Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年11月9日発行号 - 802.11a対応製品



抗生物質を飲みはじめて、丸一日経過していますが、体調、けっこういいです。やっぱりお腹の活動が始まるとちょっと苦しいですが、数日前とは大違い。やっぱり、大腸菌の影響が大きかったのかも…。
Mac OS Rumoresで、G5を使ったMacintoshの噂が出ていまして、クロックも1GHz突破みたいなことが書いてありましたが、出所はともかくそうした話がだんだんいろんなサイトに伝わる間に、事実みたいなことになってしまっています。別にAppleがクロックアップを繰り広げているのは当然ながら誰でも想像はできるのですが、噂がいかにも事実として世の中に流れてしまうってのはやはり憂慮すべきでしょう。そうして、噂を聞きかじった人は…。いずれにしても、G5をリリースすることは周知の事実ですが、現在モトローラが公開しているG5プロセッサは、オールインワンチップ的なもので、AltiVecが入っていないタイプのもののはずです。たぶん、高性能ルータとかを作るためのものじゃないかと思います。もっとも、Appleくらいの需要があれば、それ向けにチップは作るでしょうし、MacintoshのG5マシンが登場したときに初めてMotorolaも開発したことを公表するのでしょうね。もちろん、クロックアップは手っ取り早いパフォーマンス向上の手段ですけど、Mac OS Xの世界となった今は、むしろCPUを複数並べるという方向性も意味があると考えます。Sunのサーバみたいに。ただ、現状のCPUではたくさん並べてもパフォーマンスが上がらないとかで、マルチCPUを効率的に動かす仕組みを模索している段階みたいです。Motorolaも、RapidIOとかを提唱しています。ただ、そうなっても、スレッド化されていない一直線なアプリケーションではやっぱりパフォーマンスは出ません。そうなると、ソフトウエアもマルチCPUに向けて作らないと意味はなくなります。もちろん、スレッド化の機能はOSにはしっかりあるわけですが、プログラマからすると、マルチスレッド化をやりやすいツールを作ってくれという話になるでしょう。たとえば、プログラムソースから生成されるオブジェクトをにらみながら、グラフィカルなツール上で、これとこれは同じスレッド、こいつは独立スレッド…みたいに設計できるようなツールがあれば嬉しいということも言えるわけです。でも、そうした取り組みもそう簡単には行かないでしょうね。いずれにしても、単純ではないということですか。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


ディアイティより次世代のワイアレスネットワーク802.11a対応製品がリリース

ディアイティは、ワイアレスネットワークIEEE 802.11a規格の製品を出荷する。AirMacをはじめ、現在普及しているのは802.11b規格であるが、802.11aは5GHz帯を使い最高で54Mbpsのネットワーク接続を無線で行うための規格である。暗合化には152ビットを利用するなど、よりセキュリティレベルは高い。ディアイティが発売するのは、Proxim社の「Harmony 802.11a」ファミリー製品で、発売は2001年12月15日を予定している。端末側のアダプタとしては、PCカードタイプの「Harmony 802.11a PC Card」(\39,800)とPCIカードタイプの「Harmony 802.11a PCI Card」(価格未定)がある。Windows 2000/Me/98SEには対応しているが、Windows XPとMac OSについては近日対応となっている。アクセスポイントは「Harmony 802.11a Access Point」が用意されていて、\125,000となっている。ほかに、アクセスポイントを集中管理する「Harmony Access Point Controller」(\235,000)、複数のアクセスポイントにEthernetケーブルで電源を供給する「Harmony Power System」(\110,000)もあり、大規模あるいは安定性の高いワイアレスネットワーク構築にも対応する。

