Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年11月16日発行号 - MDOnline-MRJ2.2EA3は出ない?



漢字Talk7.5.3がダウンロードできるようになったので、古いマシンでシステムをなくしてしまっているような場合には重宝するかも知れません。しかし、最近のマシンではここまで古いシステムは使えなかったりします。
別の雑誌の事を書くのはどうかとも思いますがと言いながら書いてしまいますが、Mac Fanの12月1日号で、AdobeのActiveShareにからんだ話を書いています。詳細は読んでいただくとして、デジカメ取り込み整理ソフトを無償で配付し、オンラインサービスのeCircleと組み合わせることで、コンシューマレベルのユーザーを取り込むという試みに注目しています。昨日、マイクロソフトとフォトネットジャパンが提携し、MSNユーザー向けにデジカメアルバム作成サービスを開放します。リクルートとeグループの提携も行われました。オンラインコミュニティはだいたい昨年あたりから出て来たかと記憶していますが、一気に成長したかと思います。コンピュータの大きな市場ではないでしょうか。そこにソフトウエアを早くも結び付けたAdobeはなかなか鋭いと思います。いずれにしても、いろいろなところにネタは転がっているというのは確かなようですね。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


MRJ 2.2の次期リリースはファイナル版?

MRJのメーリングリストで、MRJ 2.2EA3はリリースせずに、次はファイナル版をリリースすることが明らかになった。Appleの担当者からの言明ではあるもの、“公式見解”ではない。EA2(Early Release 2)は9月中旬にリリースされ、「秋には正式リリース」というのが公式見解だったが、これまでの経緯だと、1〜2カ月ごとに次のEA版が出るため、EA3が10月か11月の前半には出るのではないかと言うことが予測できた。しかしながら、EA3はリリースされず、最終版がいきなりリリースされることが濃厚となってきた。あとの興味はリリース時期だが、未だに見解は「秋」だ。12月が冬であるなら、今月中まであと2週間しか猶予がない。いずれにしても、MRJ 2.2の「誕生」は近い可能性が高まって来た。

カテゴリ:Java, Mac OSテクノロジー


【Mac OS 9シリーズ】キーチェーン(1)

 MDOnlineの読者方は、比較的ベテランの方が多いと思われるが、PowerTalkと言えば懐かしいと思い出していただけるだろう。PowerTalkには「鍵束」という機能があった。KeyChainの翻訳としてはあまり豪快な名前ではあったものの、機能そのものは大変に便利だったため、PowerTalkから切り離してその後も使えればよかったのにと考えてしまったものだ。その鍵束が、「キーチェーン」として、Mac OS 9で甦った。機能的にはおおむね当時の「鍵束」と変わりはない。サーバアクセスのためのアカウントとパスワードを、いくつも記録記録しておき、必要な時に自動的に送りだされる。最初にキーチェーンのロックを解除するパスワードを入力すれば、そこに登録されているパスワードやアカウントは自動的に利用されるというわけだ。AppleShareサーバーが何台もあるような環境では便利だし、アプリケーションが対応していれば、いろいろなアプリケーションで、パスワードやアカウントの送り出しを自動的にできる。
 Mac OS 9をインストールした最初は、キーチェーン自体が1つも存在しない。そこに新たにキーチェーンを作成するのだが、作成する方法としては、次の方法がある。


ここで、「ならば『ネットワークブラウザ』でアクセスする時も、キーチェーンに追加する指定をすればいい」と思いたいところだが、なぜか、ネットワークブラウザでは新たにキーチェーンを作成するとうことができなくなっているようだ。

 「セレクタ」でAppleShareのサーバをマウントする時、一覧にあるサーバ名をダブルクリックすると、次のようなサーバのアカウントとパスワードを入力するダイアログボックスが表示される。ここで、「キーチェーンに追加」のチェックボックスをオンにしておく。すると、入力したアカウント、パスワード、接続先がキーチェーンの1項目として追加される。
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 そしてログオンを行うがそのときに次のようなダイアログボックスが表示される。ここで「作成」ボタンをクリックすれば、新たにキーチェーンが作成される。「他をロック解除」はファイル選択のダイアログボックスが表示され、キーチェーンの元ファイルを選択するようになっている。
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 「作成」ボタンをクリックすれば、次のようなダイアログボックスが表示される。適当なキーチェーン名と、パスワードを2回入力し、キーチェーンを実際に作成する。なお、パスワードがたとえば1文字とか、ありきたりの単語だと、図の下側のようなダイアログボックスで警告がなされる。基本的にはさけるべきだが、利用環境などを考えて問題ないのなら、「はい」を選んでもかまわないだろう。
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 こうして「初期設定」フォルダにある「キーチェーン」フォルダに、実際にデータを記録するファイルが作成される。ファイル名はキーチェーンの名前と同一だ。

