Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年9月11日発行号 - 米国でCodeWarror 7出荷



昨日の前文に書いた「COLBA」はスペルが違っていて、CORBAでした。すみません(高橋さん御指摘ありがとうございます)。
CupertinoのApple本社の向い側にあるコンピュータショップElite Computers & SoftwareがComputerWareを復活させるようですね。San Rafael、Capitola、Sunnyvaleに開店するとか。ComputerWareは不振で閉店となったのですが、Macユーザに浸透したブランド力を利用しての業績拡大を狙っているというところでしょうか。
今日は、ColdFusionの発表会に、台風が迫る中、行ってきました。予想通り武蔵野線は間引き運転だったので、全行程地下鉄ならきちんと動いているだろうってことで、埼玉高速鉄道から都心に乗り込み、会場まで傘をささずに行けました。ColdFusionやJRunを獲得したけど、どのような展開をするのかは注目されていましたけど、きちんとパートナーと組んでビジネスをやるようで、いちばん素直なポジションにまとめたというところでしょうか。ColdFusion自体、それほど新しい機能はないということで、むしろマクロメディアがアイ・ティ・フロンティアと組んでまじめにやるというあたりがポイントかと思います。マークアップ系のWebアプリケーション開発環境はやっぱりそれなりに開発者がついていることもあって、存在としては無視できないわけですね。ただ、いわゆる言語系に比べて細かいところに手が届かない点については賛否両論はあるとは思います。今回の新機能では「関数」の定義ができるなど、言語的になる方向も見えています。簡単であるという特徴以上を引き出すのはなかなか難しいですが、SQLサーバ以外のサービス利用などそれなりにがんばっていると思います。また、業務用というかシステムインテグレーションに特化した価格設定や流通販売形態など、そうしたビジネス展開も成功しているのでしょう。ただ、DreamweaverはASPでのスクリプト作成に対応している点を売りにしていることもあり、マクロメディア一直線ではないような製品系列が、今後どのように展開させるかはマーケティングの悩みどころかもしれません。今回もCFMLはJSPよりもいいと言い切っているだけに、JRunはどうなるの?って疑問も出てきますね。また、こうしたマークアップ系は今後に技術的な大きな発展というか、展開はしずらいとも言えるわけで、頭打ち感をいかに打破するかもポイントでしょう。どちらかといえばオープン思想で発展をとげてきたマクロメディアですが、Webアプリケーション製品はどちらかと言えば他者はクローズ路線を走っています。さて、どうなるでしょうか?
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


MetrowerksがCodeWarriorの新版Ver.7を米国で出荷開始

Metrowerksは、2001年9月10日に、「CodeWarrior for Mac OS, Version 7.0」の出荷を開始した。Mac OSおよびMac OS Xで稼動し、ClassicアプリケーションやCarbonアプリケーション、Javaアプリケーションなどの開発が可能である。言語としてはC/C++、Javaに対応し、C++ベースのアプリケーションフレームワークPowerPlantも含んでいる。価格は$599となっている。Ver.7.0の新しい機能は、Mach-Oバイナリの生成や、Objective-Cのコンパイルが可能になったことだ。Carbon対応については、Ver.6でも対応している。Mac OS Xのネイティブ開発環境としての機能を強化したということになる。Ver.7の開発途中のバージョンは、2001年5月のWWDC 2001で来場者に配られたので、すでに使っている人も多いかもしれない。また、「CodeWarrior for Windows, Version 7.0」を$499、Macintosh版とWindows版をあわせたパッケージを$799でも販売を開始する。日本語版については、発売日などの詳細な情報は公開されていない。

関連リンク:Metrowerks
カテゴリ:CodeWarrior


マクロメディアがアプリケーションサーバのColdFusion Server 5の日本語版を発売(1)