関連リンク:Harmony/SkyLine製品
カテゴリ:周辺機器, ネットワーク


Browsing Mac OS X》Security Update 10-19-01で変わったところ

ちょっと古い話題になってしまっているが、Mac OS X 10.1の最初のアップデートは、セキュリティホールの対策であった。Security Update 10-19-01としてリリースされたものをすでに適用しているユーザも多いと思う。これは、NetInfo Managerとか、Disk Utilityといった、rootとして実行するアプリケーションにおいて、アップルメニューの「最近使った項目」からアプリケーションを実行すると、そのアプリケーションもrootの権限で実行できてしまうというものだ。もちろん、root権限で起動するという機能は基本的には問題はない。たとえば、NetInfo Managerだと、起動はできても、変更するにはログインしているユーザのパスワードを入力しないといけないので、基本的なガードはできている。また、rootとして動かさないとシステムの根本的な設定変更はできないこともあるし、アプリケーション上もそうしたニーズはある。rootとして動かすという機能はUNIXにもともと存在する機能なのである。
ただ、発見されたセキュリティホールにより、次のようなことができる。まず、あらかじめTerminalを起動し、一度終了する。そして、NetInfo Managerを起動して、「最近使った項目」からTerminalを起動すると、何もパスワードを入れてもいないのに、Terminalはrootユーザとして使えてしまうというわけだ。だから、Mac OS Xが起動していれば、誰でもそのマシンに向かってrootユーザになってしまうことができるということである。「最近使った項目」からの起動は、おそらくアクティブなアプリケーションのプロセスが別のプロセスを起動するためにそのようになるのだろう。基本的にはあるプロセスが別のプロセスを起動するときには、プロセスの所有者と同じアカウントの権限になるということだ。だから、rootが起動した前記のTerminalはrootによってログインされたのと同じになるということである。

しかしながら、Security Updateにより、こうしてTerminalを起動しても、ログインしているユーザの権限でシェルを使うようになる。いろいろ触っているうちに分かったのだが、こうした仕組みをプロセスの起動部分ないしはopenコマンドに組み込んでいる模様だ。プロセスの起動部分とは言っても、BSDレベルではなく、パッケージ化されたアプリケーションの起動部分あたりと思われるが、少なくとも、openコマンドでの起動では、たとえば、sudo open ...などとしても、openコマンドで起動したアプリケーションの所有者はrootではなくログインしているユーザになっているのである。つまり、openコマンドを使う限りは、root権限でアプリケーションを起動することができない。
これで、セキュリティ的な問題点は解消されたものの、一方で、ちょっと不便な面も出てきてしまった。というのは、たとえば/etc/hostconfigファイルを修正するのに、TextEditを使い場合、これまでだと「sudo open -e /etc/hostconfig」というコマンドでOKであった。これによりTextEditがroot権限のプロセスとして起動され、rootにしか書き込み権限のないhostconfigファイルをTextEditで書き換えることができたのであるが、そういう手段が使えなくなってしまったということになる。セキュリティを厳しくすることである程度不便になるのは仕方ない…と思うしかなさそうだ。
ただ、TextEditの場合、パッケージの中のContents/Mac OS/TextEditというバイナリファイルをコマンドとして直接実行するということをsudoコマンドで行えば、とりあえず強引ながらrootとして実行することは可能だ。だったらsuコマンドでも同じという話もあるけど、suコマンドを使うには、NetInfo Managerでrootのログインを許可するということが必要になる。いずれにしても、あまり手っ取り早い方法でもなさそうである。やっぱり、rootでないと変更できないファイルの修正作業は、picoとかviをTerminalで使うのが手早いと言えるだろう。

カテゴリ:Mac OS X, Browsing Mac OS X


REALbasic 3.5.2がリリース、日本語のアプリケーション名の問題などが解消

REAL Softwareは、開発ツールのREALbasic 3.5.2の英語版を公開した。現在、Ver.4のアルファリリースが始まっているが、完成版としての最新版はVer.3.5.1であった。Ver.3.5.2では、日本語のアプリケーション名でもplstファイルをきちんと作成できるようになった。また、Officeのプラグインではドラッグ&ドロップによるクラッシュが発生しないように修正された。また、Mac OS X 10.1でクラッシュが発生する不具合を解消した。IDEから実行したときのリソースのロードが失敗する点についても解消されている。なお、日本語版については、Ver.3.5.1が配付されており、執筆時点ではVer.3.5.2についてのアナウンスはない。

関連リンク:REAL Software’s Downloads
カテゴリ:REALbasic