メトロワークスの記事は2つに分かれていますが、英語版の記事を書いた時には日本での発表前でしたのでした。日本語版はその後に発表された内容だけを書きましたので、内容はそれぞれ総合して読んでいただけるでしょうか（順序は逆ですが）。それから、「EOFのObjective-C版ランタイムはMac OS X Public Beta版には含まれない」という記事は何やら意味深長です。原文は短いものですが、2000年10月に何やらアナウンスがあるそうです。WebObjects 5は完全にJavaになるので、つまりはEOFのJava版というものが開発されていて然りなんですが、どうやらすでにPublic Betaにはそれが入っているのではないでしょうか。でも、なんらかの形でObjective-C版を残すとは言え、それが必要なのは開発者だけでしょう。特に、NeXTからの開発者やあるいはWebObjectsの開発者です。だから、10月にアナウンスされるものというのは、開発者向けの何かに他ならないと思います。10月には日本語版もリリースされるとか？ 何やら本格的な動きが9月ではなく10月にあるのじゃないかと思ったりもします。
AppleはAmazon.comからビジネス特許として有名になったワンクリックの特許と商標ライセンスを受けて、AppleStoreでのユーザビリティ向上を目指すそうです。また、本日より、iMovie2の販売が開始されます。さっそく買いに行こうと思いますが、同じことを考えている方もいらっしゃることでしょう。もっともオンラインショッピングでは、お店で誰かとばったり出会うことはないでしょうけどね。
（新居雅行 msyk@mdonline.jp）
日本のメトロワークスは、CodeWarriorの次期バージョンVer.6の発売をリリースした。発売日は10月6日で、Macintosh版、Windows版がそれぞれ72,000円、アカデミック版が28,000円となっている。MacないしはWin版のいずれかを持っている場合には、もう一方のプラットフォーム対応版を「プラスキット」を24,000円でCodeWarriorセンターで購入できる。コーポレートライセンスやアカデミックライセンスもある。
関連リンク：「CodeWarrior for Mac OS日本語版バージョン6」「CodeWarrior for Windows日本語版バージョン6」を発売
カテゴリ：CodeWarrior
米国Metrowerks社は、Mac OS Xに対応した開発ツールCodeWarrior Professional Edition Ver.6の販売を開始した。Macintosh版およびWindows版をそれぞれ出荷している。Macintosh版は、統合開発環境がCarbon化されており、ユーザインタフェースはAquaを利用したものとなっている。アプリケーションフレームワークのPowerPlantは、Carbon対応のVer.2.1が含まれている。Mac OS Xアプリケーションのデバッグを1台のマシンでできる他、パッケージの生成にも対応した。なお、使用言語はC、C++であるが、JavaはMac OS 8および9でのみの対応となる。Mac OS Xの実行環境はPublic BetaではなくDP4となっている。価格は$499で、Mac版とWindows版の両方を購入すると$699となっている。
なお、日本向けには、Ver.6は10月初旬のリリースとなっている。また、以前のバージョンのCode Warrior利用者や、Discover Programming利用者に対して、Ver.6へのアップグレードを2000年12月31日まで行っているので、古いバージョンを持っているユーザで久々にアップグレードしようと考えているのであれば、条件のいい今年中のアップグレードを考えた方がいいかもしれない。また、サポートも今後は有償になるが、2000年9月30日までにアップグレードすれば従来通り1年間の無償サポート対象になる。
◇メトロワークス（日本）
http://www.metrowerks.co.jp/
関連リンク：Get ready... get set... get CodeWarrior
カテゴリ：Java, Carbon/CF, Mac OS X, 開発ツール, CodeWarrior
Tech Info Libraryに掲載された文書によると、Mac OS XPublic Betaには、Objective-C Enterprise Object Framework（EOF）のランタイムは含まれていない。それは、Mac OS Xのリリース版で稼動する別のソフトウエアとともに供給されるとしている。そして、詳細は2000年10月までには明らかにするとしている。EOFは、現在はWebObjectsに含まれるものであり、データベース利用などを行うWebObjectsのコアとなる機能を提供するフレームワークだ。しかしながら、Cocoaの重要な要素であるので、Mac OS X Public Betaに含まれていないとは思われない。未確認ではあるが、EOFのJava版のランタイムはMac OS X Public Betaにあるのではないかと思われる。以上のような状況を考えれば、若干飛躍になるが、近々、WebObjectsなどを含むMac OS Xの開発環境か、あるいはサーバ環境に関するアナウンスがあるものと想像できる。
関連リンク：31253 - Mac OS X Public Beta: Enterprise Object Framework Runtime Libraries Missing
カテゴリ：Knowledge Base（旧TIL）, WebObjects
Tech Info Libraryに現在公開されているMac OS X Public Beta関連の文書のうち、ネットワークに関連するもののアドレスと要約は以下の通りだ。
◇58722 - Mac OS X Public Beta: AirPort Networking Not Available
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58722
AirMacはPublic Betaではサポートされていない。将来のバージョンではサポートされる。
◇31245 - Mac OS X Public Beta: Restart the Computer After Changing the Network Configuration
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31245
ネットワークの設定を変更した場合、システムは再起動しなければならない。
◇58724 - Mac OS X Public Beta: What is a Host Name?
