第2回 - 2003/10/6
基本的な計算処理
式を入力する
- = ではじめるものは式。セルには式が記録されるが、セルの表示結果は一般には、式の計算結果となる
- =より後は、通常の数学の式と同じでよい。加減乗除ができる。ただし、記号の関係で、掛け算は*、割り算は/を使う
- 式のエラー:「=100/0」の結果はどうなるか?
セルを参照する
- セル番地を記述すると、式の中でそのセルの値を利用して計算をすることができる
- 参照したセルの値を変更すると、式も即座に再計算される実際にやってみる
相対参照
- 「A1」などの形式は相対参照。実際にはA1という絶対的なセルを参照しているのではなく、そのセルと、A1のセルとの相対的な位置関係(たとえば、3行上で2列左といった雰囲気)を記録している
- セル参照と式のコピー&ペースト結果はどうなるか?
- セル参照と式のフィル結果はどうなるか?
- ドラッグ&ドロップした場合結果はどうなるか?
絶対参照
- A1という絶対的な位置関係を記述するのが「絶対参照」
- 番地の記号の前に$を記述する。たとえば「$A$1」
- コピー&ペーストなどで結果はどうなるか?
- 為替レート一覧表を作る作業から、絶対参照の便利さを考える
合計を求める関数
- いくつかのセルの値の合計を取りたい。もちろん、それぞれ足し算するのも1つの手だ
- しかし、何百もセルがあると、式を作ってられない
- そこで、SUMという関数を使う
- SUM(引数)と式の中で記述し、引数にはセル参照を入力する
- オートサムというボタンを覚えておくと便利
- セル参照の設定も、ドラッグ&ドロップOK
計算を行うことのサンプル
あるサークルでのコンパでの精算処理
前提条件
- 1〜4回生がいる。それぞれ、順に、5、3、2、6人だったとしよう
- 支払い金額は、\56,870だったとする
- 割り勘だといくらだろうか
- ま、だけど、やさしい先輩たちは、「下級生ほど、支払いが安くなるようにしてやろう」と言い出した
- 比率は、1〜4回生に対して、4、5、7、8とする。つまり、4回生は1回生の2培払うこととする
もし、暗算ができるようなら、それはすばらしい。だけど、普通はできないだろう。そこで、Excelを使うことにする。しかしながら、これをいきなり考えるとえらく大変なことになる。考え方を整理する。当然、方程式を立てる。
比率の1に対する値をkとする。すると、
- 1回生の総支払額:s1 = 4×k×5
- 2回生の総支払額:s2 = 5×k×3
- 3回生の総支払額:s3 = 7×k×2
- 4回生の総支払額:s4 = 8×k×6
すると、s1+s2+s3+s4=56,870だから、まあ、簡単な1次方程式で、kの値は求まり、一人一人の支払額は決まる。だけど、これをワークシートで展開してみる。
中間的に必要な値を考える
- 各回生ごとに、比率×人数 という値は必要だ
- 上記の合計が必要だ
- 金額を上記の合計で割れば、kが求められる
- kをもとに、一人の金額を計算すればいい
実際、どうなったでしょうか?
ワークシートに展開することで
- 合計金額、比率、人数が変わった場合、即座に結果を出すことができる
- 計算ミスはない
本日の演習
練習問題ごとに新しいワークシートを作り、練習問題番号を、シート名にするといいでしょう。その手の方法で、今回の講義の演習結果を1つのブックファイルにまとめておくと便利だと思います。
練習問題2-1
A2のセルに、ある果物の1個あたりの重さとして、250(g)を入力します。B2のセルに果物の個数として24を入力します。これらの果物を1つの箱に入れるとします。箱の重さは420(g)だとします。これらの総重量を求める式をC2のセルに入れなさい。
練習問題2-2
1から10までの数字の合計を求める式を作成してみましょう。(ヒント:1から10までの数値をそれぞれセルに入力して…)
練習問題2-3
学生仲間4人(それぞれ、A〜Dとする)で、会社を作ることにした。資本金は2000万円とする。均等に割ると500万円だが、社長のAと副社長のBはより多く出資することにした。それぞれの出資比率は4:2:1:1とした。それぞれ、A〜Dの出資金はいくらになるか?
練習問題2-4
割り勘計算の例をやったが、1円単位を要求する幹事に対して、そんな面倒な支払いやつり銭処理をやってられるか! と非難が集まった。そこで、100円単位になるようにして、支払いをしやすくすることにした。余剰金があれば、じゃんけんで勝った者がもらえ、足りない場合はじゃんけんで負けたものが払うというルールを適用するので、誤差の処理はなんとかなる。後は、金額と誤差を求めることだ。
方針はどうするかを考えよう。本来の支払額を100円単位で四捨五入するのもいいかもしれない。あるいは切り捨てもいいかもしれない。その場合は、足りなくなることは明白だ。
ヒント:四捨五入はROUND関数、切捨てはTRUNC関数を使う(ヘルプで調べよう)