Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年11月29日発行号 - リクルートエイブリックでのWebObjects利用



昨日の『【SnapXShot制作記】キーセンスは意外に簡単にできたが…』で、CodeWarrior 6でうまくデバッグができないという話をしましたが、さっそく読者の方から、リモートデバッグの機能が効いていないのではという話をいただき、いろいろチェックしました。リモートデバッグの設定をいろいろやってみたのですが、やはりデバッグができませんでした…。リリースノートを見ると、シングルマシンでのデバッグでは、MetroNubXが起動するとあるのですが、ダブルクリックして起動してみても、すぐに終了してしまいます。また、DebugNubControllerを起動して、リモートでバッグを有効にし、自分自身に接続しようとしても、エラーを出して実行しないのです。「リモートダウンロードパス」とかはブランクにしているのですが、その辺りの設定方法をまじめに調べてから再度チェックすることにします。
【崖っぷちからWebObjects】ですが、同じネタで、前編・中編と来れば、今日は後編と思うところですが、 森下さんが体調不良ということで、今日はありません。急に寒くなってきましたので、みなさんも、お体に気をつけてください。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


日本で販売されているMac OS X Server 1.2もGigabit EthernetのG4対応

2000年11月28日に配信した『現行のPower Mac G4に対応したMac OS X Server 1.2v3がすでに米国では販売』という記事において、日本で販売されているMac OS X Server 1.2がGigabit Ethernet対応でないと記載したが、そうではなく、日本で販売されているものも、Gigabit Ethernet Power Mac G4対応だということだそうだ。訂正させていただく。
日本のAppleStoreだと、「M7733J/B」として\59,000で販売されているものが、Gigabit Ethernet G4対応となっている。ただし、バージョン表記は「1.2」のままとなっている。2000年10月末ごろより販売を開始しているとのことだ。

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リクルートエイブリック:就職情報のWebサイトをMacintoshで運用、WebObjectsとWebSTARを利用

人材紹介を行う株式会社リクルートエイブリックは、求人をしたい企業と、就職希望者の間を取り持つのが業務である。Webサイトの「キャリアスクウェア」で、誰でも求人情報を参照できるようになっているが、びっしりと文字が並ぶWebサイトに募集内容やそれに関わるさまざまな記事が掲載されている。このサイトはおおむねMacintoshだけで開発し、運用されている。そして、アプリケーションサーバにはWebObjectsが使われているのである。
リクルートエイブリックの実績は、求人数が2000年9月末時点で約3万名となっている。登録者数は1999年度で約2万8500名、紹介実績は1999年度で5632名だ。そのリクルートエイブリックのWebサイトであるCarrerSquareでは、求人情報や記事がジャンルごとに分けられて、自分の就職したい業種を選び、そこから実際の求人情報を抽出して表示している。こうした求人情報や記事は、もちろんデータベースに登録されて公開されることになる。求人情報や記事のページを、スタティックなHTMLで作成していては多大な労力がかかるのは一目瞭然だ。データベースと連動して紹介業務と連動する形でシステム化を行い、Webサイトもダイナミックに生成するといったことで、実務が可能になると言えるだろう。データベースでは、求人関連や記事の情報だけでなく、そのレコードを公開するかどうかといったフラグや、公開期間といったデータも与えておき、一定期間に求人情報や記事がWebサイトで公開される仕組みとなっている。
公開サイトのシステムは、2台のPowerMac G4/450を用いたWebサーバ、さらに2台のPowerMac G4/450を用いたアプリケーションサーバ、さらに1台のPowerMac G4/450によるデータベースサーバからなる。インターネット側に見えているネットワークに2台のWebサーバマシンに加えてコンテンツ管理用サーバ(Power Macintosh G3/DT266)が稼動している。そして、それらと切り離した内部ネットワークで、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、さらにPower Macintosh G3/MT300による運用管理サーバを働かせている。合計7台すべてがMacintoshという運用構成だ。
まず、アプリケーションサーバにはWebObjects 4.5を利用している。2台のマシンで負荷が分散されているが、いずれもメモリ640MB、ハードディスク20GBで、Mac OS Server 1.2Jという構成になっている。Webサーバには、WebSTAR 4.2を使いMac OS 9.0.4Jで稼動させている。WebSTAR用のWOAdapterを利用し、WebObjectsを呼び出す形式になっている。640M/18Gと576M/9Gといったメモリやディスク構成となっており、ディスクはいずれもUltra Wide 2 SCSIだ。WebサーバマシンにはIPNetRouterを入れて、プライベート側のネットワークと接続を行っている。データベースサーバは640MB/18GBのマシンにMac OS X Server 1.2Jを稼動させ、データベースにはFrontBase 2.1.8を稼動させている。QuickDNSを利用することでWebサーバの負荷分散やフォールトトレンラントも実現している。また、PageSecurityを使うことでWebSTARの稼動をチェックしてハングアップ時に自動再起動も実現している。