2001年9月11日、マクロメディアはアプリケーションサーバの「Macromedia ColdFusion Server 5」の日本語版の発表会が行われた。記者会見でのプレゼンされた内容をお届けしよう。今回のColdFusionはMac OSやMac OS X対応はされていないものの、Webアプリケーション開発という点では数多くのユーザがいる注目できる製品でもある。(以下は、基本的にプレゼンテーション等で話された内容を列記している。)
最初に、マクロメディアの代表取締役社長の坂口城治氏より話があり、先日買収したAllaire社関連製品の最初のリリースとなることを説明した。そして、デザイン、開発、配信、表示という4つの「D」にカテゴリー分けして製品系列を整理している。ColdFusionは配信(Deliver)を行うためのシステムである。ColdFusionは短期間での立ち上げが可能で、メンテナンスが容易であることが特徴である。従来、Allaire社の製品を扱っていたアイ・ティ・フロンティア社(シリウス社などが統合された)からも販売が行われることも紹介した。シリウス事業部長の牧野国嗣氏よりの挨拶も行われた。さらに坂口氏は、データベースとWebは統合している必要があることを強調し、短期間でサイト構築ができる点を強調し、販売目標は今年度で4500本であると紹介した。
続いて、Macromedia社のColdFusionのディレクターであるJess Whatcott氏より製品の紹介が行われた。アプリケーションサーバに対するユーザのニーズとして、インタラクティブ性やプロジェクトの増加、開発者の確保、コスト削減、パフォーマンスと信頼性ということがあると紹介した。ColdFusionはそうしたニーズをすべてみたすとし、短期間での修得や開発、ソリューションを提供でき、さらにパフォーマンスと信頼性があるものだと説明した。ColdFusionはCFML(ColdFusion Markup Language)で記述された.cfmファイルで利用し、Webクライアントからアクセスがあると、ColdFusionサーバがデータベースやオブジェクト、あるいは他のシステムデータを取り出し、HTMLを組み立てる。HTMLを知っていれば、CFMLはすぐに学習できることを顧客にはよく説明しているが、HTMLにCFMLを追加することで簡単にデータベースからの取り出し結果を表示できることを示した(CFMLはタグ形式で記述し、HTMLの拡張のような形式となる)。また、CFMLとASP(Active Server Pages)やPHP、JSP(Java Server Pages)とのコードを比較し、CFMLの方がシンプルに短くコードが終わることを示した。そしてサーバアーキテクチャを示し、マークアップ言語の下にサービス提供を行うエンジンがあり、さらにその下にシステム機能を利用するものがあり、そしてPCや携帯電話、PDAなどからのアクセスが可能となっている。各種メディアからさまざまなアワードも受賞している。ColdFusionの市場規模についての説明が行われた。ColdFusionの開発者数は30万人と推定しており、Web開発者の20〜25%はColdFusionを試用経験がある。サーバは125,000本出荷し、1100万ページがWeb上に存在し、2000以上のソリューションプロバイダがあって、300以上のユーザグループがある。ダイナミックページテクノロジーの利用状況のシェアとして、ASPが66%、CFMが26%、PHPが7%、JSPが1%として、検索エンジンからの調査結果も示した。
ColdFusion Server 5の新機能の紹介に移った。バージョンアップでは開発者の要望に応えるために生産性の向上、管理の容易さ、高いパフォーマンスを実現することを目標としている。まず、ユーザ定義ファンクションに対応し、コードの再利用性を高めた。そして、SQLデータベースだけでなく、LDAPやPOPからもクエリーができるようになり、いずれもレコードセットとして扱われ、統合しても利用できる。さらに、グラフの生成や表示を行うエンジン、サーチエンジンが組み込まれ、Crystal Reports 8との統合が行われた。開発ツールとしてはコードエディタを中心としたColdFusion Studioと、サイトデザインが可能Dreamweaver UltraDeveloperが利用でき、ステージごとに使い分けることができる。新しい機能としては、アプリケーションサービスとして展開ができることを説明した。アプリケーションのデプロイメントではさまざまなファイルをサーバに移動する必要があるが、それをアーカイブファイルに1つにまとめてサーバで利用できるといった機能である。さらにアプリケーションの監視などの機能もWebベースで行えるなどの機能アップとなっている。そしてメモリ管理を向上し、ボトルネックも排除して、Solarisでは1.5倍、Windows 2000では3倍のパフォーマンス向上を実現した。ColdFusionにはProfessionalとEnterpriseの2つのエディションがある。ProfessionalはWindowsのみでODBC接続のみとなっている。グラフエンジンのキャッシング、ロードバランサー、高度な管理機能、サーバサンドボックスセキュリティといった機能はEnterprise版だけであり、検索ドキュメントのサイズにも違いがある。小規模なサイトではProfessionalを勧めている。
続いて、マクロメディアのプロダクトマーケティングマネージャの阿部成行氏より、実際のデモンストレーションが行われた。これまで多くの顧客と話をしてきたが、デザインと開発の切り分けが重要なポイントであることが説明され、そうした枠組みをマクロメディアで提供できることを強調した。そして、WebベースのColdFusionの管理ツールを起動しつつ、オンライン販売サイトを作成するデモが開始された。ColdFusion Studioを起動し、スタティックなページのHTMLを開く。そして、ヘッダ部分を削除し、スニペットというソースコードの固まりを管理する機能を使って、CFMLのタグをページに追加した。拡張子をcfmに変更して保存をする。ページの中にあるFlashコンポーネントキット(フリーでダウンロード可能)を利用したナビゲーション機能についても紹介された。続いて、ColdFusion Studioでのデータベース接続が説明された。接続したデータベースの中身が表示され、データベースのテーブルをブラウズし、右クリックのメニューからクエリビルダが起動され、Accessなどのクエリ設計画面と同じような機能を利用して、SQLステートメントを構築した。SQL文の実行などもその場でできる。そしてクエリを作成するとアイコンが作成される。そのアイコンをHTML編集画面にドラッグ&ドロップすることで、クエリーを行うCFMLのタグが生成される。取り出したデータを表示するソースもスニペットの機能を使って組み込む。そうして、Webページにデータベースから取り出した内容が表示されるようになった。さらに検索を行うためのカスタムタグを1行追加するだけで、検索機能をWebページに追加することも示した。さらに検索結果のページのカスタマイズも行った。検索結果からさらに別のデータベースを参照し、それらを含めて検索結果のページが表示されることを示した。また、Webページにデータベースから取り出したデータを元にグラフを作成するデモも行われた。チャートはFlashのコンテンツとしても作成でき、マウスに反応したりリンクの設定などもできることが示された。
(続く)

