Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年7月31日発行号 - JBuilder 5の使用期限延長



機嫌よくiMovieで編集していたら、突然、データの1つが飛んでしまいました。そのDVストリームだけをQuickTime Playerでプレイしても同様です。ある箇所で、ハードディスクがガーガーと言って、レイボーなマウスポインタになり、アプリケーションはおろかFinderまで落とさないといけなくなります。うーん、そうなると、結局全部作り直ししかないですよね〜。まあ、編集といってもたいしたことはしていませんので、まあ、いいのですけど…。
今日はまぐクリックの記者会見に行ってきました。あまりMDOnlineの読者対象とは関係のない話ですけど、個人的に興味があるので聞きに行ってきました。だけど、手数料が40%と来ましたか〜。まあ、それくらいは必要なのは分かりますけど、日刊工業新聞くらいのところだと、自分のところでインフラを作ったらもっとマージンが取れると思ったりもしますけどどうなんでしょうか。で、始めるにあたっていろいろなところに声をかけたそうですけど、ローカスにそうしたお話をいただいた形跡はなく、3年も有償オンラインコンテンツをやっている割には知られていないのだなと(笑)、改めて思った次第です。ま、しかし、いずれにしても、こうした有償コンテンツがあるということが世間に認知されることはこちらとしても願ってもないことですからね。いずれにしても、有償コンテンツの世界も、数年で大手に淘汰・統合される動きになるかなというのは1つの考えられる方向性としてでてきたように思います。「インターネットは何でも無料じゃないとだめ」みたいな考え方が支配的でしたが、今年になってからはそうした傾向は若干下向きになっていると思います。今から、インターネットサービスを企画している人は、そうした動向も勘案された方がいいんじゃないかと思います。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS X版のJBuilder 5の試用期限切れに伴いライセンスキーの再配付で期限延長

2001年5月に開催されたWWDC 2001で、BorlandのJava開発ツールのJBuilder 5 Professional for Mac OS X Preview Releaseが参加者に配付されたが、その仕様期限は7月31日となっていた。その期限が切れる日に、登録者にメールが届けられ、あらためてライセンスキーを取得することで、2001年11月15日まで期限をのばすことができるとしている。つまり、無償でのプレビュー版利用期間の延長が行われたということになる。なお、登録者にはこのお知らせのメールが来ているので、新しいライセンスキーの入手方法はそちらを参照していただきたいのだが、ちょっと迷うかも知れない。いったん、Borland Communityのログインができる状態になっていれば、指定とおりにページのリンクをクリックすると、ライセンスキーを送付するメールアドレスを問い合わせる。しかし、ログインできない状態、つまりパスワードなどを入力しないといけない状態だと、いったんログインをしてから、もう一度指定のページに戻って再度リンクをクリックすることで、メールアドレスの問い合わせになる。その後、メールでライセンスキーが送られてくるので、Licensing Informationというアプリケーションでキーの追加を行えばよい。ソフトウエア自体はアップデートされない。
JBuilderはJavaで作られたJavaの統合開発ツールで、エディタ、コンパイラ、プロジェクト内のファイル管理に加え、GUIを手軽に作成できるRADツール、デバッガなど、開発に必要なものが1つにパッケージされたものである。言語はJavaに限定されるが、Pure Javaのアプリケーションやサーバーコンポーネントに加えて、Cocoa-Javaのアプリケーション作成なども将来的にはできるようになる見込みだ。なお、Windows向けなどのJBuilder 5はすでに発売が開始されている。ライセンスキーのアップデートを促すメールの内容には、はっきりとは書かれていないが、Mac OS XのJava VMのファイナル版が入手できないので期限を延ばす、といった主旨が書かれている。予定では、Java VMのアップデートが7月いっぱいに行われる予定だったのが、Mac OS X 10.1といっしょかそれ以降になるということなのかもしれないが、それは想像だ。

