Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年7月19日発行号 - Mac OS X 10.1



Macworldの基調講演で、デジカメからデータを取り出すデモを最初に失敗しましたよね。あの時、ジョブズさん、切れてしまうかと思ったけど(笑)、気を取り直して続きをやっていたように見えました。舞台裏は知りませんけど、歳を取ったのかなぁなどと思ったりして。再度、デジカメのデモをやるとき、デジカメにケーブルを接続するのに、眼鏡を取って差し込み口をさがしているのに気付きませんでしたか? ということは、やや老眼ぎみなのかもしれませんけど、それもやっぱり歳を取ったのかなぁなどと思ってしまいますね。そういえば、髪の毛もだんだん薄くなっているかな〜。いずれにしても、あちらこちから、不満の声もあがっていますが、一方では勝手に想像して思い通りにならないから言いたい放題言うのもどうかという気はしますね。製品のラインナップを増やさないという方向性はよく理解できますね。たとえば、液晶のiMacも作れないわけじゃないでしょうけど、出してしまうと、1つ大きなハードウエアラインが増えることになるので、収益的に厳しいと言う判断が今はあるのじゃないかと思います。つまり、Cubeの二の舞いになる可能性を秘めているわけで、その意味では、今回の一連の発表はPower Mac G4の強化といういちばん即応的な内容で、極めて妥当かと思います。それに、一般メディアはハードウエアの吃驚するような新製品しか評価しないという構図の中でしか記事は出してきてないという気もしますから、そんなに悲観することもないと思います。Mac OS X 10.1はやっぱり期待しますね。できれば、9月1日に公開してほしいですが…。ただ、長期的な展望が見えにくくなっている点は、やはり私達業界関係者としてはイラつくところかもしれません。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS X 10.1が2001年9月にリリース、欠けていた機能が概ね埋まり完成度を上げる

Mac OS Xのバージョンが2001年9月にVer.10.1となる。3月に発売されてから、10.0.1〜10.0.4まで小刻みにバージョンアップを繰り返し性能を向上させてきたが、発売後半年で比較的大きなバージョンアップを行うことになった。Macworldの基調講演ではフリーアップデートとしていたので、おそらくオンラインでのアップデートは無償で提供されてるものと思われる。また、$129のパッケージも10.1が含まれたものとなる。現在のMac OS X 10.0ユーザーに対しては$19.95でアップデートCD-ROMが提供される予定だ(日本での価格等については未定である)。

まず、Ver.10.1の大きな違いはパフォーマンスが向上したことである。アプリケーションの起動は、2〜3倍高速になるとしている。また、Finderのウインドウのサイズ変更でのレスポンスも良くなっている。また、Dockにウインドウをしまい込む時のアニメーション(ジニーエフェクト)を行わないようにできる模様だ。また、NVIDIA GeForce3カードのネイティブ機能を利用することでOpenGLも20%の高速化を実現している。
DVDのプレイヤソフトがやっと組み込まれる。また、DVD-Rドライブが必要になるなど動作環境は限られるが、DVDオーサリングツールのiDVD2がリリースされ、これはMac OS X 10.1が稼動環境となる。また、Mac OS 9でのDisc Burnerの機能も10.1で組み込まれる。Finderの操作だけでCD-RWドライブを利用して、ディスクの書き込みができるようになるということだ。いずれにしても、オーサリング関連機能をこれでやっとフルサポート(Mac OS 9と同等のサポート)ということになるだろう。
なお、iDVD2についても発表されているが、入手方法については明示されていない。現在のiDVDはSuperDrive搭載のPower Mac G4にバンドルされているだけである。既存のiDVDユーザは$19.95でアップデートできるとしている。iDVD2はサードパーティのDVD-Rドライブをサポートすることから、パフォーマンス上の問題はあるかもしれないが、Power Mac G4のSuperDrive搭載機以外での利用も視野に入っているのかも知れない。以下のニュースリリースから、対応ドライブのページへのリンクがある。しかしながら、今現在はAppleStore等でiDVD2は販売商品に含まれてはいない。

