Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年9月13日発行号 - 本日Public Betaが登場予定



さて、13日になりました。あっという間でしたね(個人的にはいろいろあったし…)。今のところアップルのサイトに動きはない…というのは当たり前で、アメリカはまだ12日ですもんね。Mac OS X Betaの配付形態はいろんなメーリングリストで話題になっています。このことを書こうかどうか迷っていたのですが、まあ、いいかなという線で、とりあえず、今月売りの雑誌には添付されないと思われるので、そのつもりでいた方がいいかと思います。とは言え、リークとも言えない情報提供なので、あえて記事にはしないでおきますが。というのは、どこか編集部で入手していそうなところがあれば、首を締めてでも(笑)取得してきますが、そういう様子がありません。などなど、周辺状況を集めた結果の結論ということにしましょう。来月売りなどの今後発売される雑誌のCD-ROMに添付されるかどうかも、まだ未確定で、たぶん、今週には判明するでしょう。雰囲気を察する限りにおいては、それは非常に確率が低いように思われます。ダウンロードはなく、CD-ROMになるのが当たり前のように報じているところもあるけども、そうでしょうか? 全ユーザにダウンロードを許すとは思えないけど、きっと、ADCメンバーはダウンロードできるようにするのじゃないかと思います。ちなみに、私はSelectメンバーですけど、今日の郵便物にMac OS X Betaがあったら超感動的なんですが、まあ、それこそもっとも期待薄かも。そういえば、この機会にADCメンバーになった方もいらっしゃることでしょう。Mac OS X Betaが5万円強と思うと高いかもしれませんが、開発ツールはWebObjectsだと考えるともうちょい値段が高いわけで、まあいいのじゃないでしょうか(といいながら、結局WebObjects 5は別に買うことになると思いますけど)。それに、Selectメンバだとシード権もありますからね。
とまあ、いろいろ考えているうちに、Apple expoの基調講演も始まります。今日の夕方にでも何か分かれば、mdo-dのリストに流すか、あるいはきちんと記事を書いたらもう1回配信するかもしれません。ただ、夕方〜夜は打ち合わせがあるかもしれないので、ネットワークには張り付いていませんから、場合によっては時間がずれるかもしれません。ご了承ください。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Carbon 1.1のSDKのアルファ版がバージョンアップ、一般公開はまだ

Carbon SDK 1.1a5がリリースされている。CarbonのVer.1.1対応のソフトウエアを開発するために必要な素材がまとめられたものであるが、ADC(Apple Developer Connection)の会員だけが入手できる。Carbon 1.1はMac OS 8.6以上で利用でき、Mac OS Xでも利用できる。Carbonは従来のToolboxとの互換性を持たせたフレームワークであるが、1.1では独自のイベントモデルを導入するなど、従来のToolboxにない機能を含めるようになっており、単なる互換フレームワークではくなっている。

関連リンク:Carbon
カテゴリ:Carbon/CF


画像処理やグラフ作成など多彩な機能をプログラムで利用できる“行列電卓”

「mc(matrix calculator)」というアプリケーションが話題になっている。秋田県立脳血管研究センターの西村弘美氏が作成したフリーウエアで、本来は臨床データから画像生成しレポートを作成するような用途で作られたものだ。しかしながら、プログラミング環境として見た場合、データ処理やグラフあるいは画像生成機能が充実したソフトウエアとして見ることができる。行列の計算はもちろん、それをもとに2Dあるいは3Dの画像までも生成できるのである。エディタ画面にプログラムを記述し、プログラムを選択してEXECボタンで実行すると、実行して作成された画像がインラインで割り込まれるという雰囲気だ。プログラムは変数の利用やくり返し、条件分岐など基本的な構文がそろっているが、さまざまな処理を行う大量の関数群があることがなんと言っても大きな特徴だろう。グラフ作成や、あるいはある月のカレンダーを1コマンドで作ってしまうなど、実用性の高いものが中心となっている。作図やシリアル通信、ファイル処理、QuickTime関連などの機能を関数で利用できる。こうしたプログラムをエディタで作成し、その結果もエディタで参照できる。エディタ自体は文書作成までも考慮されたものだが、CDで入手できる電子辞書の参照や、さらにはWebサイトへの接続ボタンなども利用できるなど、作者が必要としていると思われる機能がふんだんに詰め込まれているという感じだ。すでに開発が始まって何年も経過しているソフトである。作者の意図とはずれるかもしれないが、mcは超高性能な関数電卓のようなテイストがあると感じた。必要な機能がコンパクトに凝縮されたアプリケーションだ。

