もあったかもしれない。)ADCには「Premier」「Select」「Online」「Student」の4種類のプログラムが用意されています。このうち、Online会員になるのは無料ですので、WWDCへ参加するためだけに加入しても、特別な追加経費は発生しません。ADCの詳しいサービス内容については、以下のサイトから日本語版PDFファイルが入手できますので、参考にしてみてください。
◇Apple Developer Connectionのパンフレット
 http://developer.apple.com/membership/pdf/japanadc.pdf

ちなみに、私はSelect会員(年間$500)で、同伴したうちの奥さんはOnline会員として登録されています。ADC会員でないとWWDCに参加できないのは、よく話題に上る「Appleとの機密保持契約」がからんでいるからです。つまり、ADC会員になる時点でAppleと「機密保持契約」を結ぶことになりますので、それがWWDCへ継承されるわけですね。ADCはWWWDCのスーパクラスというわけです(笑)。ちなみに以前は、WWDC会場で機密保持契約を結ぶためのサインをしていました。ADC会員になるには、以下のサイトで加入手続きを行います。会員になると年会費が発生するログラムは、クレジットカードによる支払いが必要になりますので、先んじて用意しておいてください。
◇Apple Developer Connection Member Site
 http://connect.apple.com/MemberSite/

一度会員になれば、Appleから定期的に「ADC News」というメールマガジンが届くようになります。WWDCの会期が近づくと「WWDCの受付を開始しました。さぁ参加しましょう!」という案内がしつこく入るようになります。参加案内の開始は年々早くなる傾向がありますので注意して見ていてください。受付開始の連絡を受け取ったら、間違いなくAppleサイトに「WWDC 2001」の紹介ページがオープンしていますので、そこでWWDC参加の手続きをすることになります。WWDCには、早期受付による参加費の割引制度があります。今年の参加費は、4月15日以前に申し込むと$200割引の$1,195でした。また、ADCのSelect会員の参加費はさらに$100割引、Premier会員に至っては1人分の参加費が無料となります。参加することが確実な方は、この割引期間を有効に使うと良いでしょう。

参加費だけを支払い、往復の航空券やホテルは自分で手配してもかまわないのですが、ほとんどの参加者はアップルが用意したWWDCパックツアーを利用します。このツアーには、WWDC参加費用、往復の航空券と空港からホテルまでの送迎、会期中の宿泊費がすべてパッケージされており、独自手配よりかなり割安な価格設定がされています。価格はホテルのランク(部屋の広さや会場からの距離)で3段階に分かれています。また、部屋がシングルかツイン(2人部屋)かによっても価格が異なります。今年の例ですと、最上クラスのホテルで部屋がシングルの場合、参加費を含めて$2,514となっています。一番下のクラスで部屋がツインだと$1,950となり、日本円にして6万円ぐらいの差になります。

ランクを落とすと会場から離れた場所のホテルを割り振られますので、毎日「Right Rail」という路面電車やタクシー、レンタルカーを利用して会場へ通勤することになります。それはそれで楽しいですが、「ちょっとホテルへ帰って休憩」てなことは難しくなってしまいます。また、ダウンタウンで深夜まで飲み歩いた時の帰りなども心配です。少々価格が高くても、やはりお薦めは会場近辺のホテルでしょう。ただし、参加手続きが遅れると、指定したランクのホテルが空いていない場合がありますので注意してください。また、シングルに泊まるのはホテルのランク以上に不経済ですから、1人でWWDC参加を予定している方は、死に物狂いで一緒に宿泊する同僚を探し出しましょう。

ご存じの方も多いと思いますが、今年はAppleが雇った現地旅行代理店(?)の大バグで(実際は、どの部署のバグかは定かではない...)現地への往復で地獄を見たグループが出てしまいました。よって、会期後にAppleへ大量のクレームが入るのは必定です。(会場で気合いを入れている人達を何人も見ました。)とにかく、変な所で参加者のエネルギーを消耗させないように、Appleにはしっかりしてもらいたいものですね。

