Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年9月7日発行号 - PalmとFileMaker



森下さんはどこへ行ったのだと案じておりましたが、2回目の原稿が来ました。御安心ください、エンジンがかかってきたというところでしょうか。今日のニュースでファイルメーカーのPalm版の記事があります。これは業務的な意味ではけっこう大きいのじゃないでしょうか。Palmで専用アプリケーションを作るのはそれはそれで大変だけど、ニュースを読む限りでは、デスクトップのデータベースをそのままシンクロできるわけですから、うまくデータベースを作るなど運用上の工夫をすることで、すぐにPalmでデータベースが使えるわけです。たとえば、Palmの画面にチェックボックスがちょいちょいと出てくるような画面なんかを出して、モバイルでの入力をやりやすくするなど、労力というより工夫の世界でうまく回りそうな、楽しそうな世界が開けるような気がします。また、データベース自体もPalmの別のプログラムから読み書きできるようなことが書いてあります。だから、Palmで動かすアプリケーションのストレージという意味でも注目できます。もちろん、個人的にも、名刺管理のデータベースからあのややこしいインポートの作業をしないでいいとかもありますね。モバイルのデータベースとしてはいろいろ製品が出ていますが、何かしら開発という作業を施さないといけません。しかし、Palmのシンクロという機能をうまく利用することで、スムーズな連係ができるわけで、モバイルデータベースでは一気にトップシェアになるのではないでしょうか? その勢いで、携帯とかでも使えるようにすることを狙っているのかも知れませんね。

弊社の藤森の件では、通夜や葬儀におこしいただいたき、ありがとうございました。また、皆様より暖かいお言葉をかけていたき大変感謝しております。藤森の思い出を語り合うBBSを作りましたので、御覧いただき、また、親交のあった方はよろしければメッセージを書いていただければと存じます。ローカスのホームページにリンクがあります。
ローカスのホームページ:http://www.locus.co.jp/
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


ファイルメーカーのデータベースをPalmにシンクロ

ファイルメーカーのデータベースをPalmとの間でシンクロできるようになる。FileMaker社は、「FileMaker Mobile」を、北半球の次の冬の間にリリースすることをアナウンスした。FileMaker MobileはPalm OSで稼動するデータブラウザと考えれば良いだろう。Mac OSあるいはWindows上で稼動するFileMaker Pro 5のデータベースとシンクロができる。HotSyncボタンを押せば、デスクトップ上のデータベースと、Palmにあるデータが同期する。デスクトップで作られているデータベースの設計は自動的にPalm内に再現されるようで、さらにフィールドごとに同期するかしないかを設定できるなど、単なるコピーではなく最適化された同期処理も可能となるようだ。つまり、FileMakerで作ったデータベースを、特に何の開発作業などもなく、Palmに持ち込めるということになる。なお、フォームの扱いについてはリリースなどでは何のアナウンスもない。これは予想だが、Palmのアドレス帳のようなずらずらとフィールドが並ぶような既定のフォームでのみ、データのブラウズや入力などができるのではないかと思われる。米国では$100以下で販売される。日本などは米国出荷後ということになり、必然的に2001年以降ということになるだろう。

関連リンク:FileMaker Mobile
カテゴリ:データベース, 各種プロダクツ


【 崖っぷちからWebObjects】第2回〜あたってしまった…

/-/-/-/7月28日/-/-/-/

「え〜っと、も・り・し・た・さん・・。森下さんです。」
「うおぉ〜、あたったぁ!!! (¨;)」
おもわずこぶしを振り上げて立ち上がってしまった・・・・・。

さて、前回からひと月半ほど間があいてしまった。その間、応援のメールを下さった方々、個別の返信はできないままになってしまったが、この場をかりてお礼を言いたい。ありがとうございました。

実はこの間、何をしていたかと言うと、日銭を稼いでいたのである。前回ぶっちゃけたように、リストラ中でしかも失業保険もきれてしまったので、とりあえず明日の飯代を稼ぎに行っていたのである。まったくインターネットなんかとは無関係なんであるが、私は「一級キャンプディレクター」と言う野外教育関係の資格を持っている。そこで、かつて大学生の時にボランティアで行っていた青少年対象のキャンプ場で、ボランティアリーダーのスーパーバイザーとして、夏の間だけ臨時で雇ってもらったのである。半分無理矢理押しかけて・・・。(^。^;)

このキャンプ場は岡山県にあり瀬戸内海に浮かぶ島なのだが、対岸の本土ではH゛−が使用可能で、一昨年に行った時には、島でも一ケ所でだけ32キロで快適にインターネットできるポイントがあった。そこで64キロに機材がアップした今年は、もっと快適にできるぞと一式抱えていったのだが、なんと、アンテナは立つのだが、どうもこちらの電波を基地局が捕まえてくれないようで、かけようとするとつながらなかったのだった。ぐわ〜んm(@v@;)m。