関連リンク:Macromedia ColdFusion Server 5
カテゴリ:サーバー製品


マクロメディアがアプリケーションサーバのColdFusion Server 5の日本語版を発売(2)

続いてユーザ事例をアイ・ティ・フロンティアのシリウス事業部の丸山三生氏から紹介された。国内では6000以上のサーバを出荷しており、楽天などの有力サイトやNTT各社などの導入企業一覧が示された。導入企業は2100社と紹介された。テレビ局の番組連動したECサイトや、日経新聞のサイト、建築現場での労務管理サーバなどがあるといった話がされた。また、公開サイトの一覧についても示された。詳しいサイトの紹介として、@LAWSONが紹介された。コンビニと連動したECサイトをColdFusionで構築している。2ヶ月半といった短期間で設計から構築までを行い、複数の決済手段を含む複雑なサイトの構築が可能となった。そして、イントラネットの事例として、ソフトバンク・テクノロジーの「四半期開示システム」が紹介された。受注や日報、顧客管理などを含むプロジェクトの収支管理を行う業務システムで、短い研修期間でプロジェクトを立ち上げることができ、100人月レベルの大規模のシステムを6ヶ月で構築し、パフォーマンスや安定性にも問題ないと評価されている。システムインテグレートを行うSI業者は130社以上あり、ECサイトや教育関連などを含むパッケージや関連製品も50製品以上ある。さらにユーザグループは2500人以上が参加しており書籍も出版されている。
最後に、マクロメディアのセールスディレクターである成川智彦氏より販売に関する情報が示された。販売開始は2001年10月26日(金)となっており、ProfessionalとEnterpriseのエディションがある。さらに2年間のバージョンアップを無償で受けられるサブスクリプション付きと、そのサービスがないものがある。また、本日より発売日までにVer.4.5の日本語版を購入者に対しては無償アップデートを行う。それ以前のVer.4.0/4.5ユーザに対しては有償アップグレードを行う。アプリケーションサーバーのColdFusion Server 5は、Windowsで利用できるProfessional版が\328,000(サブスクリプション付き\448,000)、WindowsないしはSolarisで利用できるEnterprise版が\1,200,000(同\1,680,000)となっている。開発ツールのColdFusion Studio 4.5日本語版はWindowsで利用でき、\128,000となっている。

