Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年10月26日発行号 - MDOnline-Mac OS 9のレビューを開始



今週末に日本でもMac OS 9が発売されます。MDOnlineでは、【Mac OS 9シリーズ】として、毎日の記事の1つとして、Mac OS 9からみのテーマを設定し、Mac OS 9についてレビューをしていきます。記事のタイトルに【Mac OS 9シリーズ】とあるものがそれで、画像については、GIFファイルへのアドレスあるいはリンクを記事に含めておきますので、クリックしてWebブラウザでごらんください。画像ファイルはパスワードがかかっていない領域にありますので、即座に御覧いただけます。
さて、実は事後に気がついたのですが、先週に開催された第1回のFreeBSDデベロッパーカンファレンス<http://www.freebsdcon.com/>で、Drawinがに関するセッションがあったそうです。アップルの担当者から、ロードマップなどがプレゼンテーションされたそうですが、それなりに聴衆も集まり、質問などが出るなど、それなりにコミュニティに受け入れられていたみたいです。ただ、新しいアナウンスはなかったとのおkとです。DarwinもFreeBSDも起源をたどると同じところに行き当たることからも、それほど異質でもないのかもしれません。DarwinがFreeBSDというすでに存在する大きなコミュニティと連動できるようになるとすれば、大きなプラスに働くと考えられます。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


【Mac OS 9シリーズ】ファンクションキーが使える

Mac OS 9では、ファンクションキーをアプリケーションの起動キーに利用できる「ホットファンクションキー」の機能が使える。ファンクションキーは一部のインプットメソッドなどではよく利用されていたかもしれないが、初期のMacintoshには存在しないものでもあり、何となく“DOSの世界のもの”的な見方もされてきたかもしれない。しかしながら、iBookでは画面明るさなどの変更にファンクションキーが使えるようになっているなど、ファンクションキーを積極的に使う動きもある。
Mac OS 9では、ファンクションキーの定義ができるが、残念ながらすべての機種で利用できるわけではないようだ。利用できるかどうかはコントロールパネルの「キーボード」を開き、以下のような「ファンクションキー」ボタンがあるかどうかで判断できる。
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Mac OS 9をインストールして、適当なファンクションキーを押してみると、次のようなダイアログボックスが出てくる。初期状態ではファンクションキーによって開くものが設定されていないので、このようなダイアログボックスが出てくる。
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「開く」ボタンをクリックするか、コントロールパネルの「キーボード」で「ファンクションキー」ボタンをクリックすると、以下のようなダイアログボックスが表示される。ここではファンクションキーの「F12」などの表示部分がボタンになっているので、クリックすることによってファンクションキーに割り当てるアプリケーションなどを指定できる。
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ファンクションキーのボタンをクリックすると、このようなナビゲーションサービスのファイル選択ダイアログボックスが表示される。どんなファイルでも選択できるようだ。つまり、「ファンクションキーによってファイルを開く」ということができると考えてよいだろう。
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たとえば、ここではF12に、デスクトップにあるSherlock 2を割り当てた。以後、F12キーを押すことでSherlock 2が即座にアクティブになる。
iBookの場合にはファイルを開く以外に、明るさやコントラストのコントロールなどが割り当てられるようになっているものと思われる。
また、ホットファンクションキーの機能が利用できる機種についての情報が得られなかったが、手もとにある機種では、B&W G3では機能したが、Power Macintosh 7600/200では機能しなかった。また、ヘルプにはほんの少ししかホットファンクションキーの記述が見られない。使えない機種があることに対する配慮なのかも知れないが、使えるか使えないか情報など提供すべき内容はいろいろはずだ。

カテゴリ:Mac OS 9, Mac OS 9


MN128mini-VがiBook、iMac DVとのUSB接続で問題発生、対応は11月

NTT-MEが販売するISDNターミナルアダプタの「MN128mini-V」は、iBookとiMac DVに関してのみ、USB接続での利用ができないことが判明し、同社のページで告知された。その他の機種およびシリアルポート接続では問題なく機能する。修正は11月上旬に行う予定だ。

