Macintosh Developer Online (MDOnline)


2002年2月12日発行号 - 新コーナー



先週2月8日号がなくて2月9日号となりましたが、AppleScript UGのセミナーの後に飲み会があったため日付けをまたいでの発行となりました。ところが、会社の回線トラブルで、実際にメールが届いたのは9日の午後になってからでした。申し訳ありません。このところ、So-netのADSL回線がよく落ちるのですが、3連休初日に会社に誰もいるわけでもないので、仕方ないのでリモートでルーティングを変えて、なんとかメールを出せるようにしました。サーバは東京めたりっくの回線なんですが、DNSが使えないとメールは出せません。そのDNSの通信をSo-net側の回線を使うようになっていたのが敗因でした。もちろん、So-netの回線が落ちても使えるようにDNS設定を再配置しました。それで、9日の発行のレコードの書き込みがなんか変で、Webサイトだと2つあります。一方はそのうち消しますので無視して下さい。たまーにCGIのリクエストが2回出るんですよね。これって何が問題なんだろう…。
「Around the System and Development」というコーナーを開始しました。どんなコーナーにするかを考えていたのですが、雰囲気がなんとなく見えてきたので、とりあえずはじめてみます。英語のタイトルにするのは別に意味はないのですがちょっと長いですね。「開発」を入れるかどうかは迷いました。さっそく、明日に1発目を流します。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


【訂正】Mac OS XではWebSTARを使えばAppleScriptのCGIは稼働できる

2002年2月7日発行のMDOnlineで「Mac OS XでAppleScriptベースのCGIを稼働させるアダプタ」として、acgi dispatcherというアプリケーションを紹介した。そこで、Mac OS XではAppleScriptベースのCGIプログラムを稼働できないと紹介したが、標準では稼働できないものの、他に稼働する方法があったので、追加情報として訂正させていただきたい。Mac OS Xで稼働するWebサーバであるWebSTAR Vを利用すると、Mac OS XでもAppleScriptで作られたCGIの稼働は可能である。

関連リンク:4D WebSTAR V
カテゴリ:サーバー製品


OmniGroupがMac OS X向けアプリの日本語化ボランティアを歓迎

Mac OS X向けのアプリケーションソフトをいくつもリリースしているOmniGroupであるが、日本語対応についてはなかなか手が回らないようだ。OmniGroupが開発したソフトの利用者である伊東仁氏が要望や質問をメールでやりとりする中で、OmniGroupの担当者とやりとりをしたところ、日本語のローカライズをするボランティアに名乗り出てくれることを歓迎しているという主旨のメッセージを受け取ったそうだ。ドローソフトのOmniGraffleとアウトラインソフトのOmniOutlinerについて、日本語化の必要性は認識しているもののそこまでの作業ができず、ボランティアとしてやってくれる人がいれば歓迎するということのようである。興味がある人は、OmniGroupのMolly Reed氏(info@omnigroup.com)まで直接連絡をしてみてもらいたい。

関連リンク:OmniGroup
カテゴリ:業界動向


Around the System and Development》新コーナーをはじめました

新しく始めるこのコーナー「Around the System and Development」は、システムや開発にまつわるさまざまな話を不定期にお送りしたい。システムや開発となると、知りたい情報は個別のことだ。たとえば、どうすればハードディスクを復旧できるかとか、システム機能を使うにはどういうAPIコールを使うとか…。もちろん、そうした詳細な情報が重要であり、MDOnlineではなるべく細かいところまでをカバーしようと心掛けてきた。しかしながら、その一方で、システムや開発の基本的なところを知りたいというご要望もいただいている。最近ではプログラミングの原理とかその前段階を解説する本がベストセラーとなっているが、プログラミングを知っていないと理解できない内容だったりと、それはそれで敷き居は高い場合もある。だけども、その種の情報のニーズがあることは確かなようだ。
また、みなさんの身の回りにも、システムをよく知っている人とか、あるいは勘の鋭い人っているだろう。もちろん、才能という側面もあるが、そうした人たちは多くの場合、ある種の基礎ができている。デジタルデータや情報というものの扱いの基礎であり、コンピュータの動作に直結した考え方や論理的な思考ができるといった類いだ。だったら、そのことが書いてある本を読みたいと思うかもしれないが、そういわれてみれば、まとまった本はない。あえて言えば、システムを理解するフィーリングというのはなかなか簡単には言葉では伝えられないものなのである。
だが、MDOnline読者のみなさんは、おそらくはシステムをより深く理解しようとか、あるいはプログラミングを書けるようになりたいということは思っていらっしゃるだろう。すくなくとも、バックアップをしてもいないのにデータの復旧ができないとおこりだすような方々ではないと思う。もちろん、ベテランでスキルの高い方もいらっしゃるのではあるが、エントリーレベルの方々もいらっしゃるだろう。そこで、エントリーレベルの方々、あるいは長年使っていてもなにか深入りできないと思っている方々に向けて、Macintoshそしてコンピュータを深く知るための連載として開始したいと考える。難しいテーマではあるが、チャレンジしてみたい。