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58724
Mac OS 9にはなかったHost Name（ホストネーム）というものの考え方について説明されている。これは、TCP/IPネットワークにおけるコンピュータを識別する名前である。しかしながら、一般にはDNSサーバに登録されることで名前として意味が出てくるため、同じ名前を正確にタイプするのが基本だ。もし、分からない場合には、IPアドレスをそのまま使うのも1つの手である。
◇31247 - Mac OS X Public Beta: AFP Server Drop Box Error
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31247
AppleShareファイルサーバのドロップボックス（サーバのエイリアスのことと思われる）にファイルをドラッグ&ドロップしてサーバにコピーしようとしてもエラーが出ることがある。これはサーバに書き込みの設定がなされていないからである。
◇58717 - Mac OS X Public Beta: Cannot Connect to AFP Server
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58717
AppleShareファイルサーバをマウントしようとしてもエラー��出ることがある。これは、それより以前にオーディオCD、UFSのサーバ、あるいはWebDAVサーバに接続した場合に発生する症状である。まず最初に、AppleShareサーバに接続しておけば問題なく利用できるが、エラーが出たらMac OS Xを再起動する必要がある。
◇60744 - Mac OS X Public Beta: How to Connect to a WebDAV Server
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60744
Web Based Distributed Authoring and Versioning（WebDAV）はHTTPの拡張としてサーバ上のファイル管理機能を提供するもので、Webサーバの代表であるApacheでは追加モジュールで対応している。FinderのGoメニューからConnect to Serverを選択し、アドレスにhttp://を加えて指定をすることで、接続することができる。するとファイルサーバと同様にデスクトップに表示される。
◇60746 - Mac OS X Public Beta: Files on a WebDAV Server Disappear
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60746
WebDAVサーバに接続してフォルダの中身を見ても、本来はファイルがあるはずなのに何も見えないことがある。そのときは、いったんサーバとの接続を切って再度接続することで見えるようになる。
◇60745 - Mac OS X Public Beta: Finder Displays Alert Box When Deleting Files on a WebDAV Server
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60745
WebDAVサーバからファイルを削除した場合、操作が完了しないというメッセージが出る。実際に削除するには、ゴミ箱を空にしなければならない。
◇60735 - Mac OS X Public Beta: No Passive FTP Setting
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60735
FTPのパッシブモードの設定はない。Mac OS 9にはあったものだ。（システムレベルでFTP処理を行う場合にはパッシブモードは使えない可能性が高い。ただし、コマンドラインでFTPサーバにアクセス可能な状況ではその限りではないと思われる。）
◇60739 - Mac OS X Public Beta: How to Turn on AppleTalk
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60739
AppleTalkをデフォルトで使用するようにする設定方法が記載されている（インストーラでの既定値は使用しないになっている）。System Preferencesを利用し、Networkのアイコンを選択して作業する手順が説明されている。設定後は再起動をする。
◇58725 - Mac OS X Public Beta: DHCP Client ID Not Available
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58725
Mac OS 9にあったDHCPクライアントIDの設定は、Mac OS X Public Betaではサポートされていない。
関連リンク：TIL Archive
カテゴリ：Knowledge Base（旧TIL）, Mac OS X, ネットワーク
Tech Info Libraryに現在公開されているMac OS X Public Beta関連の文書のうち、アプリケーション利用に関連するもののアドレスと要約は以下の通りだ。
◇106001 - Mac OS X Public Beta: Open and Save Dialogs Default to a User’s Documents Folder
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n106001
マルチユーザ機能を持つMac OS XではUsersフォルダにアカウント名と同じ名前のフォルダを作り、そこをユーザの「ホームディレクトリ」とする。一般にはホームディレクトリ以下はそのユーザしか読み書きができなくしておき、他のユーザの利用領域と分離する。従って、ユーザ作った文書ファイルはホームディレクトリより内部に保存する必要があるが、そのためにDocumentsフォルダが用意されており、ファイルを開くあるいは保存するときのダイアログボックスの既定のフォルダはDocumentsフォルダとなっている。（なお、フォルダとディレクトリは同義に考えて良いが、この文書では両方の用語が登場している）
