Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年9月28日発行号 - Public Betaファーストインプレッション



次の次の日曜日と月曜日、福岡でアニーズさんのセミナーがあり、私も講師として登場させていただきます。アニーズさんだけに、NeXT系の方が多く、Cocoa系の話が多くなりそうです。だからということもあるのですが、私は、CarbonやJavaも交えて、Mac OS Xの開発的要素をバランス良く話をしようかと思っています。ポイントは「フレームワークベースでの開発」という話しですね。その線で行けば、Cocoa、Carbon、Pure Javaという切り口があるわけです。もちろん、ミックスもできますけど、最初にどれにフォーカスするかということが大きな問題となるでしょう。サーバ開発とスタンドアロン開発という切り口も考えましたけど、なんだかWebObjectsを前にしてはほとんど意味のない区分のように思えます。他にはドライバ開発とかいったローレイヤの開発もありますね。それから、BSDベースで動くオープンソースをもとにしたものという線も考えられます。ま、だけど、フレームワークベースでの開発といった切り口で話をしていけば、おのずと見えてくる面があるでしょう。思うのですが、Cocoaはもちろん魅力的ですけど、現在のMac OS環境のデベロッパとしては、Carbonはとっても魅力的なのではないでしょうか。Carbonはもはや互換フレームワークではなく、独自に発展しそうな勢いです。その発展に対して、ちょっとずつ対応するということも可能なので、現存の資産をいつまでも生かすることができるでしょう。1から開発するとなるとCocoaと思っていましたけど、もし、Mac OSやあるいはPower Plant経験があるのなら、今から作るものでもCarbon版を目指すのは決して間違いではないと思いますが、いかがでしょうか。…などと言いながら、講演の内容を検討していたりして(笑)。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


【小池邦人のプログラミング日記】2000/9/28<Mac OS X パブリックβ版 ファーストインプレッション>

いや〜お待たせしました。待ってました(笑)ADCのSelect Memberへの発送が開始されていたMac OS X Public Beta版が、我が家にもようやく届きました。とりあえず1日使い込み、自作のCarbon化アプリケーションの起動と動作確認をしてみました。嬉しいことに、今年のWWDCで配布されたDP4(Developer Preview 4)版と比較して格段に安定しております。とは言っても、まだまだ色々と秘密がありそうなので、Carbonアプリケーションの開発に関わるテストは継続して行いたいと思います。Metrowerks CodeWarrior Pro 6も来月にはやって来ますし、秋から年末にかけては忙しくなりそうです。

Mac OS X パブリックβ版のパフォーマンスはDP4と比べて大変に良くなっています。しかし、完全に最適化されているわけではないようです。試しに「StarWars Episode 1」のQuickTime Movie(640x288ピクセル Sorenso Video)をMac OS X Public BetaをインストールしたPowerMac G3 450MHzで再生してみました。モニターが32,000色の場合にはスムーズに再生しますが、1,600万色では映像が所々引っかかります。同マシンのMac OS 9ではスムーズに再生できますので、QuickTimeや描画に関してはさらなる最適化が必要でしょう。現状ではユーザを満足させることは無理だと思います。

エディターのテキストスクロール等は高速なのですが、ビデオカードのアクセラレーションのON/OFFは判断できません。とりあえず、DP4との比較では描画速度は相当に改善されています。ちょっともたついた感じがするのは、ウィンドウのLive Zoomの時ぐらいでしょうか? PowerMac G4 450MHzでの操作感と比較すれば、Velocity Engineに対するQuartz(Mac OS Xの描画エンジン)やQuickTimeの最適化具合いも分かるかもしれません。Appleの関係者が、Quartzに関してはVelocity Engineに対して最適化を行っていると話していますので、それを信じることにしましょう。ネットワークはAppleShare IP 6 Serverとデータをやり取りする分には、Mac OS 9上と同じパフォーマンスが出ました。(少し遅い?)OS標準のファイル共有では、今までのMac OS 9よりもかなり良い結果が出るのではないでしょうか?ネットワークやその他I/Oに関する最適化も、これからが勝負どころのようです。