島には公衆電話が一つだけあるが、そいつは緑のやつで、音響カプラがないとインターネットできない。買い出しで本土にわたった時に、cdmaOneにしようとしたのだが、「Macでは動作保証しておりません。」と微妙な言回しで言い渡された。本当に使えない場合は「Macでは使用不可です。」のはずで、「動作保証しておりません。」というときは、使える場合も結構多い。だが、リストラ中の身でちょっと試すのには勇気がいったし、そもそも関西人である私とは、セルラー中国は契約できないと申し渡された。

という理由で、このひと月半、メールチェックできたのは数回で、しかもいただいたメールに返事もろくに書けなかったというわけだ。ところでパワーブックでは、本当にcdmaOneは使えないんだろうか・・・・。

さて、そんな原始的な夏をすごした私だが、(余談だが、この島には縄文時代早期から古墳時代にわたる遺跡もある。由緒正しい原始生活なのである。)一日だけサバーな現代都市東京の、それもオペラシティに出かけたのである。そしてそのお出かけは、冒頭の幸運をもたらす事となった。

出かけていったのは、「MDOnline/MJR会員向けWebObjectsテクニカルセミナー」で、あたったのは、「WebObjects 4.5」である。これは今売っている無制限版ではなくて、その前に売っていた50トランザクション制限付のものである。それでも、最新版の4.5には変わりなく、お金がなくて手が出せない私には、まったくありがたき幸せだ。ああ、でかけてよかった〜(◎^▽^◎)〜

ちなみに参加者は50人ほどであっただろうか。そこに「WebObjects 4.5」がたしか5本用意されていたから、これはかなりの高確率だ。次にこのような企画があったら、あなたも参加してみるべしだ。きっといい事がアルに違いない。

ところで、肝心のセミナーの内容だが、ようは「WebObjects 4.5」の商品紹介なのである。実はこの内容によく似たセミナーをすでに私は体験していた。今年の3月10日、「WebObjects 4.5」が出てまだまもない頃だったと思うが、大坂の某ホテルでアップルがおなじようなセミナーを開いたのである。

3月と7月、2回のセミナーを体験して、その感想はずいぶんと違ったものになってしまった。3月の時点で、ふだんファイルメーカとアップルスクリプトでいろいろなアイテムを作って、Macを快適に使っている私には、その便利さの感覚をベースにした色眼鏡でセミナーを体験したように思う。そして、だからこそWebObjectsに将来を感じ、その後、G4マシンとMac OS X Server 1.2を購入するところまで突っ走った。そこそこMacを使いこなしていると思い込んでいる私は、同じMacなんだからという感覚で、つっぱしれると思っていたのだ。

だが、現実は違った・・・。「Mac OS X ServerはMacではなくUNIXである。」というのが現実なのである。WebObjectsはファイルメーカではなかったのである。具体的には、「WebCompanion付のファイルメーカを使用したサイトをホームページプロで作る」という行為そのものがWebObjectsだけで完結するわけではなく、データベースが必要なのだ。無理矢理表現すれば、WebObjectsそのものは「難しくなったがまだMacっぽい感触のホームページプロ」で、そして「UNIX上ではファイルメーカのようにイージーに使えるデータベースはない」のである。

この現実を薄々知りだしてから体験したセミナーは、もはや薔薇色の内容を提示するものではなかった。だが、今度はちゃんと地に足ついた感覚で取り組んでいく決心ができた機会にもなった。つっぱしることはできないが、着実に育てていこうと思う。なんていっても、あたったんだし・・・(^。^;)

カテゴリ:WebObjects, 崖っぷちからWebObjects


Technical Q&Aに文書が多数登録

Appleから公開されている開発に関する技術的なQ&Aの文書「Technical Q&A」で、2000年9月5日付でかなりの文書が公開されている。MDOnlineでは何日かにわけて紹介をするが、新たに公開された文書のタイトルだけを先に示しておく。記事末尾のアドレスのジャンプすれば、各文書へのリンクが見つかるはずだ。

HW86:Open Firmware device tree nodes
HW87:PCI Macintoshes and CardBus controllers
HW88:The "chosen" node in the device tree
HW89:The "/aliases" node in the device tree
HW90:The "packages" node in the device tree
HW91:PCI class codes
HW92:How many PCI header types exist today?
HW93:The "green" PCI bus
HW94:PCI address/data stepping
HW95:Open Firmware and the devalias node
QTMTB58:BeginMediaEdits -2050 badDataRefIndex error after calling NewMovie
QTMTB59:Using MovieExportSetSampleDescription to specify the format of exported data
QTMTB60:Saving changes to modified movies
QTMTB61:Creating track references when editing movies
QTMTB62:Batch Exporting movie sound tracks with ConvertMovieToFile()
QTW100:Where do QuickTime extension files reside?
QTW98:Using Windows GDI for all drawing
QTW99:QuickTime .qtx/.qtr/.qt/.mov files defined