◇Macintoshで安全なシステム、WebObjectsでスケールアップ
こうしたMacintoshによるシステム化の理由として、リクルートエイブリック情報システム部WebMasterの石津広也氏は「セキュリティを確保することを考えると、Macintoshを使うことが他のOSを使うことよりもはるかに安全だ」と話す。また、Mac OS X Serverを利用することでの安定性確保も利用する目的に挙げた。Webサイトのシステムは、古くはファイルメーカーProとバトラーを用いたシステムを利用し、それを4th Dimension(4D)を利用したシステムに展開していたが、さらに今後のスケールアップを考えてWebObjectsで作り直すことにしたそうだ。Ver.4.5のリリースを受けて検討を開始し、仕様決定が2000年の8月初旬で、何とその段階から3.5人の人員で約1.5ヶ月という極めて短い期間で現在のシステムを作り上げている。ただし、今現在が同社の考える最終形態ではなく、就職希望者のエントリーシステムや、あるいは求人検索機能については、現在は4Dやバトラーを利用したシステムなどで稼動している。こうした機能についてもWebObjectsベースのシステムに今後は移行することも考えており、まだまだシステム移行の第一段階に過ぎないということなのだ。
開発を始めて稼動ができるまでは極めて短期間だったが、仕様を固めるまでがかなりの時間を費やした。それも、WebObjectsやOS関連のノウハウをこれからためるという段階だったので、検証や知識の学習にそれなりに手間取った。しかしながら、ある程度の知識を得てからは非常に効率的に開発ができるようになった。WebObjectsについても、開発者担当者の1人、エーテンの谷雅彦氏によると、「ウィザードは一切使わないで、1からプログラムを起こした」とのことで、短期間に十分なスキルを積んで開発に臨むことになったということだ。また、コンサルタントとして倉橋浩一氏も開発に参加し、プログラミング面でのサポートを受けた。また、リリース前にソースコードレビューを行い、パフォーマンス改善の対策などについて指摘を受けたそうだ。
ただし、WebSTARのWOAdapterの問題があって、一方のWebサーバは一方のアプリケーションサーバにしか接続しないようにもなっている。現状では負荷分散的に問題がある状態ではないものの理想的な状態とも言えない。こうした点も含めての改善も今後と課題として挙げている。
FrontBaseをデータベースエンジンに採用している点については、SQL言語が非常に素直な点と、不具合に対する対処を素早く的確に行ってもらえたというサポート面を挙げている。
また、将来的には基幹業務システムとの連動をWebObjectsを使って行うことも検討している。社内で使うソフトウエアについても、サイバーフレームワーク(サイバー・ラボ)の利用を検討しており、WebObjectsの利用範囲は今後も広げていく考えである。

(今回の取材では、記事中に紹介した以外に、株式会社ニックネーム・ドットコムの谷本靖氏、KDK, Inc.の河本公夫氏、有限会社福井文具店の福井浩之氏にもお話を伺った。)

関連リンク:リクルートエイブリック
カテゴリ:WebObjects


PowerPlantの機能を強化するライブラリがリリース、Carbonにも対応

Cafedericは、CodeWarriorに付属するフレームワークであるPowerPlantを補強するライブラリ「BasePlant」をリリースした。200を超えるクラス群からなる。階層的なデータブラウザや、AppleEventの送付、AppleScriptプログラムを呼び出すメニューの付加、ウインドウ関連のさまざまな機能の追加、初期設定関連の処理などを提供する。Mac OSでの利用はもちろん、Mac OS XのCarbonでの利用も可能となっている。商品やインハウスでの利用は$149、個人的な利用やフリーウエア、シェアウエアに対しては$35となっている。2000年中は割り引きで販売も行なう。PowerPlantの機能を手軽に拡張するにはちょうどいいツールだろう。PowerPlant利用者はどんな機能が追加されるのかをチェックしてみる必要がありそうだ。

関連リンク:BasePlanet Info
カテゴリ:ライブラリ


Classicでのネットワークブラウザではサーバへの接続機能は利用できない

Mac OS X Public BetaのClassic環境でのネットワークブラウザでは、サーバへ接続の機能は正しく動作しないことがTech Info Libraryで公開されている。ログインのダイアログボックスが繰り返し表示されてしまう。サーバに接続するには、セレクタを使うか、Desktopの機能を利用してサーバに接続すればよい。

関連リンク:Mac OS X Public Beta: Network Browser Connect to Server Does Not Work in
カテゴリ:ネットワーク, Classic


USBカードに接続したキーボードでは設定などが制約される

Tech Info Libraryに掲載された情報によると、USBカードによってUSB端子を増設したマシンにキーボードを接続した場合、Dvorakなどのキーボード配列に設定できない。もともと、USBカードによるキーボード接続については制限があることをReadMeで示している。USBのキーボードでキー配列が設定できない場合には、ADBのキーボードを使う必要がある。関連する機種は、旧タイプのG3以前のマシンとなる。

関連リンク:USB Adapter Cards: Limited Functionality With Some Input Devices
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器


Macintosh Manager環境下でAppleWorksを使う場合のチップス集

Tech Info Libraryに、AppleWorksをMacintosh Managerで使う場合のチップス集が掲載されている。AppleWorksだけでなく、Macintosh Managerを使う場合のノウハウにもつながるかもしれない。たとえば、アプリケーションをOther Applications*フォルダに移動するとか、書類フォルダに強制的に保存させるように一般設定を行なうなどが記載されている。また、Macintosh Manager 1.3では最適化されて高速化されていることや、AppleWorksの最新版を使うことなども記載されている。

関連リンク:AppleWorks: Tips for Setup With Macintosh Manager
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), アプリケーション, ネットワーク


LucentからUSBのワイアレスアダプタがリリース、対応はWindowsのみ

Lucent Technologiesは、USBで接続するワイアレスネットワーク用のアダプタ「ORiNOCO USB Client」を発売する。発売は、2001年の第一四半期末と先である。IEEE 802.11b対応のため、AirMac互換ではあるが、アダプタ自体はWindows 98/98SE/2000/Millennium Edition対応のNDIS5のミニポートドライバしか記述はなく、Macintoshでの利用については記載されていない。形はなかなかユニークだ。64ビットキーの暗号化版であるSilverが$199、128ビット版のGoldが$219となっている。Macintosh用ではないが、AirMacの便利さをWindowsマシンでも使いたいと思う場合には1つの選択肢となるだろう。USB接続なので、現状のWindowsマシンではほぼどれでも利用できると言える。

関連リンク:ORiNOCO USB Client
カテゴリ:Windows, 周辺機器