 キーチェーンはロックをかけて中身を参照できなくすることができる。ロックを解除するには、パスワードの入力が必要だ。起動直後は基本的にはキーチェーンにはロックがかかっている。キーチェーンを利用しようとする時、ロックを解除するためのパスワード入力が必要になる。次のようなダイアログボックスでパスワードだけを入力する。起動時にAppleShareのサーバをマウントするような場合には、このダイアログボックスが起動時に出てくる。あるいはマウントする段階で出てくることもあるだろう。
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 ここで実際にキーチェーンを使っていいかどうかを問い合わせるダイアログボックスが表示される。念のためと言うことではあるが、慣れてくれば、このダイアログボックスは表示しなくてもいいと思うだろう。その時には、ダイアログボックス内のチェックボックスをオンにして、以後は表示させなくすることも可能だ。
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 FTPクライアントソフトのNetFinderは、Mac OS 9以前からKeyChain Manager対応しているため、Mac OS 9のキーチェーンの機能はすぐに使える。ログインの設定画面の左下に2つのボタンがある。これは、キーチェーンに追加するボタンと、キーチェーンのロックを解除するボタンが付けられている。いずれにしても、NetFinderでログインすると、そのままで、キーチェーンにFTPサーバへのアカウントとパスワードが追加され、次のアクセスからは自動的にアカウントとパスワードが送りだされる。NetFinderでは基本的にはパスワードは保存されないために、毎回入力することになっていたが、キーチェーンを使えばそのような煩わしさがなくなると言える。
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 ところで、マルチユーザ機能とキーチェーンにはいい関係がある。もちろん、初期設定フォルダの中身なので、利用者ごとにキーチェーンが設定される。マルチユーザ設定によるログオン作業を行うと、キーチェーンのロックも解除されるのである。言い換えれば、ログオンによるパスワード入力だけで済み、キーチェーンのパスワード入力作業は行わなくても、キーチェーンは利用できるようになる。電源を入れたり再起動したときだけパスワードを入れればいいので、1人で使うマックでもマルチユーザ機能を利用すれば、キーチェーンの利用はより手軽になると言えるだろう。

カテゴリ:Mac OS 9, Mac OS 9


AirPort Base Stationの初期設定や初期化などの解説文書

Tech Info LibraryにAirPort関連の文書がいくつか公開された。特に、AirPort Base Stationの初期設定や、あるいは初期化の方法は、システム管理上必要な情報だろう。

58509:AirPort Base Station: Factory Default Settings and How to Reset
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58509
AirPort Base Stationのネットワークについての初期設定が一覧されている。IPアドレスや、パスワードは設定されていないなどが分かる。また、AirPort Base Stationでは、DHCPサーバの機能を持ち、NATの機能が組み込まれているとされている。

58510:AirPort: Base Station Extras Folder Contents
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58510
Base Station Extrasにあるファイルは設定ファイルと同じように見える。これは、設定やパスワードなどを忘れた時に、AirPort Base Stationに接続するために利用する。

AirPort Base Station: Performing a Hardware Reset (Forced Reload)
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58502
AirPort Base Stationとの通信ができなくなった時、ファームウエアの再ロードなどの初期化を行うしかない。その場合の手順が示されている。AirPort Base StationとマックをEthernetクロスケーブルで直接結ぶかあるいはハブ経由で接続し、リセットボタンを30秒押し続けるなど、かなり込み入った手順が1つ1つ解説されている。

58516:iBook: Wireless Antenna Placement When Not Used
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58516
iBookにAirPortカードを設置する時には、アンテナケーブルをロジックボードに接触させてはいけない。設置方法が写真入りで説明されている。

カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), PowerBook, iBook, ネットワーク


Core Foundationの開発関連文書がいくつか公開

CarbonとともにリリースされたCore Foundationについてのドキュメントが、以下のようにいくつか公開されている。単なるコンセプト説明だけでなく、具体的なサンプルコードを含めて公開されているので、すぐにでもプログラミングも可能な情報レベルだ。ただし、リファレンス部分までは作成されてない文書が多い。しかしながら、APIの利用方法の解説で、おおむね重要な部分は分かるだろう。いずれもオンラインで参照するだけで、PDFは用意されていない。

◇Core Foundation Overview
http://developer.apple.com/techpubs/corefoundation/overview/CFOverview/index.html
Core Foundationの概略を示した文書だ。Core Foundationの役割や利点などがコンパクトにまとめられており、プログラミングに必要な基本的な知識が得られるようになっている。リファレンスまでは含まれていないものの、Core Foundationを使おうというプログラマは、まずこの文書から読みはじめればよいだろう。

◇Base Services
http://developer.apple.com/techpubs/corefoundation/baseservices/CFBaseServices/index.html
Core FoundationのBaseサービスは、オブジェクトのルートに当たるような機能を提供する。基本的な考え方と利用方法が示されている。

◇Bundle Services
http://developer.apple.com/techpubs/corefoundation/bundleservices/CFBundleServices/index.html
Core FoundationのBundleサービスは、画像や文字列といったリソースや、アプリケーションあるいは実行モジュールを、パッケージとして扱う機能で、OSやあるいはファイルシステムがどんなものでも同様に機能するようなサービスを提供する。基本的な概念と利用方法がサンプルプログラムとともに記載されている。