関連リンク:Technical Q&A What’s New
カテゴリ:Technical Q&A


コンパクトなフレームワークMADEがVer.1.7.0に

Sig Softwareは、Mac OSで稼動するアプリケーションフレームワークのMADE(Macintosh Application Development Essentials)を、Ver.1.7.0にアップデートした。MADEは、CあるいはC++から利用できるアプリケーションフレームワークで、Ver.1.7.0では同一のソースコードからCarbon対応およびClassic対応のアプリケーションを生成できるようになっている。MADEは、基本イベント処理や、基本的なFinderイベントの処理、メニューの構築や選択処理、ドラッグ&ドロップ処理などを備えており、登録料を支払うことで、ファイルの選択やスレッド、URLを開く処理などを利用できる。料金は$20からで、支払いを行うとコメント付きのソースコードも入手できる。

関連リンク:MADE
カテゴリ:ライブラリ


QT for Windowsに関するTechnical Q&Aが公開、GDIの利用法や拡張子の意味など

Appleから公開されている開発に関する技術的なQ&Aの文書「Technical Q&A」で、QuickTime for Windowsに関する質問とその返答が掲載された。以下はアドレスとその要約だ。

◇QTW98:Using Windows GDI for all drawing
 http://devworld.apple.com/qa/qtw/qtw98.html
QuickTime for Windowsにおいて、WindowsのGDI(Graphic Device Interface)を使って描画処理ができるかという問いに答えたもの。QuickTime Media Layerの初期化を行う関数InitializeQTMLにおいて、kInitializeQTMLUseGDIFlagフラグを設定すると可能になる。

◇QTW99:QuickTime .qtx/.qtr/.qt/.mov files defined
 http://devworld.apple.com/qa/qtw/qtw99.html
QuickTime for Windowsでのいくつかのファイルの拡張子の意味が掲載されている。.movはムービーで.qtも同様であり、これらは同じものと見てよい。.qtxと.qtrはコーデックなどのQuickTime機能拡張である。.qtxはデータフォーク、.qtrはリソースフォークに主要部分があるものだ。なお、Windows向けに機能拡張を配付するときには、Rezwackというツールを使って、.qtxと.qtrから、Windows向けの.qtxを生成するということができる。

◇QTW100:Where do QuickTime extension files reside?
 http://devworld.apple.com/qa/qtw/qtw100.html
QuickTimeの機能拡張ファイルの存在するフォルダを知る方法が説明されている。GetSystemDirectory関数で得られたパスに「\QuickTime」をつけたフォルダに機能拡張ファイルが納められている。

関連リンク:Technical Q&A What’s New
カテゴリ:Technical Q&A, Windows, QuickTime


Java向けインストーラ作成ソフトのInstall Anywhere 3.5が出荷

Zero G Softwareは、Javaで作られたソフトウエア向けのインストーラ作成ツール「Install Anywhere 3.5」をリリースした。Ver.3.5では、Java2 Ver.1.3対応や、Linux対応が主な変更点のため、Mac OSユーザには関連は薄いかもしれないが、来るべきMac OS XではJava2環境に移ることになる。フリーのInstall Anywhere Now!、機能を追加し$995のInstall Anywhere Standard Edition、29カ国語に対応した$1995のInstall Anywhere Enterprise Editionがある。WindowsやMac OSや各種UNIXなど、複数のOSに対応したインストーラの作成ができる。作成したインストーラはCD-ROMからの実行も可能となっている。また、Java VMも含めたインストーラを作成することもでき、実行ソフトウエアにとって最適なJava VMといっしょにインストールするということもできる。

関連リンク:ZERO G SHIPS INSTALLANYWHERE(R) 3.5 LATEST EDITION OF AWARD-WINNING MULTI-PLATFORM SOFTWARE DEPLOYMENT SOLUTION
カテゴリ:開発ツール, Java


Open Transportを利用したサーバソフトのサンプルコード

サンプルコードとして公開された「OT Virtuarl Server」は、Mac OSのネットワークシステムであるOpen Transportを利用したサーバプログラムのサンプルである。Open TransportのAPIを利用してサーバを作成する場合の手本になるものだ。また、サーバプログラムを作る場合にスピードを確保する手法がまとめられており、ネットワーク関連のプログラムを作る人には参考になることが多いだろう。ちなみに、協調マルチタスク環境下でのスレッドは使わないことや、Open TransportのAPIを適切に使うことなどが、スピードを確保する手段として紹介されている。また、プログラム自体の説明も、単にソースコードにコメントというだけでなく、英語ではあるが添付の文書で詳細に解説されている。

関連リンク:OT Virtual Server
カテゴリ:アップルからの開発資料, ネットワーク


AppleWorksのスペルチェック時にエラーが出る場合の原因

Tech Info Libraryに公開された文書によると、AppleWorks 6で、スペルチェックをしたときに辞書がないというエラーが出る場合がある。これは、原因としては、インストーラでインストールされたAppleWorksフォルダからアプリケーションを外に出して実行しているからで、インストールされたフォルダに戻す、つまりフォルダ構成をインストール時の状態に戻せばエラーメッセージは出なくなるということだ。

関連リンク:AppleWorks 6: "Main Spell Dictonary Not Installed" Error Message
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), アプリケーション