待望のMac OS Xパブリックβ版でしたが、一通り操作しで見ると、思っていたより良いできです。Multi CPUのPowerMac G4では操作感がどのくらい向上するのか?無性に試してみたくなってきました(笑)ちなみに、我々デベロッパーはDP4を3ヶ月以上利用してきています。たった一日のつき合いですが、DP4やMac OS 9と比較して、今回のMac OS Xパブリックβ版のどんな所が「良い子」なのか?「悪い子」なのか?私の主観で感想を列記してみたいと思います。

(続く)

関連リンク:オッティモ
カテゴリ:Mac OS X, 小池邦人のプログラミング日記


<Mac OS X パブリックβ版 ファーストインプレッション>続き

【良い子の理由】

・蹴ろうが叩こうがまったく落ちない

Classic環境でMetrowerks CodeWarriorを使い、開発途上の自作アプリケーションを何十回とクラッシュさせたのですが、システム自体が落ちることは一度もありませんでした。これが最大のメリットでしょう。

・Classicモードもかなり安定している

相性の悪い機能拡張をインストールしていなければ、かなり使えます。マスコットも美しく動きます(笑)がしかし、このMac OS Xのバージョンでは日本語名のClassicアプリケーションが起動できません?(英語名に変更すればOK)何故でしょうか?また、いちいちMac OS 9を起動するのは時間もかかり面倒なので、Vertual PCみたいに、そのままシステムイメージをセーブしておいて高速復帰はできないものでしょうか?

・フォルダークリックで新ウィンドウオープンのモードが付いた

DP4までは、オプション押しながらしクリックしないと新ウィンドウはオープンしなかったのです。今回からは、内容書き換か新ウィンドウオープンかを、ちゃんと選択できるようになりました。現状Finderへのちょっとした歩み寄りですね。

・ToolBarが隠せるようになった。

Finderウィンドウの上部のToolBarが隠すことができるようになりました。これもわずかながらの歩み寄り...。ついでに、その下の階層メニューの部分も隠せるようにしてほしいものです。

・Finder処理でUndoが利用できる

これはなかなか画期的?ファイルのコピーや移動の取り消しが可能です。

・Finderでカラムタイプの表示ができる

色々言われているファイル表示タイプですが、あればあったで便利だと思います。必要でなければ使わないだけですし。

・Appleicationメニューが小アイコンに変更できるようになった

Appleicationメニューとは、Mac OS 9のAppleメニューの場所を乗っ取ったメニューです。DP4の時には、アプリケーション名が長い場合には邪魔だったのですが、表示を小アイコンに変更できるようになりました。Appleマークのアプリケーションを作れば昔と同じ見栄えになります(笑)

・スリープからの復帰がメチャクチャ速い

コレは本当に高速です。1秒での復帰は嘘ではありません。(本当にスリープしてるのか?)ただし、PowerBook G3では試していません。

・Dockがさらに派手になった

良くも悪くも派手なDockであります。これしかないので使うしかないでしょう...。

・Conenect to Serverメニューの追加

ついにネットワークブラウザが標準になったわけです。特別便利になったわけではないのですが、長い間お世話になったセレクターとの決別です。

・多国語への対応が進化

英語版でも表示対象として日本語を選んでおけば、ファイル名とかは文字化けしません。しかし、アプリケーションによってはウィンドウタイトルが化けたりする場合もあるようです?

・シングルウィンドウモードが無くなった。

ドラッグ&ドロップをいったいどうするの?と言う心配が解消されました。

【悪い子の理由】

・Appleメニューが無い

旧ユーザ最大の不満はここに集中しております。あまりにも不満が多いので、ひょっとしたら最終版では復活したりして...(笑)Dockではカバーできない良さがあるのに(涙)きっとApple以外から幾つもの補完ユーティリティが出るでしょう。(もう出ている)

・コントロールバーが無い

これも上に同じ。Apple側としては同じことを実現するのに色々な方法が混在しているのが嫌なのかも?ユーザ側は嫌じゃないのに...。

・Applicationスイッチメニューがない

これも上に同じ。Dockを使えという事らしい。最低でも、Applicationメニューの項目に、現在オープンしている全アプリケーション名を加えてほしい。

・メニュー項目のセパレーションラインが無い

これがないとメニュー項目のグループが非常に分かり難いと思うのは私だけでしょうか?