AppleScriptのサポートも強化されるとしているが、まずはきちんと動くというレベルを確保されていることは大きく期待をしたい。そして、PrintCenter、Internet Connect、TerminalでAppleScriptがサポートされるとしている。また、SOAPやXMLをサポートすることにより、インターネットを通じた別のマシンとのやりとりについても最近の手法が利用できる。相互接続性については未知ではあるが、他のOSが稼動しているシステムと、AppleScriptのシステムをSOAPベースで連動できるとすると、システム構築の幅が広がることは確かだろう。

ネットワーク関連では、AirMacによるネットワーク利用は10.0でも実現していたが、10.1ではセットアップアシスタントや、管理ユーティリティも対応する。AirMacにフル対応ということが言えるだろう。
そして、AppleShareクライアント機能がTCP/IPだけではなく、AppleTalkにも対応する。これは古いAppleShareサーバや、Windows NT ServerのMac向けサービスに対応するものである。また、Windowsネットワークのクライアント機能も組み込まれるので、WindowsサーバでMac向けのサービスを組み込まなくてもファイル共有ができる他、Sambaが稼動しているサーバに対して接続もできる。もともと、NFSも組み込まれているので、メジャーなファイル共有サーバに対しては標準でほとんどサポートするということになるだろう(対応していないのはNetWareくらいか)。
iDiskについては、アイコンがFinderのウインドウのツールバーにデフォルトで組み込まれる。また、接続プロトコルはWebDAVとなる(現在はAppleShare IPだと思われる)。WebDAVはHTTPプロトコルだけを使ってファイル共有のような作業が可能であるため、ファイアウォール内でも比較的利用しやすい。また、HTTPは継続セッションを要求しないために、必要なときにだけ接続するといった形式になり、接続のタイムアウトというのは発生しないため、より使い勝手が高まると言えるだろう。
Internet Explorerは5.1の模様だが正式版になるのかもしれない。Javaのサポートを完全に行うとしているが、アプレットの稼動が安定して行えるようになるのではないかと思われる。

Finderの使い勝手も向上している。コラム表示の場合、長いファイル名が表示しきれないという問題があったが、コラムの幅を変更できるようになったので、長いファイル名のあるフォルダはコラム幅を広げるということで対処できるようになった。また、アイコン表示のとき、長いファイル名は複数行に渡って名前を表示し、名前を省略しないでも表示できるようになっている。また、ファイルの拡張子を表示するかどうかといったオプションも増えているようだ。
システム環境設定のウインドウデザインも変更される。現在は単にアイコンが並ぶだけだが、機能別に分類されるため、使い勝手も良くなるだろう。最近使った項目の数の設定やフォントスムージングのオン/オフ、アプリケーションフォントの大きさ、サウンド出力ごとの設定が可能になるなど、設定範囲も広がっている。
AirMacの状態やディスプレイの設定といった機能はDock Lingに用意されていたが、10.1では、メニューバーの右側にアイコンが用意され、これらの設定を手軽に行えるようになった。また、サウンドの音量を変更するアイコンも追加される。
Dockのカスタマイズもできるようになり、画面の下だけでなく、右あるいは左にも置くことができるようになった。サードパーティーのユーティリティにあるような機能が標準機能になったと言えるだろう。

他には、プリンタの対応機種を増やすなど、周辺機器の対応も増えている。
パフォーマンスの向上がどの程度のものなのかは使ってみないと分からないが、パフォーマンス、そしてDVD再生といった明白に欠けていた機能がやっと揃った。「先進の」と形容されるOSではあるが、Mac OS 9にできてMac OS Xではできないことがあるというのでは説得力も低いだろう。しかしながら、10.1には明白な欠けた機能はもはや存在しないと言っていいかもしれない(ただし、携帯電話対応などサードパーティまかせの部分については対応待ちとなってしまうが…)。さらに、ユーザインタフェースの細かい点を改良するなど、使い込むユーザにとっての使い勝手を向上させる改良も目立ち、やはり大きな進化を感じさせるバージョンアップだ。早く手に入れたいと思ってしまう。

◇The world’s most advanced operating system gets better.
 http://www.apple.com/macosx/newversion/

◇アップル、次バージョンのMac OS Xをプレビュー
 http://www.apple.co.jp/news/2001/jul/19macosx.html

◇アップル、Macworld ExpoでMac OS X用のiDVD 2をプレビュー
 http://www.apple.co.jp/news/2001/jul/19idvd.html