関連リンク:オッティモ
カテゴリ:小池邦人のプログラミング日記


ユーザライセンスキーの生成と確認ライブラリのMac版がリリース

McWare USAは、ソフトウエアのパーソナライズで使われるシリアルナンバーを生成する「McSerialnumber Pro」をリリースした。すでにWindows版はリリースされているが、Macintosh版もリリースした。マスターキーとユーザ名から、唯一のシリアル番号を生成する。シリアル番号を管理するのまず1つの機能だ。そして、そのシリアル番号を認識するためのライブラリも提供されいているので、シリアル番号を正しく入力しないと機能制限をするようなプログラムを作成することができる。サンプルコードも配付されている。主要な情報には暗号化がなされているため、ユーザサイドで簡単にキーをやぶることはできない仕組みだ。ソフトウエアのシングルユーザラインセンスは$89.95となっている。アプリケーションはAppleScript対応になっており、複数のユーザライセンスキーを作成するなどが自動化できる。

関連リンク:McWare USA
カテゴリ:開発ツール, ライブラリ


Multimedia Update、AppleScriptの国際版アップデータがリリース

Multimedia Updateおよび、AppleScriptの英語対応国際版アップデータがリリースされている。アップデート内容は、以前のMultimedia Update 1.0あるいはAppleScript 1.4.3と同一である。国際対応版になったことでの「v1.1」「v1.2」だと思われる。英語システムでLanguage Kitを使っているようなユーザの場合にはこれらのアップデータを使うことになるだろう(実際にはソフトウエア・アップデートが利用できる)。
◇Multimedia Update 1.0 v1.1
 http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11703
◇AppleScript Update Version 1.4.3 v1.2
 http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11697

カテゴリ:周辺機器, AppleScript, OS関連ソフトウエア


AppleScript 1.4.3はMac OS 9でのみ利用可能

Tech Info Library-Jに公開された文書によれば、先日アップデータが公開されたAppleScript 1.4.3のアップデートは、Mac OS 9でしか適用できない。対応OSとしては、Mac OS 8.1以降となっているものの、実際にはインストーラがMac OS 9ではないときにはインストールできないというメッセージを出す。対処法はなく、AppleScript 1.4.3を使うには、Mac OS 9にアップデートしなければならない。

関連リンク:100373JO:AppleScript 1.4.3: インストール条件について
カテゴリ:


AppleWorks 6.0.4へのアップデータは英語版のみ

AppleWorks 6.0.4にアップデートするアップデータがリリースされた。英語版なので、日本語版のAppleWorksに適用するのは避けた方がよい。安定性や処理能力の向上に加えて、DataVizのトランスレータとの相性が改善されている。解説にはRTF(Ritch Text Format)対応となっているが、これは6.0.3でも改良項目として挙げられていたことだ。

関連リンク:AppleWorks 6.0.4 Updater
カテゴリ:アプリケーション


PowerBook関連の技術文書が公開、外部モニタ利用などの情報

日本語での技術情報提供であるTech Info Library-Jに、PowerBook関連の文書として以下のものが翻訳されて公開された。

◇25034JN :PowerBook, iBook: ボイスメール/スピーカフォンの互換性
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=25034
iBook、PowerBook G3 Seriesに内蔵されているモデムは、音声の電話の利用には対応していない。

◇58595JN :PowerBook (FireWire): 内蔵モデムの仕様
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58595
対応している通信速度や、電話を受け付けることでスリープから復帰する機能などの説明がある。

◇58585JN :PowerBook (FireWire): サポートしている FireWire 装置の最大数
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58585
63台だが、1つのチェーンは16台。供給できる電力は6W。

◇58330JN :PowerBook (Bronze keyboard and FireWire): 外部モニタ接続時の LCD 機能
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58330
外部モニタの使用法など。内蔵の液晶ディスプレイと同時に使えることや、同じ内容の画面表示を行うミラーリングについての説明。

◇58339JC :PowerBook (Bronze keyboard or FireWire): ドライブの高さに関する仕様
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58339
内蔵できるハードディスクは12.7mmつまり0.5インチ以下の高さでないといけない。

◇58336JC :PowerBook (Bronze keyboard and FireWire): 従来のシリアルポートは搭載されていません
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58336
ADBやシリアル端子がないので、必要ならアダプタを使うこと。