・Finderウィンドウの幅が小さくできない

階層メニューやタイプ切り替えボタンが邪魔で、FInderのウィンドウの横幅が一定以下に小さくできません。これは困った!フォルダ内リストを細長く表示することが不可能になってしまいました。

・Finderウィンドウのタイトルがみんな「Finder」(笑)

今まで通りフォルダの階層名を表示してくれないでしょうか?まあ、その下のポップアップメニューには階層名が表示されているのですが、非常に分かりづらいです。プロキシアイコンの立場はどうなるのだ?

・フォルダーナビゲーション、ウィンドウシェイド、ポップアップウィンドウがない

フォルダーナビゲーションは後から付くかもしれません。ウィンドウシェイドは代わりにDockに入ってしまいます。その場に残しておきたい人は困ります。ポップアップウィンドウはDockの場所とも重なるし、なんとかDockで代用できるでしょうか?

・カラーラベルが無い

すごく不便なのですが、ソート用のリスト項目としては存在しているので、そのうち実現されるのかもしれません。

・Dockが下にしか置けない

モニター画面は上下より左右の方が広いわけだから、右側や左側にDockが置けるオプションがあっても良いのではと思ったりします。

・ゴミ箱がデスクトップに置けない

う〜ん、Dockから外に出せても問題ないと思うけど?ゴミ箱がDockに入っている限り、Dockの機能は切れないわけだし...。

・Apple Talkの切り替えにシステムリスタートが必要

これは改善されるかな?

・ネットワークボリュームをエイリアス化して一発マウントできない

これは、私のやり方が間違っているのかも?でも、できない(涙)ところで、ルートにある地球型の「Network」の存在理由は何なのでしょうか?

・アイコンの並びが崩れる、日本語名ファイルが削除できない、アイコンドラッグが無謀

この辺はバグでしょう?日本語名のClassicアプリケーションが起動できない現象と関係しているのかも?Finderは、ドラッグ時に300ぐらいアイコンがセレクションされていても、それを全部半透明のPixMapに変換しようとします。そりゃ無謀です。せめて上限を付けましょう。

・Command+Shift+3でスクリーンダンプが取れない

代わりに「Grab」ってアプリが付いてますけど...。

・真ん中のAppleマークがじゃま

みなさん、そうは思いませんか?(笑)

と言ったところでしょうか?中にはバグか仕様か判断できない現象も多々あります。商品版として仕上げるには、まだまだ乗り越えなければいけないカベがありそうですが、Carbonアプリケーションを安定して試せる環境が存在するのは非常に助かります。さらに使い込んでAppleへのフィードバックを心掛けたいと思います。
[小池邦人/オッティモ]

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福岡で開催されるMac OS Xのセミナーのプログラムがほぼ確定