関連リンク:JBUILDER 5 MAC OS X PREVIEW RELEASE
カテゴリ:開発ツールその他, 開発ツール


森下克徳の崖っぷちからWebObjects》第17回〜MySQLでコミュニティサイトを作るv1

さて前回書いたように、MySQLとWebObjectsでちょっと面白いサイトを作ってみる話なんだけど、その前に縁あって、OpenBaseというデータベースのデモを個人的に見てしまったんである。で、すっかり魅了されちゃったんやねえ〜これがぁ…。こいつは面白いと思って、だけど今からMySQLですることはOpenBaseには無理だと思うので、ついでだからどのデータベースを選ぶべきかと言うことから書いてみようと思う。
最も高名なデータベースと言えばOracleだけど、値段の方も、がけっぷちな私にはけっこうたそがれちゃう高価さなので、今回は話に入れないでおく。でも、WOとの相性はいいということは特筆しておきます。あなたが作るサイトが、とても大規模でしかも経費節減よりも高品質さを求めているのなら、最近新しいバージョンになったOracleもなかなかお勧め…。

さて、ビンボーな私でも何とかできるデータベースと言えば、これまた新バージョンが出たばかりのファイルメーカプロといいたいところだけど、(あっ、いや、言っちゃってもぜんぜんかまわないんだけど)手元には今だ4.0しかないので検証不可。よって、取りあえず保留ということで勘弁してもらおう。
ここでMac OS Xになったことで享受できる、オープンソースの世界からいくつか引っ張り出してみると、日本では多くのユーザーがいるPostgreSQLか、はたまた最近日本でも欧米並みに普及し出してきたMySQLかという選択肢がうまれる。もっとあるかもしれないけど、とりあえずその二つを押さえておこう。
次に、MacOSXで動くファイルメーカのようなデータベースはないのかと言えば、そこにOpenBaseがでてくる。その他、FrontBaseというのも一考に値するだろう。
で、言いたくてうずうずしているOpenBaseだけど、これがまたすばらしく使いやすいのだ。特にこれから使おうとしているMySQLのようなコマンドラインを中心に扱うようなデータベースからすると、グラフィカルに表示される相関図は、とても美しい。(見た目的にも、効率的にも…。)おそらく将来これについては書くだろうから今回はあんまり書かないけど、複雑にリレーションがからみ合ったデータベースが必要になるのなら、迷わず私はOpenBaseをお勧めする。それに、5クライアントまでならただでダウンロードできるデベロッパ版が使えるから、正式ライセンス版を購入する前に、OpenBaseのすべての機能や使い勝手を実際に試すことができる。OpenBaseが自身の要求を満たしているのならば、正式ライセンス版を購入すればよいのだ。

それならなぜ、今からするのはMySQLなのかと言えば、今回のサイトは、WebObjectsだけではなく、Apacheやfmlなどという、他のオープンソースのソフトウェアとも組み合わせて使おうと思っているからだ。実はこれがオープンソースの利点だろうけど、すでにもう、MySQLからWeb閲覧の認証を出したり、ftpの認証を出したり、果てはメールの管理をしたりなど、さまざまな組み合わせでの活用法があみ出されているのである。そこで、それらを組み合わせ、統合したコミュニティーサイトを作り、管理等のインターフェイスのためにWebObjectsを組み合わせようと思うのだ。
で、こういう使い方ならば、データベースの方はそんなに複雑ではないことでもあるし、MySQLがうってつけなのである。逆に、他のサーバ群との組み合わせ経験が余りないであろうOpenBaseには不利なところとも言える。
あっ、ではPostgreSQLは? と思うかも知れないが、以前のMac OS X Server 1.Xの時代に、早くから対応していたMySQLに対してPostgreSQLが対応したのはずっと遅くて、私自身がMySQL派になったことと、基本的なSQLのみをサポートして、とにかく高速性を優先させたMySQLの造りが、Webには向いていると思うことからである。それにだめ押しのように、現在のMac OS X Server自身にMySQLがパッケージ化されているということもある。