◇25018JN :PowerBook (Bronze keyboard and FireWire): シリアル装置を S ビデオポートに接続した時に起こる問題
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=25018
Sビデオ端子に誤ってシリアルケーブルやLocalTalkアダプタをつなぐと、外部ディスプレイが接続されているものと勘違いし、画面の表示状態がおかしくなる。通常は液晶ディスプレイが2台目のディスプレイと思うのでデスクトップしか表示されないようになってしまう。スリープしてケーブルをはずし、再度復帰させれば直る。

◇58350JC :PowerBook (Bronze keyboard and FireWire): アクセサリキットの中に Ethernet ケーブルがありません
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58350
◇58344JN :PowerBook (Bronze keyboard and FireWire): 外部ディスプレイで使用可能な解像度
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58344
◇58357JN :PowerBook G3 Series (Bronze keyboard): 概要
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58357

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J, PowerBook


Blue&WhiteのPower Macintosh G3関連の技術文書が公開

日本語での技術情報提供であるTech Info Library-Jに、Blue&WhiteのPower Macintosh G3関連の文書として以下のものが翻訳されて公開された。

◇58206JN :Power Macintosh G3 (Blue and White): PCI 拡張スロット仕様
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58206
66MHzのスロットが1つ、33MHzのスロットが3つあるが、66MHzのスロットにはビデオカードが装着されている。電力についての解説もある。

◇58221JN :Power Macintosh G3 (Blue and White): 初期設定時のモデムに関する警告
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58221
モデムを搭載していない初期ロットのマシンに内蔵モデムを搭載した場合のトラブルについての説明。

◇58197JN :Power Macintosh G3 (Blue and White): サウンド機能
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58197
RCA端子によるサウンド機能がないが、FireWire機器で代替えできるとしている(製品があるかどうかは不明)。その他、サウンド機能の詳細なスペックが記載されている。

◇58199JN :Power Macintosh G3 (Blue and White): USB の無いディスプレイのサポート
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58199
ビデオアダプタでVGAディスプレイと接続できることなど(タイトルと関係ない?)。

◇58202JC :Power Macintosh G3 (Blue and White): プロセッサキャッシュの拡張
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58202
バックサイドのレベル2キャッシュを増設することはできない。

◇58205JN :Power Macintosh G3 (Blue and White): 低速 SCSI 装置に使用する SCSI カード
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58205
Apple Ultra SCSI PCI Cardは低速のSCSI装置もサポートしている。

◇58200JN :Power Macintosh G3 (Blue and White): Zip ドライブベイでのハードドライブ使用
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58200
Zipドライブベイはハードディスクは利用できない。ハードディスクは別の場所にある専用の取り付け位置を利用する。

◇58181JC :Power Macintosh G3 (Blue and White): Enabler と Mac OS ROM
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58181
EnablerはMac OS ROMに統合されていて、存在しない。

◇58191JC :Power Macintosh G3 (Blue and White): ハンドルの機能(修正)
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58191
デザイン的なものに加えて、持ち運びも可能なように機能的に設計されている。

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J, Power Mac


2000/5/30に公開されたTIL-Jの記事

日本語での技術情報を提供するTech Info Library-Jで、別掲の記事以外に5月30日に以下の記事が公開されている。文書のアドレスと要約は以下の通りだ。

◇58324JN :USB 機能搭載 Macintosh: ADB AppleVision Display のサポート
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58324
ADB端子搭載のディスプレイを、ADB端子のない本体で使えるが、そのままだと使えない機能もある。USBとの変換アダプタによりColorSyncや歪み調整などが使えるようになる。

◇58452JN :Final Cut Pro: Newer FireWire 2 Go PC Card 使用前に省エネルギー設定を無効にする
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58452
Final Cut ProをNewerのFireWireカードで使う時には、スリープに入らないようにしておく。

◇14870JN :メモリ構成: Portable、PowerBook、iBook
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=14870
◇20435JN :メモリ構成: サーバ
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=20435
各機種ごとに搭載可能なメモリモジュールとメモリ量などが一覧されている。

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J