関連リンク:MN128mini-V と iBook・iMac DV の接続について
カテゴリ:周辺機器, iBook, iMac


マルチユーザー環境で、アプリケーションが起動しない場合に考えられること

Tech Info Libraryに「60637:Mac OS 9: Multiple Users - Microsoft Applications Won’t Launch」という文書が追加された。マルチユーザーで利用するようにした時、登録ユーザーでログオンしても、Internet Explorer 4.5が起動できないということが発生する。たとえば、Microsoft社のアプリケーションの場合、はじめて実行する時にMicrosoft First Runというアプリケーションが起動して、必要なライブラリなどをシステムフォルダにインストールする。たとえ、Office98のアプリケーションが実行可能なように設定されていても、Microsoft First Runが実行できないためにアプリケーションの実行ができなくなることがある。これを避けるには、所有者のログオン状態でユーザーに制限付きやパネルのアクセス権設定をする前に、Internet ExplorerやWordなどのアプリケーションを1度は起動しておく。その後でユーザー設定をすると、現在のシステムフォルダの状況が反映されるので、制限付きユーザーでログオンした場合でも、Microsoftのアプリケーションは機能する。このことは、Microsoftのアプリケーションに限らず発生しうる問題だと言える。

関連リンク:Mac OS 9: Multiple Users - Microsoft Applications Won’t Launch
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


マルチユーザー利用での、デスクトップの再構築

Tech Info Libraryに「60632:Mac OS 9: Multiple Users - Rebuilding The Desktop File」という文書が追加された。マルチユーザー環境の場合、Finder起動時にCommand+optionキーを押したままでも、デスクトップが構築されないことがある。これは、ファイルアクセスに制約がかかっている場合で、制約のないユーザーでログオンするときに再構築をするか、あるいはマルチユーザー設定を切って再構築を行えばよい。

関連リンク:Mac OS 9: Multiple Users - Rebuilding The Desktop File
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


Sherlock 2では従来のプラグインは「検索」のみに利用可能

Tech Info Libraryに「60638:Mac OS 9: Do Older Plug-ins Work With Sherlock 2?」という文書が公開された。従来のSherlock向けのプラグインがSherlock 2で使えるかどうかを記載してある。従来のものはチャネルタイプが「検索」の場合には使えるものの、「人々」「ニュース」「ショッピング」に対しては、新たに作ったプラグインが必要になるということだ。

関連リンク:Mac OS 9: Do Older Plug-ins Work With Sherlock 2?
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


Mac OS 9のコンパチビリティについての文書

Mac OS 9に関連したコンパチビリティに関する文書がいくつかTech Info Libraryに追加された。それらをまとめてお届けする。

60465:Mac OS 9: PowerPrint USB Compatibility
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60465
Infowave社のPowerPrint USBは、USBアダプタを使ってPC向けのプリンタに印刷を可能にするが、Ver.4.5.4、4.5.5、4.5.7はMac OS 9では機能しない。Mac OS 9対応版は11月中旬頃にリリース予定としている。

31117:AppleWorks 5: Spreadsheet Selected Cells Turn Black
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31117
B&WのG3で、AppleWorks5の表計算を使っていると黒く塗りつぶされて文字が見えないことがある。これは、Mac OS 8.5.1/8.6に見られ、Mac OS 9では修正されており発現しない。また、256色あるいはフルカラーにしても問題はなくなる。

60515:Mac OS 9: Troubleshooting NSL Used By Network Browser
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60515
ネットワークブラウザで、Network Services Locationの機能を使った場合のトラブルシューティングが3項目掲載されている。コンピュータが参照できないのはDNSの設定に問題があるとか、ルータがマルチキャスティング対応でないといけないなどが記載されている。

60537:Mac OS 9: Color StyleWriter 4000, HP DeskJet 600 Require Updated Driver
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60537
Color StyleWriter 4000とHP DeskJet 600のプリンタドライバは、Mac OS 9では使えない。現在開発中でほどなく入手できるとしている。Color StyleWriter 4000のドライバはMac OS 9のインストール時に自動的に削除される。

60587:Mac OS 9: Reinstalling StyleWriter Printer Drivers
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60587
StyleWriterシリーズのプリンタは、Mac OS 9をインストールした場合に組み込まれていないことがある。再インストールで適切なドライバをインストールする。機種ごとに、どのドライバをインストールすればいいかが記載されている。

60571:Mac OS 9: Using Acrobat PDF Documents
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60571
Mac OS 9では、PDFはAcrobat Reader 4を使って読む必要がある。Acrobat ReaderはMac OS 9のCD-ROMにある。それ以前のバージョンのReaderはMac OS 9での利用ができない。

カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


iMac UpdateはMac OS 9には適用しない

Mac OS 9にiMac Updateを適用するとトラブルが発生する。周辺機器のソフトウエアのインストーラが勝手に入れることもあるので注意が必要になる。このことに関連したTech Info Libraryの文書が以下のように公開されている。

60590:Mac OS 9: iMac Update 1.0 Is Not Necessary
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60590
Mac OS 9を組み込んだiMacには、iMac Update 1.0を組み込む必要はない。また、組み込んではいけない。

60639:Mac OS 9: Freezes On Startup After Installing Software For USB Device
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60639
USBドライブをiMacにインストールするとスタートアップ時にフリーズする。これは、iMac UpdateをMac OS 8.5以降で適用すると発生する。サードパーティのプログラムが自動的にインストールしてしまう場合もあるので注意が必要だ。もしインストールしてしまったら、Mac OS 9を上書きで再度インストールすればいい。

カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iMac, Mac OS 9


AppleShare IPでユーザーやグループの共有にはTCP/IPが必要

Tech Info Libraryに「25033:AppleShare IP 6.2: Shared Users and Groups Requires TCP/IP」という文書が追加された。AppleShare IPでは、ユーザー名やグループをネットワークで共有する機能があるが、この機能はTCP/IPを使用しているので、TCP/IPが使える状態になっていないといけない。

関連リンク:AppleShare IP 6.2: Shared Users and Groups Requires TCP/IP
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), サーバー製品


AppleShareでのメールデータベースの作り直し

Tech Info Libraryに「25032:AppleShare IP 6.2: Creating New Mail Database Without Losing Messages」という文書が追加された。メールのデータベースが崩壊してメールの送受信ができなくなった場合に、現在存在するメッセージを削除しないでデータベースを構築したくなる。その方法が記載されているが、手順を示して詳しく書かれている。メールの内容を書き出しておき、データベースを作成ののちに取り込むということを行う。

関連リンク:AppleShare IP 6.2: Creating New Mail Database Without Losing Messages
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), サーバー製品


USBケーブルの最大の長さ

Tech Info Libraryに「31116:USB Cable: Maximum Cable Length」という文書が追加された。12Mbpsのフルスピード時には5m、1.5Mbpsの低速時には3mがケーブルの長さの上限になる。ハブを5つまで接続できることから、たとえばフルスピード時には30mまで延長できるということになる。

関連リンク:USB Cable: Maximum Cable Length
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器


USBフロッピーでのキーディスク解除の機能拡張がMac OS 9対応

PACE Anti-Piracy社は、ソフトウエアの不正コピー防止システム「InerLok(r)」を販売しているが、プロテクトの形態の1つとしてオーソライズされたフロッピーディスク(キーディスク方式)による方法が利用できる。ただし、こうした機能がSonyのフロッピードライブで機能するように作られているため、USBタイプのフロッピードライブでも動作させるために、同社はUSB Floppy Enablerを用意し、イメーションなどのUSBフロッピードライブを使っている場合でも、Sonyのドライブをエミュレーションを可能にして、プロテクトの解除などができるようにしている。そのUSB Floppy EnablerのVer.2が登場し、Power Mac G4に対応するとともに、Mac OS 9での動作も可能にした。USB Floppy Enablerは、PACE社のWebサイトからダウンロードできる。

関連リンク:PACE Anti-Piracyユs USB Floppy Enabler Version 2.0
カテゴリ:OS関連ソフトウエア, Power Mac, Mac OS 9


Drawinの初心者向けWebページ

Drawinの利用方法を初心者向けに解説、インストール方法や基本的な利用方法などがまとめられている。
バージニア大学の学生であるKeith Shepherd氏によって開設された「Darwin OS Beginners Guide」は、オープンソース化されたMac OS X Serverのコア部分であるDarwinの初心者向けページである。インストール方法は少しシンプルだが、CD-ROMのマウント方法や、もっとも基本的なコマンドの簡単なサマリー、トラブルシューティングなどがまとめられており、これからDarwinにとりかかろうという人にとっては、基本的なことがシンプルにまとめられていると言えるだろう。ただし、ページの制作者もビギナーであることが記載されており、まだ、詳細な情報源とまではなり得ていないとも言える。今後に期待したいサイトである。

