Java型のシステムのセキュリティ上の問題点
Javaアプレットのようなダウンロード型オブジェクトを利用した分散システムでは、ローカルのコンピュータに自動的にダウンロードされて自動的に実行されるという性質を持っているために、ユーザに知られることなくローカルのコンピュータの環境に影響を与える可能性を持っています。例えば、話題になった「Mellisa」などのウイルスは、自動的には実行されないものの、ダウンロード型オブジェクトの性質を一部利用しています。
また、一般のアプリケーションでもユーザに知られないところで、セキュリティやプライバシに影響を与えるような処理を行っている可能性があります。「Microsoft Word」などでユーザ固有の情報が密かに集められていたことなどが実例として存在します。
もちろんJavaには限らないのですが、JavaアプレットやJavaアプリケーションは、セキュリティを侵す可能性がないとは言えません。
Javaのセキュリティ機構
このような問題点に対して、Javaではいくつものセキュリティ機構を用意して、セキュリティ上の問題点を解決しています。Javaで使われているセキュリティ機構は、根本的にダウンロードされてくるプログラムを信用しないという観点に立つとともに、電子署名という技術を使い、利便性にも配慮した構造になっています。
Javaを使ってシステムを構築する場合、システム全体のセキュリティに配慮するとともに、利用者の利便性も考慮しなくてはいけなければいけません。そのためには、Javaで使われているセキュリティ機構を理解し、このセキュリティ機構に沿ったプログラムとシステム仕様の作成を行う必要があります。Java Security Reportでは、このために必要な情報を提供します。
Javaでの電子署名と暗号
Javaを使ったシステムは、ネットワーク環境を前提としていると言っても過言ではありません。ネットワーク上に情報を流す場合には、その情報そのもののセキュリティを考慮する必要があります。そのためにはプログラム中で使用する情報を暗号化したり、電子署名を作成する必要があります。JavaではこのためのAPIが用意されています。Java Security Reportでは、このAPIに関する情報も提供します。
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