◇60736 - Mac OS X Public Beta: How to Keep All Files in Your Documents Folder
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60736
Mac OS Xネイティブのアプリケーションでは通常はホームディレクトリにあるDocumentsフォルダにファイルを保存するようになる。しかしながら、Classic環境下で稼動するアプリケーションでは、保存や開く場合の既定のフォルダはDocumentsフォルダにはなっていない。そこで、デスクトップから、起動ディスクのUsersフォルダ、アカウント名のフォルダ、Documentsフォルダとたどって、規定の場所にファイルを保存するようにしなければならない。
◇60750 - Mac OS X Public Beta: Mail Application Does Not Import Contacts
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60750
電子メールアプリケーションのMailは、別の電子メールのアドレス帳を読み込む機能をサポートしていない。
◇60749 - Mac OS X Public Beta: Mail Application Unexpectedly Quits
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60749
付属する電子メールソフトのMailが使用後約1時間ほどで突然何の前触れもなく終了してしまうことがある。その場合の対処方法が手順とともに記載されているが、Sherlockのインデックス作成に問題がある模様だ。
◇58718 - Mac OS X Public Beta: Unable to Move Mail From Inbox
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58718
電子メールソフトのMailで、Caps Lockキーが押されたままになっていると、InBoxから別のフォルダにメールをドラッグ&ドロップして移動できない。
関連リンク：TIL Archive
カテゴリ：Knowledge Base（旧TIL）, Mac OS X
Mac OS XのPublic Betaはリリースしたけど、まだ手に入らない。だけど、少しでも情報が欲しい？ もちろん、各社のオンラインマガジンや個人サイト、メーリングリストでも話題は得られるが、以下のWebページの末尾にある「Additional Resources:」の部分にあるPDFファイルはMust Check!なドキュメントだ。「Mac OS X Public Beta FAQ」はQ&A集ではあるが、初期のPowerBookで利用できないことなどはここに書かれていた。「Mac OS X Public Beta White Paper」はオーバービュー的な内容であり新しいことはないとは言え、マルチタスクなどの新しいテクノロジーに付いて簡潔に説明されている。また、Mac OS Xに添付されているアプリケーションの一覧もあり、PPP接続のためのアプリケーションがあることなども確認できる。「Welcome to Mac OS X Public Beta」は実際に使った気にさせてくれるドキュメントだと言えるだろう。画面ショットと基本的な操作がうまくまとめられている。こうしたPDFをながめるしかないというのもちょっと悲しいことではあるが、少しでもMac OS X Public Betaに触れたいのなら、即ダウンロードして開いてみよう。
関連リンク：Mac OS X: Getting Started
カテゴリ：アップルからの開発資料, Mac OS X
ADC（Apple Developer Connection）のPremierとSelectメンバーには、2000年9月18日よりMac OS X Public Betaが出荷されることが表明されていたが、そろそろ発送が開始されたであろうか？ 以下のサイトを見る限りでは、どうやらデベロッパには2枚のCD-ROMが配付されるようだ。1枚は、9月13日からApple expo 2000の会場やあるいはAppleStoreで販売されている一般ユーザも入手できるPublic BetaのCD-ROMである。さらに、開発ツールなどを含む「Mac OS X Public Beta Developer Tools」のCD-ROMが別途用意されている模様だ。
なお、少し前から、ADCのSelect会員の入会費用が$400と値下げされている。Selectメンバも守秘義務があるものの、Mac OS X Public Betaを日本にいていち早く入手する方法としてはこれしかないというのも実情だろう。これを機会に入会したという人もちらほらと聞かれる。「Mac OS X Public Beta Developer Tools」に関しては、10月中旬にADCメンバだけがダウンロードできるように公開される。Public BetaのCD-ROMは起動可能なCD-ROMでなければならないので、アップロードはされない予定とのことだ。
関連リンク：Developers & Mac OS X Public Beta
カテゴリ：アップルからの開発資料, 開発ツールその他, Mac OS X
2000年9月18日のMDOnlineで「Mac OS X ServerでDesktop DBで多大な処理負荷がかかるときはデスクトップを再構築」という記事をお届けしたが、どういった状況で発生するのかについて、読者の方より情報をいただいたので紹介しよう。実際にこの症状に出くわした場合というのは、次のような状態のときだ。もちろん、Mac OS X Server側ではHFS+フォーマットしたドライブがあって、AppleShare File Server機能が働いている。そのサーバに対して、Mac OSをクライアントとしてアクセスする場合、そのMac OSでファイル共有の機能が働いている状態であるとする。そのとき、Mac OS X Server側で突然Desktop DBのプロセスに時間が食われるようになり、何もできないに等しい状態になるそうだ。ただし、こうした症状がファイル共有を使っているMac OSで接続した時に必ずなるわけではなく、何かのきっかけでログオン時に発症するということだ。Mac OS X Serverに接続するクライアントのMac OSでは、可能な限りファイル共有の機能を切っておくのが無難だろう。
カテゴリ：