もちろん、取り上げてほしいネタなどがあれば、大歓迎なので、メールをいただきたい。素朴な疑問でも、ディテールにこだわったものでもかまわない。また、こうしたネタは筆者のひとりよがりになりがちでもあるだろうから、分かりにくかった点などは遠慮なく指摘していただきたいと考える。さっそく、まずは0と1といった基本的な話から、16進数に慣れていただき、コンピュータのメモリやストレージをイメージできるようなところへの話から入りたいと考えている。

カテゴリ:Around the System and Development


Mac OS Xでの印刷ソリューションProject-MがASPサービスにも対応を予定

Softmagic社は、NeXTSTEP向けのソフト開発や、あるいは韓国語のPostScriptフォントのメーカーなどで名前が知られているが、最近では、XML、PDFといったテクノロジーをベースにした出版システムをリリースし注目を集めている。レイアウトソフトが中心のDTP業界であるが、Softmagicのアプローチは少し違っている。2002年2月のPAGE2002では、「Mac OS X Solutions」のコーナーで展示を行なっていたので、デモを含めて話をうかがいうことできた。同社では、Project-Mとして雑誌向けの制作システムをリリースしているが、レイアウトのひな形を作っておき、一方でRitch Textフォーマットで原稿のテキストを作り、そして写真などのビジュアルを画像ファイルでサーバにアップロードする。そうすれば、サーバー上でページレイアウトをしてしまったPDFを作ることができ、さらに面付けまでしてしまうというシステムである。こうした機能がMac OS X Serverで稼働しており、PDFの生成は、つまりはQuartzで行っているということである。また、XMLベースでの原稿制作にも対応しており、同じ記事を複数の言語で用意してそれぞれのレイアウトを作るといったことができるのである。クライアントソフトウエアも含めて、すべてがMac OS X上で稼働するパブリッシングソリューションだ。こうしたシステムやソフトウエアを販売しているのであるが、同社では数カ月以内にASPサービスを開始する予定だ。スポット的な制作システムの利用や、あるいはサーバ管理までができないような編集部ではASPサービスは望まれる形態かもしれない。なお、同社では、カタログ制作や、あるいは書籍制作といったシステムも将来的に計画している。

関連リンク:Softmagic
カテゴリ:グラフィックス, サービス


QuickTimeムービーのスキンエディタをリリース

FEELORIUMは、QuickTimeムービーのスキンを作成するエディタ「Tattoo」をリリースした。$23となっているが、デモ版をダウンロードして利用できる。Mac OS X 10.1以降での利用となっている。QuickTime Playerは、スキンとして、ムービーの周囲やあるいはウインドウのデザイン、さらにはコントロールのデザインを任意にカスタマイズできる。プレイヤのスキンというよりも、こうしたスキンはムービー自体に割り当てられるため、ムービーのコンテンツとスキンをマッチさせるということに使われる。Tattooを使えば、グラフィックスとムービー、そしてコントロールボタンをウインドウ上で合成して、スキン付きのムービーを作成できる。ボタンはポップアップメニューで機能を割り当てたりグラフィックスを割り付けるなど、ドローソフト感覚でスキン付きムービーを作成できる。サイトにあるバレンタインデー向けのサンプルスキンムービーを見れば、どんなムービーを作成できるかが一目瞭然だろう。

関連リンク:Tattoo 1.0
カテゴリ:オーサリング系, QuickTime


ディレクトリサービスのプラグインなどを開発するためのSDKがリリース

Mac OS Xのディレクトリサービスに関連したSDKがリリースされている。ディレクトリサービスの機能を使えば、NetInfoに限らずにさまざまな種類のサービスに適用できるが、そのためのプラグインが必要となる。SDKでは、プラグインを作成するための情報や、プラグインのひな形となるテンプレートがCおよびC++用に用意されている。いずれも、Project Builder用のプロジェクトなどのセットになっている。また、ディレクトリサービスのAPIを使ったサンプルプログラムについても含まれている。