アニーズ・クラフトは、Mac OS Xに関するセミナー「MacOS X セミナー in 福岡」を、2000年10月8日(日)〜9日(月)に、福岡市のスカラエスパシオで開催する(MDOnlineでは2000年8月31日に既報)。この話題の続報をお届けしよう。まず、セミナーは有償だが、展示ブースも設けられ、そこは無料で入場できる。アニーズはもちろん、沖データや、Macお仲間探偵団などのユーザグループの展示も見られる。特にアニーズのブースでは「BGCD-X (The Big Green CD for MacOS X)」が\3,000で販売される予定だ。NeXT向けにパッチやソフトウエアなどを詰め込んだCD-ROMとして好評だったBGCDシリーズがMac OS X向けにリリースされた。300枚限定で販売される。セミナー参加者には、OPEN BASE Developer版をはじめ、Miracle Linux、Oracle 8iのCD-ROMやTシャツなどの記念品も配付される予定だ。参加費は前売りが10,000円、当日が15,000円となっており、いずれも2日間の通し券となっている。
1日目のセッションは、Galapagos Systems代表佐藤徹氏による「MacOS X概要」、シスコシステムズの塩崎英司氏による「Ciscoネットワークソリューション」、大座畑重光氏による「21世紀の情報航行支援」、ヘリオグラフの渡邊大介氏による「OPENBASE RAD STUDIO」、NeXTユーザ会竹尾哲也氏による「Cocoaかんたんプログラミング」、NeXTユーザ会水野隆一氏による講演が行われる。2日目は、Skylee Pressのアーサ・C・カイル氏による「NeXT, Be, MacOS X」、MDOnline新居雅行による「MacOS Xのソフトをどう作るか」、オープンテクノロジーズ小川信幸氏による「X for OS X、iTools for OS X」、NeXTユーザ会白山貴之氏による「Darwinプロジェクト」、ミラクル・リナックス松谷光男氏による「Miracle Linux + Oracleで作るデータベースサーバ」、沖データ下藤和俊氏による「沖データカラープリンティングソリューション」アニーズ・クラフト案浦浩二氏による「MacOS Xのサーバ構築」といった講演が行われる。1日目の夜には明代皇帝宝船鄭和を借り切っての懇親会(参加費5,000円)が計画されている。Mac OS Xに関連する技術的なセミナーで、オープンで開催されるものとして日本で最初のものとなる。NeXT時代からのベテランを中心に組まれたセミナーであり、NeXTを知らないMacユーザにとっては得難い情報収集のチャンスになるであろう。

関連リンク:MacOS X セミナー in 福岡
カテゴリ:Mac OS X, イベント


Tech Info LibraryにMac OS X Public Betaに付属マニュアルのPDFを紹介

Tech Info Libraryに、Mac OS X Public Betaに付属する文書のPDFファイルのありかが記載されている。いずれも、MDOnlineでは文書内容については2000年9月19日号で既報であるので、詳細は省く。なお、ADCメンバにはCD-ROMだけが発送されてきているため、文書を参照したい場合にはダウンロードすると良いだろう。なお、以下の文書にはPDFファイルのアドレスは紹介されているが、HTMLのハイパーリンクになっていないので、テキストをコピー&ペーストするしかない。

◇43089 - Welcome to Mac OS X Public Beta PDF Document
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n43089
◇43087 - Mac OS X Public Beta FAQ PDF Document
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n43087
◇43088 - Mac OS X Public Beta White Paper PDF Document
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n43088
◇43086 - Mac OS X Public Beta Installation Notes
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n43086

関連リンク:TIL Archive
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X


Open Firmwareでのバージョンやメモリバスのクロックスピードの確認方法

Technical Q&Aで、Open Firmware関連の文書が更新されている。以下はアドレスと要約だ。

◇HW96:Open Firmware version number
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw96.html
Open Firmwareのバージョン番号は固定されていて変わらないということが説明されている。

◇HW97:Open Firmware Memory bus speed
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw97.html
Open Firmware上で、メモリバスのクロックスピードを求める方法が説明されている。コマンドの入力例で示されている。

関連リンク:Technical Q&A: What’s New
カテゴリ:Technical Q&A


iMovie 2.0.1アップデータでのファイルが見つからないというエラー

Tech Info Libraryに公開された文書によると、iMovie 2.0.1へのアップデータでファイルが見つからないというエラーが出る場合がある。これは、すでにiMovie 2.0.1がインストールされた状態になっている場合の症状であり、その場合は当然ながら、アップデートは必要がない。
なお、日本語版のiMovieは発売当初からVer.2.0.1であるため、アップデートの必要はなく、また、日本語版のアップデータも配付はされていない。

関連リンク:iMovie 2.0.1 Update "File not found" Error Message
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ビデオ編集


AirMacをケーブルモデムと使う方法を解説した文書が公開

Tech Info Libraryに、AirMacをケーブルモデムに接続してい利用する方法の文書が掲載されている。しかしながら、核心については、別途配付されている文書の「Designing AirPort Networks」を参照することとなっている。この文書へのリンクもある。

関連リンク:AirPort: How to Set Up Bridging When Using a Cable Modem
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク