Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年7月18日発行号 - Mac OS XでX Window



Expo直前で、いろいろな製品のリリースがあり、少しニュースは積み残しています。明日に間に合うようにします。いよいよ、日本時間では明日の夜にExpoの基調講演ですが、緊急性のある記事の場合には、すぐに号外を出します。そうでなければ、分析を交えて、通常のルーチンで発行するようにします。
そごうの問題は、債券放棄要請、その批判を受けて民事再生法適用による倒産と目まぐるしく展開しましたが、いずれにしても踏み倒しがまかり通るというとんでもない事態はとりあえずさけられたようです。もっとも、ゼネコンに対してはすでにまかり通っている面もあるのですが…。同じ資金不足でも、小さな会社は放置されるのに、大きな会社だと国が助けてくれるというのは、モラルの問題だけでなく、市場経済の目指す方向とはかなりのずれがあると思います。だけど、そごうの倒産のときには、「これで国民負担は増える」とまことしやかに口走る政治家にも、同様に嫌気がします。税金で負債の負担をするなという声は、1つはモラルの問題もありますが、何で国民が負担しないといけないのだという意味も強く込められていりるわけです。あたかも、国民に責任を転嫁させる政治家の発言はもうどうしようもないというところでしょうか。日本経済はどうなるとか、再生しなければなどと議論はつきませんが、もしかして、もう完全にダメになったのではないかと悲観的に考えてしまいます。むしろ、もうダメになったというところからやり直さない限りは、いつまで経っても低迷しそうな気がします。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS Xで稼働するX Windows Serverの開発をアナウンス

WebサーバのApacheをMac OSで稼動させるWebTenなどを開発しているTenon Intersystemsは、Mac OS Xで利用できるX Window Serverの「X for Mac OS X」の開発をアナウンスした(ちなみに、エックス・フォー・マックオーエス・テンと発音する)。X Windowは、UNIXシステムで使われているウインドウ表示システムで、これをベースにして各種のデスクトップ環境がUNIXなどで構築されている。クライアント/サーバ方式のアプリケーション実行環境であるとも言えるもので、利用者の方を「サーバ」としている。また、ローカルマシンでのアプリケーション実行にも対応している。X Windowシステムはオープンソースとして配付されているが、Tenon社はそれをMac OS Xで稼動するように移植するということだ。そして、Aquaのユーザインタフェースを利用した実行環境になるとしており、ウインドウの最小化でDockにストックされるようなMac OS X独特のユーザインタフェース要素も利用できるものであるとしている。X11R6.4というリリースをベースに開発しているという。Mac OS Xのベータ版の配付に合わせて、X for Mac OS Xのベータ版を配付する。2001年の正式リリースに合わせて、X for Mac OS Xも正式にリリースする予定だ。X WindowベースのアプリケーションもMac OS Xで稼働することになり、Mac OSとは別の側面、つまり、UNIXベースのアプリケーションの稼動環境としてクローズアップされることになる。

関連リンク:X Window Server for Mac OS X
カテゴリ:Mac OS X


【Darwinシリーズ】ネットワークの設定:外部ネットとのルータを指定する

IPアドレスさえ指定できれば、インターネット通信ができるとは言っても、それは完全ではない。次は、ルータのアドレスを指定したい。このあたりからはネットワーク環境がからんでくるので、まずは実験を行ったネットワーク環境を説明しておこう。もちろん、100BASE-TXで何台かのパソコンが接続されていて、その1つがBlue & WhiteのPower Macintosh G3で、そこでDarwinが稼働している。そして、ネットワークにつながれたLinuxマシンを経由して、ケーブルテレビのインターネットに接続している。LinuxマシンにはEthernetカードが2枚刺さっている状態で、IPマスカレードしている。ケーブルテレビに対してはDHCPでグローバルアドレスが配給されるが、IPマスカレードの内側では、192.168.0.Xという典型的なプライベートアドレス環境となっている。なお、末尾が100以降をプライベートアドレスの範囲だけに機能するDHCPサーバで、IPアドレスを配給している。内部ネットワークから見れば、ルータもネームサーバもいずれも192.168.0.1となっている。

Darwinでのルータの指定は、いろいろなファイルを調べているうちに、/etc/hostconfigにありそうなので、そこを変更してみてることにした。ここも-AUTOMATIC-になっている。
◇/etc/hostconfigファイルの初期状態
 

ここで、
 HOSTNAME=darwin99
 ROUTER=192.168.0.1
と指定をした。いちおう、期待を込めて、AFPSERVERやAPPLETALKなどの右側もYESを入れてみた。
だが、hostconFigファイルのコメントにあるように、このファイルはシステムによって管理されている。-AUTOMATIC-としておけば、たとえばDHCPから必要な情報を取得するような機能がMac OS Xのレベルでは組み込まれるのかもしれない。また、NetInfoについてはここではノーマークで作業を行っているが、NetInfoの設定とのからみもあるのかもしれない。だから、このファイルを修正するという方法はおそらくMac OS Xでは通用しないとは思われるが、とりあえずDarwinのレベルで稼働するためにここを変更してみた。
なお、ここで、hostconfigファイルは、所有者のrootに対しても読み込みのみのアクセス権となっている。もちろん、chmodで変更してもいいが、viで編集しているとき、「:w!」コマンドで、書き込み不許可を無視してファイルの上書きを行う。まあ、あまり行儀はいいとは言えないまでも、知っておくと便利なことは確かだろう。

