Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年8月25日発行号 - WebObjects 4.5 Update 2



昨日のWebObjectsのセミナーのQ&Aの最後に興味深い話を聞きました。WebObjectsの低価格化はMac OS Xへの開発にはずみをつけるような意味をおっしゃっていました。とすると! Mac OS Xが発売され、その開発環境としてWebObjectsが位置付けられるのではないでしょうか。Mac OS Xの開発環境は現在はデベロッパーだけに配付されているものがあるわけですが、製品版として登場したときにはOSとしてMac OS X、開発環境としてWebObjectsという二本立てになるのではないかと思われます。つまり、これがアップルの製品ラインナップになるのではないでしょうか。昔の、MPWのような位置付けにWebObjectsは設定されるのではないでしょうか。Mac OS Xで稼動するあらゆるソフトをWebObjectsでは開発できるということになります。もっとも、Classic対応ソフトは開発できないでしょうけど…。CodeWarriorもMac OS X対応していますが、Carbon対応部分と純粋Javaはともかく、それ以外の開発環境としてはWebObjectsの方が進んでいます(当たり前と言えば当たり前?)。CodeWarriorが安泰な時代は過ぎ去ろうとしているのかもしれません。いずれにしても、AppleはMac OS Xの開発環境については「自分でやる」ことを事あるごとに強調してきています。PowerPC移行時代のSymantec依存をしてしまってこけそうになった教訓が生かされているのかもしれません。
今までの流れだと、今日くらいにTIL-Jの新しい文書が公開されると思われるので、待っているのですが出てこないので、このあたりで配信を行います。明日から夏休みを取らせてもらいます。大阪の実家に行くのですが、家族で天橋立に旅行に行きます。次の配信は8月31日を予定しています。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


WebObjects 4.5 Update 2がリリース、バグ修正や統計情報のパスワード化など

WebObjects 4.5のUpdate 2がリリースされた。以前にリリースされたUpdate 1の内容を含んでいる。すべてのプラットフォームのWebObjects利用者にアップデートが勧められている。今回のアップデートでは、かなりのバグが修正され、NSCalendarDateのメソッドの修正や、Windows 2000で特定のネットワーク環境でwotaskdがストップする問題などが解消されている。Mac OS X ServerやWindowsでDirect to Webのデプロイを行う場合、ファイルが足りなかった点も解消されている。Monitorでもすべてのインスタンスの消滅ができない場合があった点が解消されているなど、いくつかの問題が修正されている。また、新たに、ログ設定や統計情報を表示するページにパスワードが設定されるようになった。従って、ドキュメントに従って適切にパスワード設定が必要になる。また、WebObjects Adapterも変更されている。セットアップではこのアダプタはWebサーバが利用できるディレクトリにはセットされないため、入れ替え作業は手動になるようだ。WebObjects Adapterのソースも更新された。アップデート方法は以下のTILの文書に掲載されている。アップデータも、プラットフォームごとに用意されていて、以下の文書にリンクが設定されている。

関連リンク:http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75087
カテゴリ:WebObjects, 開発ツール


WebObjectsの紹介セミナーが開催、「WebObjectsはプログラマを幸せにするツール」

2000年8月24日、アップルは、「WebObjects紹介セミナー」をアップル本社で開催した。最近、頻繁にWebObjectsのセミナーを開き、浸透に務めているが、今回は活用事例を交えた製品紹介が行われた。
まず、WebObjectsの全体的な説明から始まった。従来は開発環境と運用環境にわけて販売していたが、5月に価格を大幅に改定して、価格を72,800円と低価格にした。製品の位置付けとしては、「インターネットエンジン」として、アプリケーションをインターネットにスムーズに取り込む最適なツールとしている。Appleも、AppleStoreやiTools、Tech Info Library-Jのように自社でもWebObjectsを大幅に活用している。1995年に発売され、3000ユーザ、6000サイトで運用されており、世界で最も実績のあるアプリケーションサーバである。年末にリリース予定されるWebObjects 5.0 for Javaについても説明があり、Java2対応の100% Pure Javaで、Linuxでの運用ができ、JDBCやEJB、XMLなどをサポートする。Appleが検証しサポートするのはredhat Linux 6.2になる予定ということ。Mac OS Xに最適化されており、Aqua対応やProjectBuilderの改良、Cocoaアプリケーションの開発環境にもなり、AppleScriptやNetInfoのサポートまで含まれる。