関連リンク:Darwin OS Beginners Guide
カテゴリ:Mac OS X Server


Mac OS X ServerのSambaに関するページ

Windows向けのファイルおよびプリントサーバー機能を提供するSambaについて、Mac OS X Serverでの利用方法などを集めたページ。
Kenyon大学のBrent R. Shank氏が運営する「Samba on Mac OS X Server」は、Sambaの公式サイトやあるいはメーリングリストなどを情報源として、Mac OS X ServerでのSambaに関する情報を集めることを目的としたページだ。Sambaのダウンロードができ、NTドメインのユーザーにをSambaで認識させる方法など、冒頭からコアな内容となっている。いくつかのテーマについては執筆中となっている。

関連リンク:Samba on Mac OS X Server page
カテゴリ:Mac OS X Server


WebObjectsのアプリケーションにBasic認証の機能を組み込む方法

Stepwise社のWebサイトで「Basic authentication with WebObjects」という文書が公開された。Jan Willem Luiten氏によるもので、Webアクセスにおいて、ユーザー名とパスワードを入力したユーザー認証の代表的なBasic認証を、WebObjectsで実現する方法とサンプルコードが記載されている。Basic認証によるアクセス制限は、ApacheなどWebサーバー側で完全に記述できるが、認証の作業自体をWebObjectsベースのアプリケーション側で行う方法が記載されいてる。文書では、Basic認証の基本なども書かれている。作成されたサンプルのアプリケーションもダウンロードできるようになっている。有償サイトで、会員のみがアクセスできるようにしたいような場合、Basic認証が1つの確実なソリューションだが、Apacheに附随する基本機能だけだと、ユーザー管理との連動が問題になる。WebObjectsのアプリケーションでユーザー管理と系統的に認証作業が一体化できる点では、重要な技術と言えるだろう。

関連リンク:Basic authentication with WebObjects
カテゴリ:サードパーティの開発資料, WebObjects


InstallAnywhereのEnterprise Editonがリリース、カスタマイズなどに特徴

Zero G Software社は、Javaで作られたアプリケーションなどのインストールしたり必要な設定を行うインストーラ作成ソフト「InstallAnywhere」のEnterprise Editonをリリースした。価格は$1995だが、試用版も配付されている。InstallAnywhereは、上位版からEnterprise、Standard、Express、Nowの4つのエディションがあるが、InstallAnywhere Nowはフリーで配付されている。
InstallAnywhereは、いずれのバージョンでも、ダブルクリックして起動可能なインストーラの作成が可能で、Java VMの組み込みやプラットフォームごとに組み込むファイルの追加もでき、MRJ 2.1にも対応していてMac OS特有のオプションも用意されている。Enterprise Editonでしかできないこととして、カスタムコードを追加したり、独自のユーザーインタフェースを構築することや、シリアル番号やパスワードの入力機能などがある。

関連リンク:Zero G Software Home Page
カテゴリ:開発ツール, Java, 開発ツールその他


マイクロソフトがIT人材を公開募集、内定者には300万円のボーナス

日本のマイクロソフトは、大企業向けサービスのコンサルティング部門を強化するため、200名のITコンサルタントを採用することを発表した。今年中に採用が決定すれば、300万円のボーナスも支給される。Windows 2000の登場も近いが、大企業を中心としたエンタープライズ市場に強くコミットできるように、人的資源を強化するねらいがある。現在、コンサルティング部門には100人の人員が配置されているが、300人体制に強化する。こうした人材募集の告知を、発表だけでなく、新聞や雑誌などでも展開するということで、マイクロソフト自身が「ITコンサルティング部門を強化している」ことを浸透させるねらいがあるだろう。ただ、ある意味では公開引抜きとも見られなくはない。300万円のボーナスは、移籍を速めるねらいと、話題性をふりまくねらいがあるだろう。

関連リンク:技術コンサルタント200名募集
カテゴリ:Windows, 業界動向


1999/10/25付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年10月25日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の末尾にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

30898:Mac OS 8.5: Sound Manager Out Of Memory Crash
24993:Mac OS X Server: Macintosh Manager - Resetting Default Password
30652:USB FAQ (3 of 4)
31086:Apple Software Install and Apple Software Restore: Differences
24838:Infowave Software, Inc.
58451:Power Mac G4 (AGP Graphics): Single Channel SCSI Cards May Interfere with Wake From Sleep

なお、最後のPower Mac G4でSCSIカードのスリープからの復帰がうまく機能しない点については、Mac OS 9で直っていることが追加されている。

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)