そして、再起動してみた。これで、「ping (IPアドレス)」、あるいは「telnet (IPアドレス)」というコマンドを、IPアドレスにネットワークの外側にあるものを指定して入力し、うまくいった。つまり、外部のネットワークとの通信では、ルータに送られるというゲートウエイの設定がなされたということである。

netstat -r コマンドの実行結果は次の通りだ。上がhostconfig修正前で、下がhostconfig修正後である。デフォルトのルータとして、「msykhome.msyk....」が設定されているが、これは、192.168.0.1からホスト名を逆引きした結果得られるドメイン名である。フラグにGがあり、ゲートウエアであることが分かる。
◇netstat -rコマンドでルータの設定を参照した
 

ただ、ps auxコマンドで、プロセス一覧を見てみたが、AppleTalkやAppleShareサーバ、あるいはhttpd(Apacheサーバ)が起動している様子はなかった。hostconfigの設定は、指定をしたからと言って必ずしも有効とは限らないようだ。
さて、残るは、ドメイン名を指定しての通信だ。このままでは、nslookupはもちろんだが、telnet (ドメイン名) と指定して、別のマシンに接続することができない。

カテゴリ:ネットワーク, Darwin, Darwin 1.0


バージョンコントロールを行うVOODOO Serverがバージョンアップ

CodeWarriorから利用できるバージョンコントロールシステムのVOODOO ServerがVer.1.2となった。ソースファイルなどで複数のバージョンのものを残すような場合などに、文書管理を行うことができる。もちろん、サーバなので複数の開発者で1つのプロジェクトを共有して、文書の管理ができるようになっている。CodeWarriorに統合されているため、メニュー選択などでスムーズに利用できる。サーバは、Mac OS 8.5以上のPowerPC搭載のMacintoshで稼働する。新しいバージョンでは、クライアントとサーバ間の通信で圧縮および暗号化が行われるようになった。また、AppleScriptにも対応しており、自動処理にも構築できる。

関連リンク:VOODOO Server - Version Control The Macintosh Way ...
カテゴリ:開発ツール


SuperCardのPersonal Editionが$49.95で販売

IncWell DMGは、マルチメディアのプレゼンテーションなどを作成可能なツール「SuperCard」のPersonal Editionを$49.95という価格で販売している。通常版は、PDFマニュアル版で$144.95となっている。なお、Personal Editionと通常版との違いについては明確には記載されていないが、PE版の説明ページを見る限りは、カラーグラフィックスやスクリプトと言ったSuperCardの主要な機能は網羅されているため、大きな違いはないのではいかと思われる。HyperCardをより高機能にしたSuperCardであり、プレイヤもあって制作したものを配付する環境も整っている。一時期はSuperCardにも人気があったが、カードをメタファーとした開発環境にあまり目が向けられなくなっているのも事実で、最近はSuperCardの利用もそれほどでもなくなっているのが実情だ。安価での販売はそのてこ入れの意味もあると考えられる。

関連リンク:SuperCard Personal Edition
カテゴリ:オーサリング系


IPNetRouter 1.5が正式リリース、PPPoEサポートなどが追加

Sustainable Softworks社のMac OS用ルータソフト「IPNetRouter」のVer.1.5の正式版がリリースされている。Ver.1.4.8.xにつづいて、2000年初頭より、Ver.1.5のベータリリースが続いていたが正式版となった。IPNetRouterは、LAN内の複数のパソコンを1つのインターネット接続を経由してインターネットを共有利用できるようにするもの。たとえば、あるMacintoshでIPNetRouterを稼働してダイアルアップ接続を行うようにしておけば、そのMacintoshからLANでつないだ各パソコンからダイアルアップの共有利用ができる。また、ケーブルテレビやADSLといったEthernetベースの高速接続サービスの場合には、Ethernetカードを追加したMacintoshでIPNetRouterを稼動させ、1つのEthernet端子をケーブルモデムに、もう1つを内部のLANに接続する。LANの各パソコンがケーブルモデムのインターネット接続を共有できるようになる。IPマスカレーディングを行うので、1つのIPアドレスで複数のプライベートネットワークアドレスを割り振ったネットワークの各パソコンからインターネット接続ができる。また、DHCPサーバ機能も組み込まれており、ネームサーバのフォワーディング(要求を上位のサーバに素通しする機能、つまり、IPNetRouterがDNSサーバ代わりに働く)も可能だ。Ver.1.5では、PPPoEに対応している。これは、ケーブルテレビなどの回線を利用する場合、PPPのプロトコルをEthernetを通して行うような通信形態で、認証のプロセスが入ることから不正利用がやりにくくなる。また、dialupdns.comによるDialup DNSクライアントのサポートも加わった。シングルライセンスが$89だ。

関連リンク:IPNetRouter
カテゴリ:その他のインターネット, ネットワーク


Network Assistant Updater 4.0.2が公開、バグ修正など

北米向け英語版のNetwork Assistant Updater 4.0.2がリリースされている。ワークステーションの起動時にクラッシュする場合がある問題点や、ワークステーションをリモートでスリープから復帰させること、プロセッサの認識間違いの修正、AirPortのEthernetアドレスの正しい取得が修正点となっている。

関連リンク:Apple Network Assistant Updater 4.0.2
カテゴリ:ネットワーク