続いてテクニカルピットの倉橋浩一氏より、「‘e’commerce solution by WebObjects」と題して講演が行われた。テクニカルピットより発売されるeコマースサイト構築のフレームワークの紹介が主テーマだ。WebObjectsの利点として自動的なセッション管理やスケーラビリティ、安定性、運用ツールを挙げている。セッションについてはWebObjectsが自動的に管理され、ユーザ情報はセッションオブジェクトが保持している。スケーラビリティについては、シングルCPUからマルチCPUマシンまで同一ソースから稼動できる。運用ツールで負荷分散の設定をしたり異常時の通知が行える。統計情報を取り出すツールもある。AppleStoreもとめないでバージョンを上げている模様だという。また、噂と前置きし、AppleStoreはクリスマス時期には、社内からマックをかき集めて高い負荷に対応していると言う話があった(倉橋氏自身は、ほんとうはSolarisマシンをレンタルしているのじゃないかとの見解も示しが)。WebObjectsの誕生秘話として、NeXT時代にEOFが金融機関で実績があり、このEOFをWebでパブリッシングできないかとジョブズが考えたという話もあるそうだ。
eコマースサイトに必要な機能をピックアップし、かなり必要な機能、あればいい機能等を順々に列挙し、たくさんの機能が必要になってくることを印象づけた。こうしたサイト構築では、eコマースフレームワークを使えば、全部は無理としてもかなり作業が軽減される。基本部分としてのフレームワークにより、電子カタログやショッピングカート等の必須機能を30分で構築できるとした。機能を追加するサイトパーツとして、必要な機能を追加する。また、WebObjectsの学習教材も提供しているが、汎用・初級コースはアップルのセミナーのデベロッパー#1と同等の内容を安く、かつ自宅で勉強できるものを提供している。eコマース構築コースは、学習だけでなくパッケージアプリケーションとしても使えるものが提供されている。プログラマ以外にフレームワークの使い方を説明するフレームワークコースがある。
◇倉橋浩一氏のWebObjectsのページ
 http://www.techpit.co.jp/WO/

そして、デモが行われた。ひな形となるWebページにアイコンを配置することで、ショッピングカートやデータベースからのアクセスを行って商品情報を表示するといったものを見せた。eコマースフレームワークは10月に発売予定となっている。
倉橋氏はWebObjectsは「プログラマを幸せにするツール」であると考えているそうだ。倉橋氏自身、WebObjectsに出会って人生が変わったそうだが、今となっては72,800円で人生を変えることができるかもしれない?

続いてローランの飯田博氏より、「横浜市受発注情報支援システムとWebObjects活用ポイント」として講演が行われた。公共団体に実際に納品され稼動しているシステムの解説である。中小企業の部品調達や取引先開拓のためのシステムとして開発されたものである。インターネットを利用して、企業間のやりとりを促進させるのが目的で、4月より仮運用が始まり、来年から本稼動が行われる。システムの利用は横浜市には限定されていない。製品の発注業者にとっては新製品開発のための技術を導入でき、受注者向けには自社技術を広く公開することによって新しい取引先を見つけることができる。企業が登録する場合にさまざまな質問に答えていくような登録システムや、あるいはキーワード検索でニーズのある技術を持つ企業を絞り込む等の機能を備えている。
実際にデモも行われた。システムは、ExpressサーバでNT 4.0を使っている。WebObjectsの注目すべきポイントとしては、ビジュアルな開発環境である点、データベース接続が容易にできること、コンポーネントの再利用による複数ページに同じものを配置できること、プロトタイプが可能である点が挙げられた。開発期間が短期でできることからWebObjectsを使ったそうだ。一方、注意したい点としては、日本語のマニュアルが少ない点や、JavaのJDKにないクラスを使う点がある。また、開発ツールの問題やメモリをたくさん使うところもあったと説明された。開発で気をつける点としては、フロントエンドにWebブラウザを使う点で、「戻る」ボタンによって異なる状態からセッションが再開されるようなことに気をつける必要があるとのことだ。コンポーネントの再利用では、HTMLタグの整合性を取る必要もある。デザイナとの分業やプログラムの分業についても考慮する必要がある。ローランではWebObjectsの低価格化で市場拡大が見込めることで、今後に期待をかけているということだ。

