Mac OS 9のLaserWriter8は、Ver.8.7となっている。そのLaserWriter8.7の変更点については、3つのTechnoteがリリースされている。それぞれの概要は以下の通りだ。
◇TN1177: Introducing the LaserWriter 8 Driver version 8.7 http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1177.html LaserWriter 8.7の変更点の概要で、スクリプトと出力フィルタについては別のTechnoteがあるので、そちらを参照した方が詳しい。他に、フォアグランド印刷をさせる方法や、ColorSyncの出力プロファイルを選択できるようになったことなどが記載されている。
◇TN1178: LaserWriter 8.7: Scriptable Printing http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1178.html AppleScriptで印刷が可能なアプリケーションは多いが、いずれも、現状の設定での印刷はできるものの、用紙設定などの印刷ダイアログでの設定を、スクリプト側で指定することはほとんどできなかった。つまり、これらの設定を変更するAPIなどが用意されていないために、アプリケーションはユーザーの設定を記録するくらいしかできず、スクリプトコントロール外の世界だったのである。しかしながら、LaserWriter 8.7では、印刷枚数、開始ページなどの印刷ダイアログボックスで設定する内容をスクリプトプログラムで指定して印刷を行わせるということができるようになった。印刷ダイアログを表示しないでもできる。ただし、用紙設定ダイアログボックスにかかわる設定はスクリプト処理が定義されていないため、用紙を選ぶことはできないようだ。 ただ、この機能に対応するには、アプリケーションの改良が必要になる。AppleScriptのprint命令にパラメータが増え、そのパラメータにprint settingsクラスの値を指定する。したがって、aeteの修正に加え、printイベントの処理プログラムで、増えたパラメータを取得して、それらを正しく設定する処理を組み込まなければならない。AppleEventから設定に必要なプリントレコードの取得については、プログラム例や関連したTechnoteへのリンクが用意されている。
◇TN1179: PostScript Output Filters For LaserWriter 8.7 http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1179.html LaserWriterドライバからプリンタへ送られるデータに対するフィルタを、ソフトウエアとして作成することができるようになった。プリンタへ送るデータを追加したり、変更したりということができる。システムフォルダの規定のフォルダにインストールすることで使えるプラグインとして、ソフトウエアを作ることができる。プラグインをインストールすると、それを使うかどうかを印刷ダイアログボックスで選択できる。実際の画面が示されている。また、文書の大半はプラグインを作る時に必要なAPIの解説である。プリンタに送るデータの取り込みや書き出し、印刷ダイアログボックスでの動作を行うAPIなどが用意されている。
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