◇Collection Services
http://developer.apple.com/techpubs/corefoundation/collectionservices/CFCollectionServices/index.html
Core Foundationに含まれるCollection Serviceは、オブジェクトを集合的に扱う機能をまとめたものだ。ArrayやSet、Treeなどクラスが用意されており、キーから要素を取り出したりするようなクラスも用意されている。その基本的なコンセプトと利用方法が示されている。一般的なリファレンスではなく、サンプルを含めた記事で紹介されているが、作成中の部分もある。

◇Property List Services
Core Foundationのプロパティリストサービスを利用すれば、名前付きのデータを集めたリストを構成できる。また、XMLファイルとして書き出したり、逆にXMLファイルからプロパティリストとして読み込むような機能も利用できる。
http://developer.apple.com/techpubs/corefoundation/propertylist/CFPropertyList/index.html

◇String Services
http://developer.apple.com/techpubs/corefoundation/stringservices/CFStringServices/index.html
Core FoundationのStringサービスは、文字列を記録し、その処理の機能を提供する。Unicodeとして文字列を記録しさまざまな文字列処理とともに、エンコード方式のコンバートや比較検索などの処理もできるようになっている。

カテゴリ:アップルからの開発資料, Carbon/CF


Carbon Overviewが公開、ただし内容は少ない

「Carbon Overview」という文書が公開された。以下のアドレスでオンラインで参照するか、PDFが得られる。しかしながら、大変短く、まさにオーバービュー的な内容しか記載されていない。プレビュー版という位置付けなので、今後改定されて内容が増えていくと思われる。こうした文書があるということを、心にとどめておく程度でいいだろう。

関連リンク:Carbon Overview
カテゴリ:アップルからの開発資料, Carbon/CF


米国アップルは年末年始は24時間体制でサポートを受け付け

Tech Info Libraryに「70131:Apple Enterprise Software 1999-2000 Holiday Hours」という文書が公開された。米国アップルのEnterprise Software部門は、1999年12月31日から2000年1月2日まではAppleCareのサービスとして24時間の電話対応を行う。3日からは通常とおりだが、2000年問題対策があれば優先的に対処する。

関連リンク:Apple Enterprise Software 1999-2000 Holiday Hours
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), サービス


Javaの3次元フレームワークがMac OSにも対応

3次元グラフィックスアプリケーション構築のためのフレームワークである「じゅんfor Java」がMac OSに対応した。MRJ 2.Xで稼動する。オープンソースとして無償で配付されている。SRAの何人かによって開発された。OpenGLを描画エンジンとして利用しており、AppleのOpenGL機能拡張も必要になる。フレームワークでは、点や平面、曲面などの回転などの操作、テクスチャマッピング、簡易アニメーション、VRMLとの相互変換などの処理ができるようになっている。

関連リンク:じゅんfor Java
カテゴリ:ライブラリ, Java


G4に付属のネジは、拡張ハードディスクの固定に使う

Tech Info Libraryに「58519:Power Mac G4: Purpose of Accessory Kit Screws」という文書が公開された。Power Mac G4のアクセサリーキットに4つのネジがついている。これは、ハードディスクを追加した場合に固定するためのもの。ハードディスクの設置方法等はマニュアルに記載されている。

関連リンク:Power Mac G4: Purpose of Accessory Kit Screws
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Power Mac


PowerBook、iBookのキーボードは同時に2つのキーは押せない

Tech Info Libraryに「58517:PowerBook: Keyboard Does Not Recognize Multiple Keys Held Down」という文書が公開された。PowerBookおよびiBookのキーボードは、Shiftキーなどを除いた通常のキーは2つは同時に押すことはできない仕様となっている。アプリケーションがそうした動作を要求するなら、外部キーボードを利用するしかない。

関連リンク:PowerBook: Keyboard Does Not Recognize Multiple Keys Held Down
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iBook, PowerBook


1999/11/15付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年11月15日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。なお、サードパーティの連絡先についての文書は省略した。

22104:Tech Info Library: Basic Search Techniques
17815:CloseView: Can it Do Screen Inversion Only?
17813:CloseView: Does Not Magnify Video Monitor Window
24004:CloseView: Known Compatibility Issues
30119:CloseView: Tips & Hints
7950:System 7: CloseView’s Command Keys
56963:ClarisWorks: Issues Using AppleScript to Save with XTND Translator
57379:ClarisWorks 5.0: Text Field Import Limited to 255 Characters (DB)
24204:Mac OS 8: Support For MacsBug
58403:Mac OS 8.6: USB Printer Compatibility
25038:Mac OS 8.6: Cannot Save AppleShare Login Password
26184:Support for Apple Scanners
22139:Original System Software Fulfillment
58325:PowerBook G3 Series (Bronze keyboard): Upgrading Memory
58256:Power Macintosh G3 and G4: Differentiating Between Available SCSI Cards
58504:AirPort Base Station: Setup Assistant 1.0 tips

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)