◇Directory Services SDK
 ftp://ftp.apple.com/developer/Development_Kits/DirectoryServicesSDKv1.0.dmg.bin

なお、ディレクトリサービスについての一般的な情報は、以下のページでリファレンスなども含めて公開されている。

◇Using Directory Services Overview
 http://developer.apple.com/techpubs/macosx/Networking/DirectoryServices/index.html

カテゴリ:アップルからの開発資料, ネットワーク


QuickTimeは1カラーあたり8ビットだけでなく16ビットにも対応

Technical Q&Aに、QuickTimeが1チャンネルあたり8ビット以上の画像フォーマットに対応していることが掲載されている。1チャンネルあたり16ビットを使う、48ビットのRGBや64ビットARGBといった画像フォーマットに加え、32ビットのアルファチャンネル付きグレースケールや、16ビットのグレースケールにも対応している。GWorldを生成するときに、適切なパラメータを渡すことで、こうした画像フォーマットに対応できる。1チャンネルあたり16ビットの画像フォーマットの入出力や、8ビットとのコンバートにも対応している。ただし、QuickDrawはこれらの画像フォーマットに対応していないので、生成されたGWorldに描画処理を行う場合にはQuartzを使わなければならない。

関連リンク:QA1114: 48 bit & 64 bit Pixel Format support in QuickTime
カテゴリ:Technical Q&A, QuickTime


QuickTimeでのエクスポートを行うAPIでのエラーについて

QuickTimeのAPIであるMovieExportFromProceduresToDataRefを使ってのエクスポートで発生するエラーについての解説文書が、Technical Q&Aに掲載されている。エクスポート先の指定方法などでいくつかの状況を試した結果のエラーであるが、エラーが発生しても問題ない場合もあり、そのときにはエラーを無視するといいことなどが掲載されている。Data Handler関連の機能を使ってQuickTime対応のアプリケーションを作成している場合には、細かい内容も書かれているので、一読しておくとよいだろう。

関連リンク:QA1116: couldNotResolveDataRef (-2000) returned from DataHSetDataRef and OpenADataHandler
カテゴリ:Technical Q&A, QuickTime


Mac OS Xではスタティックリンクは使わないようにする

バイナリをスタティックにリンクすることができないと言う問いに対する回答がTechnical Q&Aに掲載されている。スタティックリンクは、システムの更新などにともなっての互換性が確保できなくなることなどがあるため、勧められないということが説明されている。そうした時のメンテナンスを自分でやる必要があるため、基本的にはダイナミックリンクするようにということが記載されている。

関連リンク:QA1118: Static linking of user binaries on Mac OS X
カテゴリ:Technical Q&A, 開発情報


IOKitでのエラー番号の解釈について

IOKitのエラーに関する解説がTechnical Q&Aに掲載された。IOKitのエラーは32ビットの桁となっているが、6桁がシステム、12桁がサブシステム、14桁がエラーコードを示している。エラーコードから各情報を分離するためのマクロがmach/error.hに定義されているのでそれを利用する方法なども解説されている。

関連リンク:QA1075: Making sense of IOKit error codes
カテゴリ:Technical Q&A, 開発情報


KBase》Mac OS XでCD書き込み途中で中断した後の容量を回復させる方法

Mac OS XのCD-RWドライブの書き込み機能では、書き込むCDの大きさに応じて、かなりの容量のディスクスペースを一時的に使う。しかしながら、書き込み処理が何らかの理由で中断された場合には、その領域が残ってしまって、ディスクの空き容量を圧迫してしまう。その場合は、Mac OS XのCD-ROMで起動し、InstallerからDisk Utilityを起動して、修復の作業を行なうことで、ディスクスペースを解放することができる。もし、CD-ROMがない場合やCDドライブがない場合には、シングルユーザモードでログインをして、fsckコマンドを2回適用することでも、ディスクスペースの解放を行うことができる。

関連リンク:Mac OS X: Use Disk Utility If CD Burn Is Interrupted
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), メディア制作


