タイトル【Mac OS 9シリーズ】ファイルを暗号化するカテゴリーMac OS 9, Mac OS 9
作成日1999/11/29 14:44:36作成者新居雅行
Mac OS 9の新しい機能として、ファイルの暗号化の機能がある。マルチユーザ利用が行われることから、どうしてもパブリックな場所に置いておきたいけども他の人に見られたなくないようなファイルを暗号化しておくということが1つの使い方として考えられる。また、暗号化したファイルを電子メールやあるいはメディアに入れて、送った先ではパスワードを知らないと開くことができないようにしかけるという使い方も可能だろう。まずはどのような使い勝手なのかを見てみよう。

暗号化はファイル単位で行われる。フォルダに対しては設定できない。手軽な方法はFinderでファイルを選択して「ファイル」メニューの「暗号化」を選択するか、あるいはcontrol+クリックで表示されるメニューから「暗号化」を選択する。複数のファイルをまとめて選択して、メニューを選んでも良いが、その場合は個々のファイルが暗号化される。
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すると、次のようなパスワードを入力するダイアログボックスが表示される。ここでは5文字以上のパスワードを入れないと、再入力しろと指示が出てくる。通常は「キーチェーンに追加」を選択しておく。そうすると、パスワードが現在使われているキーチェーンに追加される。複数のファイルを選択して暗号化すると、このダイアログボックスがファイルの数だけ表示される。つまりパスワードをまとめて設定することはできない。
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こうして暗号化をかけるとカギマークのついたアイコンのファイルに変わる。ファイル情報を見ると「Appleファイル保護 書類」となっている。アイコンが変わると同時に、ファイルタイプやクリエイタも変更されているのである。
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こうして暗号化したファイルは、通常の書類と同様、ダブルクリックして開くことができる。キーチェーンにパスワード情報が入っていて、キーチェーンのロックがはずれていれば、何もメッセージはなく、暗号化したファイルが元に戻され、そしてその文書が自動的に開くようになっている。暗号化したままファイルを開くことはできない。必ず元にもどされる。
もし、キーチェーンにパスワードを入れていなかったり、異なるMacintoshに暗号化したファイルを移動した時などは、ファイルをダブルクリックすると、次の図のようなダイアログボックスが出て来て、パスワードをキータイプする必要がある。その後は暗号化が解除されてもとのファイルに戻され、ファイルが開かれる。
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コントロールパネルの「キーチェーン」アクセスを見ると、確かにファイルの暗号化のパスワードが登録されている。「Appleファイル保護パスワード」という種類になっており、「情報を見る」かわパスワードを確認することができる。
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暗号化の機能は、Finderにあるというよりも、「アプリケーション」フォルダの「セキュレティ」フォルダにある「Apple ファイル保護」というアプリケーションで行われる。このアプリケーションがないと、暗号化も元に戻すこともできないので注意が必要だ。特に、「Appleエクストラ」などにはないものだけに、アプリケーションの整理の時には注意が必要だろう。「Apple ファイル保護」にファイルをドラッグ&ドロップすると暗号化が始まり、逆に暗号化したファイルをドラッグ&ドロップすると元に戻してファイルを開く。
暗号化したファイルを元に戻すには、パスワードを知っているということだけではなく、Mac OS 9上でなければならない。現在は、この暗号化したファイルを元に戻すアプリケーションとして、Mac OS 9以外で動くものはリリースされていない。たとえば、Mac OS 8.6やWindowsでは暗号化を元に戻すことはできないのである。
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