カテゴリ:周辺機器, ユーザインタフェース, Mac OS X


ファクス送受信ソフトのFAXstfがMac OS Xに対応

Smith Micro Softwareは、ファクスの送受信ソフトをMac OS Xに対応させた「FAXstf X」を2001年の第三四半期に出荷する。価格は$59.95となっている。アプリケーションなどはもちろんMac OS Xネイティブとなっていることから、マルチスレッドを利用してのバックグランドでの送信処理などができるとしている。Mac OS Xに付属するAddressBookを利用してあて先を管理できるなど、Mac OS Xの機能も併用して使う形式になっている。AppleScriptにも対応しており、自動化したシステムとしての利用も可能だ。

関連リンク:Smith Micro Announces FAXstf X, A Full-Featured Fax Solution Built Natively for Mac OS X
カテゴリ:周辺機器


TIL》Mac OS X ServerではCGIにPOSTメソッドの引数が伝達しない、回避は手作業での起動

Mac OS X Server 10.0.3/10.0.4では、POSTメソッドで送信したフォームのデータがCGIプログラムに引き渡されないという問題が発生することが公開された。この問題を回避するためには、まず、Server AdminでWebサービスを起動時に自動的に起動しないようにする。そして、手作業でApacheを起動するが、Terminalから、「sudo apachectl start」というコマンドを入力する。つまり、自動的に起動させるのではなく、手作業でApacheを起動することによって回避できるということのようである。

関連リンク:Mac OS X Server 10.0: Form Data Not Sent to CGI When Using POST Method
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), サーバー製品, Mac OS X Server


TIL》Classicアプリケーションでマウスポインタが消えた時の対処法

ClassicアプリケーションをMac OS Xで使っている時に、マウスポインタが消えてしまうもののマウス操作はできるといった状況になる場合があることについての説明が掲載されている。その場合、Command+Tabで別のアプリケーションの切り替えてみる、Dockのところにマウスポインタを移動させてSystem Preferencesを起動してClassicを再起動する、あるいはコンピュータを再起動するという方法で対処できる。System Preferencesの起動のときにはマウスポインタは見えないとは言え、Dockのアイコンの丈夫に項目名が出てくるので、なんとか起動はできるだろう。Appleはこの問題を認識しており、将来的には修正される可能性がある。

関連リンク:Mac OS X 10.0: Pointer Disappears While Using Classic Application
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Classic


TIL》初期のiMacでMac OS Xを使う場合、外部スピーカーはフロントの端子に接続

iMacでMac OS X 10.0を使う時に外部スピーカーから音がでなくなる場合の対処についての文書が掲載された。iMac 233 MHz、iMac 233 MHz/B、iMac 266 MHz、iMac 333 MHzが該当する機種としてリストアップされており、初期の頃のiMacが相当する。その場合、本体側面にあるスピーカー端子ではなく、フロント部分にあるサウンド端子に接続をすることで音が出るようになる。

関連リンク:Mac OS X 10.0, iMac: No Sound From External Speakers
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iMac


TIL》iMacのEarly2001モデルとSummer2001モデルを区別する方法

2001年7月に発売された新しいiMacはSummer2001モデルと呼ばれるが、それまでのEarly2001モデルのiMacと色が同じものなら違いが分からないかもしれない。もちろん、700MHzだったらSummer2001モデルだが、500や600でインディゴカラーだと区別のしようがない。しかしながら、以下の文書には見分け方が説明されている。それによると、ロジックボードのシリアル番号のラベルに「p66」と記載されているのが、Summer2001モデルということだ。

関連リンク:iMac (All Models): How To Differentiate Between Models
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iMac


TIL》Apple System Profilerでメニューが選択できないなら再起動

Mac OS X 10.0に付属するApple System Profiler 2.6b21についての文書が掲載されている。作業をしたあとにメニューがグレーとなって選択できないとい症状が発生する。メニュー選択が必要なのであれば、アプリケーションを終了し、再度起動するという対処方法となる。

関連リンク:Mac OS X 10.0: Apple System Profiler "Update" Commands Do Not Work
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X