データベース選択の理由、わかっていただけただろうか? 次回は、まずこのシステムの核になるMySQLについて掘り下げてみよう。
[森下克徳]

カテゴリ:データベース, 崖っぷちからWebObjects


FrontBaseがデベロッパーの会員組織を構築、購入に応じたポイントを集積

Mac OS Xなどで稼動するリレーショナルデータベースエンジンのFrontBaseを開発・販売するFrontBase社は、デベロッパーの組織「FrontBase Developer Connection(FDC)」を結成する。サポートなどのサービスの明確化ということもあるが、販売促進の色彩の強い組織になると言えるだろう。会費が$3000のStandardと、$5000のProfesssionalがある。いずれも、E-Businessライセンスやサポートパッケージなどが組み合わされており、これらの商品をまとめて買うことを考えれば買い得な値段設定となっている。FrontBase製品を購入することで、ポイントをためることができ、そのポイントは、AppleStoreでの決済に利用できる。たとえば、FrontBaseのSmall Business Bundleを購入すると$14,999なので、14,999ポイントが得られるが、15ポイントが1ドルで換算されるので、これで$1000ほどの費用に充てることができる。また、「Powered by FrontBase」のロゴの表示で2000ポイントなど、いろいろなポイント取得の項目が設定されている。さらに、9月いっぱいまでは、FDC申込者に対してWebObjects 5を$99で購入できるプロモーションも展開する。

関連リンク:FrontBase
カテゴリ:データベース, サービス


ファイルメーカーのサーバの新版FileMaker Server 5.5が近々出荷、X版はCocoa対応

FileMaker Server 5.5の英語版(Worldwide English versionと記載)が、米国のFileMaker社から近々出荷が開始されることが発表された。ファイルメーカーProは、クライアントで利用するデータベースアプリケーションで、データの保存やフォームを手軽に作成できるなど、使い勝手の良いデータベースとして広く浸透している。クライアントで利用できるものをネットワーク共有もできなくはないが、利用者数の多いデータベースなどでパフォーマンスが必要となる場合やあるいは集中管理が必要な場合に、ファイルメーカーProで作ったデータベース専用のサーバとして、「FileMaker Server」が提供されている。新しいバージョンでは、Mac OS XではCocoaアプリケーションとして動作するほか、従来までのWindows NT、Mac OS 8.6以降に加え、Linuxも対応プラットフォームとなった。RedHat 6.2/7.0のロゴ認定となってる。Windows 2000のロゴ認定も受けている。他にはクラインとのプラグインの自動アップデート機能や、LDAPサーバへの登録やWindowsドメインを利用した認証なども可能になっている。推定価格は$999で、アップグレードは$499となっている。

関連リンク:FileMaker Server 5.5
カテゴリ:データベース, サーバー製品


Mac OS X向けのPHP 4.0.6のコンパイル済みモジュールを公開

Mac OS X向けにコンパイルしたPHP 4.0.6のモジュールがMarc Liyanage氏によって公開されている。PHPは、WebサーバのApacheの組み込みモジュールとして機能し、HTML内にスクリプトプログラムを記述可能にする、サーバサイドスクリプのシステムである。Mac OS X Serverでは4.0.4という少し古いバージョンであったり、MySQLのサポートライブラリが古いものだったりしていたので、場合によっては自分で再度コンパイルが必要になっていが、このコンパイル済みのモジュールを使うと手軽にアップデートができるかもしれない。モジュールは、MySQLとPostgreSQLのサポート、グラフィックスライブラリのGDのサポートが含まれている。また、コンパイル方法についても明記されており、このページからのStepwise.comのページも含めて、自分でコンパイルをしたい人に対しても有用な情報となるだろう。
また、Marc Liyanage氏は、PostgreSQL 7.1.2およびMySQL 3.23.40の、Mac OS X向けコンパイル済みパッケージも公開している。