Mac OS 9向けのAirMac 2.0.1日本語版アップデータが公開

Mac OS 9向けのAirMac 2.0.1が公開された。初期のグラファイトタイプのAirMac BaseStationのファームウエアのアップデートを行える。アップデートにより、PPPoE等の機能が向上する。AirMac 2.0では、128ビットの暗号化通信に対応している。

関連リンク:AirMac 2.0.1 for Mac OS 9
カテゴリ:ネットワーク


KBase》Mac OS XのAppleScriptで使われるファイルの拡張子

Mac OS Xではファイルの拡張子でファイルの種類を区別するが、AppleScriptで使われている拡張子がKnowledge Baseの文書でまとめられている。スクリプトプログラムをおさめられたテキストファイルでは.applescript、コンパイルしたっけ化をおさめるのは.scpt、スクリプト機能拡張は.osax、スクリプト用辞書は.asdictionaryとなっている。

関連リンク:Mac OS X AppleScript: File Extensions Supported by AppleScript
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), AppleScript


【MacWIRE配信予定】MDOnline Digest》2002年2月第2週のMDOnlineから

――――この原稿は、MacWIRE様に掲載していただくための原稿で、MDOnline読者様向けにはすでに周知の事実も含まれていますが、あらかじめご了承ください。

Macintosh関連の開発情報や技術情報をお届けしている有償の日刊メールマガジン「Macintosh Developer Online(MDOnline)」で、2002年2月第2週にお届けした内容のダイジェストを紹介しよう。

大きなニュースとしては、iモード対応のファイルメーカーの記者発表が行われ、製品の内容が明らかになったことだ。Webサーバ機能をCompactHTMLで生成できるようにした製品であるが、容易にデータベースをiモードから参照や更新ができるようになると同時に、無制限アクセスや業務向けのアプリケーションが付属するなど、ビジネス利用を促進する形態となっている。

2002/2/5●iモード用のファイルメーカーを披露、Web経由で利用できるサーバ製品

Mac OS Xに関する情報として、Mac OS 9での起動からXでの起動に、起動時に切り替える方法や、あるいは、ログインパネルに直前にログインしているユーザ名を表示させないようにする方法などが公開されている。

2002/2/4●KBase》起動時にXキーを押したままにして、起動システムをMac OS Xに切り替え
2002/2/4●KBase》ログイン時に以前にログインしていたユーザ名を表示しないようにする

連載のコーナーのうち、小池邦人氏の「プログラミング日記」では、Carbonアプリケーションでのウインドウ処理についての解説が行われた。森下克徳氏の「崖っぷちからWebObjects」ではWebDAVサーバで日本語のファイル名を利用できるようにするmod_encodingのビルド方法が解説された。

2002/2/6●小池邦人のプログラミング日記》2002/2/6<TransitionWindow()でウィンドウを移動させる>
2002/2/4●森下克徳の崖っぷちからWebObjects》番外編〜Mac OS Xでmod_encodingのインストール

「AppleScript Working」のコーナーでは、AppleScript Studioで、テーブルビューを使う方法や、Javaのプログラムを呼び出す方法、ポップアップメニューの利用方法を解説した。「今から始めるCocoaプログラミング」は、前回の補足として、NSBundleクラスの機能についての説明を行っている。

2002/2/6●AppleScript Working》3 _ AppleScript Studioでテーブルコントロールを使う
2002/2/7●AppleScript Working》4 _ AppleScriptからJavaを呼び出す
2002/2/9●AppleScript Working》5 _ AppleScript Studioでのポップアップメニュー
2002/2/4●今から始めるCocoaプログラミング》文書ファイルを扱うアプリケーションを作る(補足)NSBundle

★MDOnlineは、ローカスが発行するオンライン情報メディアで、日刊のメールマガジンを中心に、Macintoshの開発情報や技術情報をお届けしている。過去の記事はWebサイトですべて参照できるようになっている。Mac OS Xの話題を積極的に取り上げるとともに、Knowledge Baseの公開情報を要約するなどAppleからの情報をフォローし、開発ツールやシステム関連ユーティリティなどのサードパーティ情報も扱う。購読料は有償で、年間8,000円、半年5,000円、1か月1,000円(消費税込みの基準価格、支払い方法により金額が増減する)。購読はWebページから申し込むことができ、郵便振替、クレジットカード(QQQシステム)、WebMoneyやBitCash(プリペイドカードやクレジットカードでのオンライン購入)での支払いに対応している。
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