UnisysがLempel Ziv Welch、つまりLZW方式の圧縮技術の特許を取得していることはよく知られており、LZW技術を使った例として、GIF画像、PDF、PostScriptなどがある。UnisysはLZW変換機能を持つハードウェアまたはソフトウェアの利用や配付に対してライセンス契約を行うことを要求している。この適用範囲をWebサイトにまで広げている。ただし、ライセンスされたソフトウエアを利用して作成したGIF画像を使う限りは問題はない。ライセンスされていない画像ソフトを使って作ったファイルを利用したり、あるいはCGIなどでGIF画像を生成するようなライブラリがライセンス料を払っていない場合、そうした素材を使ったWebサイトに対してライセンス料の支払いを要求するものである。ライセンス形態に、Intranet WebサイトおよびInternet Billboard Webサイトという形態を設けている。Intranetは文字通りクローズドで特定団体内部で使われている場合だ。Billboardは、オープンなサイトであるが、第三者の広告がなく販売行為も行っていないなどのサイトで、一般企業の告知中心のホームページあたりをイメージされる。一方のライセンスは$5,000、両方まとめては$7,500のライセンス料となっている。 インターネットでいくつかのサイトを検索したところ、たとえば画像ソフトの場合、販売価格の2.5%をライセンス料としてUnisysに支払うということを要求されたことがなどが見つかった。GIFの圧縮伸長技術について米国はもちろん日本でも特許が取得されている。ライセンス契約したソフトをエンドユーザーが利用する上では、ライセンス侵害にはあたらないし、そうして作った画像を使う上では問題はない。GraphicConverterのように特許料を支払っていることが明記されているソフトもあり、多くのアプリケーションソフトはライセンスに応じている模様だ。しかしながら、Webサイトという意味では、グラフィックス形式のカウンターで使われるGIF画像処理ライブラリなどにライセンスが行き渡っていないことに目を付けたのだと思われる。いずれにしても、Unisysの特許は、GIF形式の圧縮や解凍を行うソフトウエアのライセンスであって、できあがったGIF画像を利用する上ではライセンスは必要無い。しかしながら、ライセンスされていないソフトウエアを利用する側にも明確にライセンスを要求しているということである。 |