◇PHP Apache Module
 http://www.entropy.ch/software/macosx/php/

◇PostgreSQL Database Server
 http://www.entropy.ch/software/macosx/postgresql/

◇MySQL Database Server
 http://www.entropy.ch/software/macosx/mysql/

カテゴリ:オープンソース, データベース


TIL》Mac OS XとMac OS 9のデスクトップは違う場所に確保されている

Tech Info Libraryに、Mac OS XとMac OS 9のデスクトップが違う場所になるという点についての文書が掲載された。Mac OS Xでデスクトップにファイルを保存しても、Mac OS 9あるいはClassic環境でのデスクトップにはファイルは現れない。Mac OS Xのデスクトップを参照するには、ルートから、Usersフォルダ、ユーザ名のフォルダ、Desktopフォルダへと辿っていくことで参照することができる。

関連リンク:Mac OS 9: Files Saved in Mac OS X Aren’t on Desktop
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Classic


まぐまぐの有料課金メールマガジンの募集が開始、有料コンテンツの出版インフラを目指す

2001年7月31日、まぐクリックは、有料課金型メールマガジン配信サービス「まぐまぐプレミアム」のサービスに関する発表会を行った。まぐクリック代表取締役西山裕之氏より、新サービスの説明が行われた。これまでのまぐまぐは、広告ビジネスモデルで成り立っていたが、新たに有料のメールマガジンを集めたサイト「まぐまぐプレミアム」を開設する。システム的にはこれまでとは異なる新たなものを構築した。有料のメールマガジンは既存の発行者や出版事業者などからのニーズがあった。有料のメールマガジンは、従来の書籍流通で言えば、取次と書店を合わせたような役割を担うことになる。ブロードバンド化によってコンテンツへのニーズが高まるとともに、これまでの「インターネットの本屋さん」としての立場からの新しい出版流通のインフラを開拓するのが目的であると説明された。発行者や購読者の募集、契約、サイト運営、配信、購読料の回収や決済、プロモーション活動などを業務として行う。販売手数料として40%をまぐクリックが徴集することで、それを収入源とする。ただし、立ち上げ時のマガジンは35%となっている(開始より1年間)。決済方法としてはクレジットカードとジャパンネット銀行の口座振替ができるが、小額決済が可能なように、これまでにクレジットカード会社と交渉を行い、クレジットカードの手数料についても一般的な金額でできるようになったとのことだ。まぐまぐのクレジットカードも用意されている。メールマガジンは当初176タイトルで開始されるが、さまざまなジャンルのものがあり、基本的には定期刊行物となっている。不定期なものは当初は課金マガジンとしては扱わない。テキストメールに加えて、HTMLやストリーミング形式のものも扱う。プロのコンテンツプロバイダが70%、残りが現在のまぐまぐからの応募となっている。テレビ局や出版社、有料コンテンツのプロバイダなどに声をかけるなどして、現状のコンテンツを集めているが、今後も広く募集を行うそうだ。単価が100円〜1000円くらいのものが一般的な価格帯のようだ。8月から募集を開始するが、9月より課金と発行が始まるのがおおまかな予定だ。課金は月額として行う予定となっている。テレビ東京のビデオマガジンや、So-Netチャンネルのビデオなどが紹介された。タイトルリストを見ると、日刊工業新聞が数多くのタイトルを流しているが、ばがぼんど社のセキュリティ関連のメールマガジンや、Excel、Javaといったテーマのタイトルもあるが、コンピュータ関係に限らず幅広いジャンルのタイトルを扱う予定だ。今後の目標としては、2001年内に10万ユーザ、2002年内に100万ユーザを目指し、ユーザを集めて今後の展開を模索したいとした。読者の管理方法については従来とおり、発行者には読者リストを公開しない方針で運営する。決済ソリューションさらにはコンテンツを含めて、他のメルマガサイトやプロバイダーに対しても提供するといった事業展開を考えている。現在のまぐまぐのユーザ数は600万人、メールマガジン数は23,000、延べ読者2,570万人となっており、今後も新しい出版形態を目指したいとした。

関連リンク:まぐクリック
カテゴリ:サービス