関連リンク:mc(matrix calculator) ver 2.3.1
カテゴリ:ユーティリティ


インターネットカフェなどの運用に利用できる課金端末利用システム

GS Technical Support Centerが開発する「iCafe Server」はインターネットカフェを運営することなどに使えるシステムだ。Mac OSを利用したサーバとクライアントで利用し、お金を払った分だけインターネットを使える仕組みを提供する。価格は8ステーションで$249などとなっている。デモ版は無償でダウンロードできる。

関連リンク:iCafe Server
カテゴリ:その他のインターネット


kagi.comを使ってのシェアウエア事務処理を自動化するソフトがリリース

Split Softwareよりシェアウエア作家向けのソフト「MacSharewareOffice」がリリースされた。Ver.1だがβとなっている。シェアウエアでシングルユーザライセンスが29.95ドルだ。ボリュームディスカウントもある。シェアウエア作家の多くは、kagi.comを利用してシェアウエア料金を徴集している。MacSharewareOfficeを使えば、kagi.comから送付される入金のお知らせのメールを受け取り、必要な情報を抽出して、返答メールを作成することができる。また、シリアル番号生成ソフトとAppleEventで連係することで、自動的にシリアル番号を入金者に送付すると言うこともできる。つまり、シェアウエアの事務処理を効率化するソフトということだ。

関連リンク:MacSharewareOffice
カテゴリ:アプリケーション


再配布制限のないインストーラ作成ソフト、Mac OS Xへの対応も

Public Access Softwareは、インストーラ作成ソフトの「MacInstall Ver.1.1」をリリースした。アプリケーションなどのインストールに加えて、ファイルをシステムフォルダないの各種フォルダにインストールする機能も織り込める。$20のシェアウエアだが、作成したインストーラについての再配布に関する制限がないのが特徴と言えるだろう。Mac OS Xに対応したバージョンもリリースされている。

関連リンク:MacInstall
カテゴリ:開発ツール


Technical Q&AにOpen Firmware関連の文書が公開

Technical Q&Aに、Open Firmware関連の文書が公開されている。以下はその文書へのアドレスと要約だ。

◇HW86:Open Firmware device tree nodes
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw86.html
Open Firmwareのデバイスツリーにある@n(nは整数)の記述についての説明がなされている。これはIEEEの規格に定められた表記の方法であることが開設されている。

◇HW87:PCI Macintoshes and CardBus controllers
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw87.html
古いPCIのMacintoshではCardBusコントローラを認識しない。これは発売当時まだクラスコードが割り当てられていなかったためでもある。

◇HW88:The "chosen" node in the device tree
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw88.html
chosenノードは、実行時に選択されたか指定されたパラメータが設定されている。

◇HW89:The "/aliases" node in the device tree
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw89.html
デバイスツリーの/aliasesノードには、デバイスを参照するためのエイリアス名が登録されている。

◇HW90:The "packages" node in the device tree
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw90.html
デバイスツリーのpackagesというノードにはさらに下位項目があって、各種デバイスが利用できるパッケージが集められている。

◇HW91:PCI class codes
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw91.html
PCIクラスコードは、デバイスのコンフィグレーションスペースを登録するのに使う。

◇HW92:How many PCI header types exist today?
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw92.html
PCIヘッダタイプは3つあり、Type1がPCI-to-PCIブリッジ、Type2がCardBusでそれ以外はType0となっている。

◇HW93:The "green" PCI bus
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw93.html
Greenとは省エネルギーのことを意味しており、それについての解説がある。

◇HW94:PCI address/data stepping
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw94.html
「PCI address/data stepping」はAppleはサポートしない。

◇HW95:Open Firmware and the devalias node
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw95.html
devaliasノードの内容が機種によって違うのは、機種ごとに異なるASICを使っているからである。

関連リンク:Technical Q&A What’s New
カテゴリ:Technical Q&A, 周辺機器