第13回 - 2010/1/18
シミュレーションといえば、重い響きがあるかもしれない。以下は、Gooの国語辞典で検索してみた。
“シミュレーション[simulation]”の大辞林第二版からの検索結果 |
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物理的あるいは抽象的なシステムをモデルで表現し、そのモデルを使って実験を行うこと。実際に模型を作って行う物理的シミュレーションと、数学的モデルをコンピューター上で扱う論理的シミュレーションがある。工学上の設計や社会現象の分析などに用いられる。模擬実験。 |
つまりは模擬的にある種の状況を作り出し、結果を推測するもとにするのがシミュレーションである。もちろん、複雑なシミュレーションもあるが、まずは簡単な事例を出してみよう。
製品を作って販売するという状況を考える。ある商品を作るのに、月間1,500,000円の固定費と、1個あたり125円の費用がかかるとする。
1個あたり300円で販売するとすれば、月間に何個販売すれば利益が得られるか?
ほとんど方程式のような問題だが、これをワークシートに展開してみる →やってみます
ゴールシークという機能を使うと便利 →やってみます
赤字と黒字の中間点を「損益分岐点」といいます。
月間の販売個数と利益(粗利益)とのグラフを作りたいとします →やってみます
以上のような事例でも、立派にシミュレーションだと言えるでしょう。
マクドナルドはハンバーグが平日は半額で販売されていた(2000〜2001年と思われる)。常識的に考えれば、損をするような気もするのだが、利潤を追求する企業がそのようなことをするとは思えない。おそらく儲かっているに違いない。だけど、なぜ儲かるのかをシミュレーションで導き出したいとする。
しかしながら、マクドナルドの内部事情に詳しくない限りは、なかなか正確な数字を出すのは難しいといえる。その場合は、考えられる限りの情報を集めて、推測を積み重ねるしかない。それだといいかげんな数値じゃないかと思うかもしれないが、それはそれで意味があると思われる。
まずは、次のように考えてみよう。
こうして考えると、興味のポイントは次の点に絞られる。
収益モデルAの場合は、たとえば、半額で販売することでの話題性やインパクトなどの効果を加味する必要性があり、全社的な広告費なども含めたシミュレーションをしないとあまり意味がないと考えられる。店舗単位での収益性を判断するとなると、収益モデルBだと検討に値すると考えられる。
参考資料日経ビジネス2001年7月2日号 |
マクドナルドの半額ハンバーグが本当に儲かっているのかという特集があります。そこで、簡単なシミュレーションがされています。 |
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固定費は個数にはあまり関係しないとする。半額にしたことで15%の増加があったとする。 |
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以上のように、現実に発生している事象を要因に分解し、それらの関係性を検討して、定性的な関係を導き出すことを「モデル化」などと呼んでいる。
不確定な要因を含む場合には、乱数を用いることも検討するとよい。乱数は、rand() という関数で求めることができる。ただし、最終的に平均をするようなデータに対して乱数を用いても実は意味はない。平均することによってランダムな変動は相殺されると思えばよいだろう。
また、整数化の関数のintなど、さまざまな関数を駆使するということも頭にいれておくとよい。
変動要因が多い場合には、「ソルバー」という機能も使われる。また、さまざまな元データによるワークシートの状態を記憶する「シナリオ」という機能も場合によっては便利である。
事例1では運賃を計算するのをすっかり忘れていた。運賃は、問屋へ運ぶトラックをチャーターする費用だけとする。トラックには、10,000個の製品を搭載でき、1回のチャーターでは50,000円かかるものとする。つまり、10個でも9,000個でも50,000円かかる。15000個なら、100,000円かかる。
損益分岐点は月間何個の販売を行った場合か?
月間、200,000円の収益を得るには、何個販売すればよいか?
事例2の店では、ドリンクも販売している。ここでは話を簡単にするためにドリンクは1種類だけ販売されているとする。値段や仕入れ単価は適当に販売すること。普通はハンバーグに加えてドリンクを買うのが普通だと思われる。ハンバーグの販売個数に対するドリンクの割合をセルで指定できるようにする(つまり、ハンバーグ2個あたりドリンク1なのかという数値をセルで指定する。たとえば、ハンバーグ1.5個に対してドリンクが1だという仮定などができるようにする)。そして、ドリンクを販売する効果をシミュレーションしてみよう。数値などは、想像力を働かせて自分で思った数値を入れてみよう。