Q&Aで出された質問と答えは次の通りだ。まず、Linux版の出荷はどうなるのかということについて、英語版は出荷しているが、日本語版については検討中であり、近い将来に説明できると回答があった。
マクロメディア社の他の製品との連係はもっと行わないのかという問に関する答えは次の通り。統合は今後もさらに進める。Server 5は合併以前から開発が行われていたたものの、Generatorを含めることは合併前から決まっていた。以前から製品の統合については積極的に行っていた。
Webサービス対応はどうなっているのかという問に対する答えは次の通りだ。Allaireでは、WDDXプロトコルとして開発を進めてきており、さまざまなデータソースからのクエリを行うことなどは2年以上前にAllaireで開発された技術である。その意味ではWebサービスは昔から行ってきた。SOAP等については、将来のサービスで付加したいが、WDDXサービスでWebサービスを提供することを考えている。(WDDXはXMLを利用し、HTTPやFTPなどのプロトコルでWebサーバ同士のデータ交換を行う技術で、Allaireで開発されマクロメディアに引き継がれたもの)
Macintosh対応という点についての答えは次の通り。ColdFusion StudioのMac版は最近のバージョンではリリースされていないが、Dreamweaver UltraDeveloperでの開発は可能だ。アプリケーションサーバーについては、Mac OS Xなどについては研究中である。Server 5については予定はないが将来のバージョンでは可能性がないわけではない。

関連リンク:Macromedia ColdFusion Server 5
カテゴリ:サーバー製品


Mac OS XのMailでPGPによる署名や暗号化を行うプラグイン

Mac OS Xの付属メールソフトMailで、PGPの署名や暗号化を行うことができるプラグインソフトの「GPGMail」がリリースされている。Stephane Corthesy氏による“ハック”で、Mailにある非公開のAPIを利用して、メールの送受信を行う。Mac OS X 10.0.4に対応した。なお、Mac OS X 10.1では稼動しないためにさらなる改造が必要になるとしている。ソースコードも公開されているので、ハックの方法を調べてみたい人はそれも参考になるだろう。(PGP:Pretty Good Privacy、GPG:GNU Privacy Guard/GnuPG)

関連リンク:PGP for Mail.app/MailViewer.app
カテゴリ:暗合化, 電子メール


MetaCard 2.4がMac OS XのCarbonに対応

MetaCard 2.4がリリースされ、Mac OS Xネイティブに対応した。CarbonによってMac OS Xに対応している。MetaCardはHyperCardやToolBookなど、以前によく使われたカードをベースにしたページ作成を中心にアプリケーションを作成する形式のもので、単体のアプリケーションの生成も可能となっている。シングルユーザライセンスで$995である。WindowsやUNIXなどでも稼動でき、クロスプラットフォームでの作成アプリケーション運用が可能なことも特徴である。なお、Mac OS Xでの運用では、さまざまな制限事項をまずは確認しておこう。ダウンロードしたデモ版にそのドキュメントが含まれている。たとえば、UNIXコマンドやプロセスを利用するスクリプトのコマンドなどが利用できないなどの制約がある。

関連リンク:MetaCard Corporation
カテゴリ:開発ツール


KBase》Mac OS 9のインストール時にSystemファイルが大きすぎるというエラーが出る場合

Mac OS 9.0〜9.2.1のインストールにおいて、Systemファイルが大きすぎるという意味のエラーメッセージが出てインストールができない場合の対処がKnowledge Baseに紹介された。その場合、Systemファイルをダブルクリックして開き、追加したサウンドやキーボードリソースなどをドラッグして外に出してからインストールを行えばよい。これら最初から組み込まれている以外のリソースを取り除いてインストールを行う。インストール後に元に戻すことも可能である。

関連リンク:Mac OS 9: Cannot Install Because System is "Too Large"
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9