休憩の後は、WebObjects 4.5の技術的な説明を、アップルコンピュータの石山正太郎氏からの説明とデモがあった。内容的には、7月28日のMDOnline/MJR読者向けのセミナーと同じであったので、この記事では詳細を省略する。

Q&Aでは、次のような質問が交わされた。

Q:手書きでドキュメント管理している。それをデータベース化したい。PDFのフォームとの連動ができればいいのだができるか?
A:サポート外だが、サードパーティ製品のReportMillがあるので、WebObjectsと連動してPDFの生成はできる。PDFからの入力もできるという話も聞いているが、動作確認はしていない。PDFの生成については、PageMillでほぼ問題なく使えている。ただし、セキュリティ面についての問題は少しある。

Q:eコマース系サイトを検討している。ツールとして、WebObjectsとWebSphereを検討しているが、後者に傾いている。その理由は、ネームバリュー、XMLへの取り組み、宣伝がうまいのためか企業ベースでの導入しやすい。要望としては、成功事例をもっと多くだしてもらわないと、競争に勝てない。出荷数が多いのに事例が見えてこない。欲を言えば、業種別トップ何社かの導入実績をまとめてはどうだろうか?
A:日本では日産が有名だが、海外ではかなり使われている。従来は価格が高かったが、低価格になったから今後は増えるだろう。導入事例はアップルとしても努力しているが、外部に公開したくないという企業も多くいのも事実…いいわけに過ぎないが。

Q:負荷分散について。複数のサーバを組み合わせて運用できるが、パケットレベルとの分散処理とのかかわりは?
A:パケット単位はサポートしていないが、バーチャルホストで組みわせるようなことで対応できる。

Q:社内の業務システムを4Dを使っている。効率良くアプリケーション作成したいのでWebObjectsにも注目している。Direct to Javaというのがあるが、実績はあるのか?
A:国内は把握できないが、海外ではけっこういろいろな企業で使われている。国内はWebベースが多いようだ。

Q:データベースをオブジェクト化してJavaでやりとりするのはEJBみたいなものか? J2EEといった標準化とはまた違うのか?
A:そうではなく、データベースとのインタフェースとして、テーブル構造をJavaのクラス化したもので、普通のオブジェクトとして扱うものである。WebObjects 5ではEJBに対応する。

Q:数百万のアプリケーションサーバが一般的なのに対して、数万円で提供できる底力はなんでしょうか?
A:アップルは専業メーカーではなくいろいろなことをやっているメーカーである。USではシステムインテグレーションもやっている。その意味で、全体的な利益を得ており、戦略的な意味での価格付けだ。
また、WebObjectsの開発環境のコアであるProjectBuilderは、Mac OS Xの開発環境としても提供されてるもので、その意味では、Mac OS Xに向けて多くの開発者に目を向けてもらいたいという意味合いも含めている。

カテゴリ:WebObjects


Valentinaのデータベースを利用するXCMDがリリース

Paradigma Softwareは、同社のデータベースValentinaを利用するためのXCMDのβ2である「VXCMDb2」をリリースした。ValentinaはMac OSで稼動するリレーショナルデータベースで、AppleScriptやREALbasicあるいはDirectorなどからの利用ができる。XCMDはHyperCardの機能拡張の形式で、HyperCardからはもちろん、同じ手法で機能拡張ができるSuperCardやMetaCardからもValentinaを利用できる。Mac OSないしはWindowsのいずれかのバージョンは$199.95、両方のプラットフォームで稼動するものは$299.95となっている。

関連リンク:Valentina XCMD
カテゴリ:ライブラリ, データベース


データベースの管理ユーティリティSyBrowserがバージョンアップ

MacSOSから、SQL ServerやSyBaseに接続してテーブルの管理やSQLコマンドの発行などができる管理ツール「SyBrowser」のVer.3.1をリリースした。SyBrowserは、ODBC経由でデータベースに接続し、テーブルの一覧やフィールドの一覧、SQLコマンドの発行などができる。新しいバージョンでは、SQLコマンドのカラーシンタックスや、管理者機能としてユーザ一覧や稼動プロセスの参照などができるようになっている。価格は$45。Mac OSとWindowsで利用できる。

関連リンク:SyBrowser v3.1
カテゴリ:データベース