Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年10月12日発行号 - MRJ 2.2.3日本語版



MDOnlineを発行しながらも、ライターとして食っている私はいろいろなところから原稿の依頼が来ます。ある、大手新聞社としておきますが、そこに原稿を書く仕事が来ました。日商のビジネスコンピューティング検定、通称「ビジコン」などと呼ばれているものです。この試験は、一言で言えば、Excelをしっかりとビジネス現場で使えるかといったことを問うもので、3級は比較的簡単ながら、2級と1級はかなり難関です。いずれにしても、今時のビジネスマンは、データを集めて表計算ソフトでグラフを作ったり、あるいは分析を進めるようなことができないといけないというのが試験の背景にあります。3級だと指定された文書作成ですが、級が上がるにつれて分析能力、さらには提案能力まで問われるということです。単に、パソコンが使えるだけでは合格しない検定試験でもあります。こうしたことをつらつらと書いて、いつものようにメールで原稿を送ろうとしていたら、何と電話がかかってきて、「紙で原稿が欲しい」というのです。えーっと思ったけど、ファクスでいいのかと言えば、ファクスならかまわないけど、とにかく紙で欲しいと…。向こうは電子メールのアドレスすら知らせてこなかったので、ちょっと悪い予感はしていたのですが、まさか紙ですか。電子メールアドレスがないとは思えない大手新聞社なんですけどね。いやー、コンピュータ系の雑誌とかにしか原稿を書いていないので、ほんとに紙で出した原稿って、何年ぶりだろう? いや、ロカースに入ってこの仕事を始めた段階で、パソコン通信は当たり前の時代だったら、紙で提出って数えるほどです。昔ならともかく、ITだなんだと大騒ぎしている(その、まさに、している新聞なんですが…)時代に、メールでなく紙で欲しいというのはあまりに凄いと思いました。ビジコンの主旨は現場レベルでのパソコンの使いこなし…みたいなこともあって、そうした内容の原稿をファクスで送ったわけです。これを読む担当者は何も考えないのかなと思うけど、考えないから紙で欲しいというのでしょうか。それとも社内事情があるのでしょうか。よく分かりませんが、少なくともコスト面効率面で、なんでそんなことをするのか理解できません。インターネットだって常時接続しているでしょうに。MDOnlineの購読者の方々だと、信じられないことだと思いますけど、下手をすると大手の会社でも構造的にはこうしたことは当たり前だったりするかもしれません。古くからのやり方を変えないとか…。こんなことではメディアの興亡に乗り遅れるぞと思ってしまうんですけどねぇ(あ、言ったに等しいか…)。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


MRJ 2.2.3の日本語版がリリース

MRJ 2.2.3の日本語版の配付が開始されている。Ver.2.2.3では、Jarファイルのキャッシュ機能や、コンポーネントでの日本語処理の問題などを改良した。ただし、JDK 1.1.8の実装である。Mac OS 8.1以降で利用できる。Mac OS 9以降のユーザはソフトウエア・アップデートを利用すると良いだろう。

関連リンク:Mac OS Runtime for Java (MRJ) 2.2.3
カテゴリ:Java


MRJ 2.2.3から加わったJarファイルのキャッシュの機能の説明

Technical Q&Aに、MRJ 2.2.3に組み込まれたJarのキャッシュの機能についての説明が掲載された。MRJ(Mac OS Runtime for Java)2.2.3より以前のバージョンでは、Jar(Java Archive)ファイルのキャッシュの機能はブラウザのキャッシュとして働いているという意味では働いていた。しかしながら、2.2.3では独自のキャッシュ機能を搭載している。Jarファイルをネットワーク経由でダウンロードする時、更新されているかどうかをGET命令を送って調べて、更新されていればダウンロードし、されていなければローカルのハードディスクにキャッシュしたファイルを利用する。初期状態では、「初期設定」フォルダのMRJ CacheフォルダにJarファイルが保存される。最大で100MBまでの上限が設定されている。また、キャッシュをクリアするにはこのフォルダをゴミ箱に捨てればよい。「機能拡張」フォルダのMRJ Librariesにあるlibフォルダの中のmrj.propertiesファイルの内容を編集することで、キャッシュの動作の設定ができる。たとえば、キャッシュするファイルの上限値や、キャッシュした結果を保存するフォルダ、ログの作成や場所などを記述することができ、その記述方法が掲載されている。

関連リンク:Java 27 - What is JAR caching, and how can I change the default settings?
カテゴリ:Technical Q&A, Java


Open FirmwareのdevaliasとCD-ROMブートのメカニズム

Open Firmware関連の文書がTechnical Q&Aに掲載された。devaliasは、デバイスへのパスを短く表現できるようにした別名である。たとえば、ハードディスクのパスは「/pci@f2000000/@d/mac-io@7/ata-4@1f000/disk@0」といったものだが、devaliasは「hd」といった具合だ。コマンドラインからはdevaliasコマンドで参照できる。起動時にcキーを押したままにしておくと、Open Firmwareは「cd」という名前のdevaliasのデバイスを探し、そこにCDが挿入されていて起動可能であれば、起動を行うという仕組みになっている。

◇HW98 - Why didn’t I boot from the CD?
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw98.html
◇HW99 - What is an Open Firmware devalias?
 http://devworld.apple.com/qa/hw/hw99.html

カテゴリ:Technical Q&A


4Dのプログラム言語でページ記述を行うプラグインがリリース

Automated Solutions Groupは、データベースソフトの4DをWebサーバにして、HTML内にスクリプトを埋め込む形式で4Dの各種の処理ができるようにするプラグイン「Active 4D」をリリースした。2000年11月に正式リリースされるが、プレビュー版がすでにリリースされている。Active 4Dのスクリプトは、4Dのスクリプト言語の上位互換となっている。つまり、HTMLファイルの中に4Dのプログラムがそのままに近い形で記述できるため、データベース単体でプログラムをチェックしたものをそのままWeb公開向けに利用できるといったメリットがある。また、4Dデベロッパにとってはなじみの深い4Dの言語でWebページ作成ができることにもつながる。Macintosh版とWindows版が用意されており、開発版のライセンスはそれぞれ$395.95、デプロイメント版はサーバごとに1年単位で$695.95の使用料となっている。

関連リンク:Active 4D
カテゴリ:サーバー関連, データベース