昨年に発表されたApple Cinema Displayは注目を集めたが、ハイエンドのディスプレイだけでなく、普通に使うディスプレイとして液晶が視野に入りはじめている。また、本体とデジタル接続するという新しい形態の機器でもあることから、アップルは1月14日に液晶ディスプレイの最新動向についての説明会を開催した。同社のプロダクトマーケティングの鯉田氏によってプレゼンテーションが行われた。 まず、液晶ディスプレイの画質をはじめとした性能については、CRTに比べてより明るく、シャープで高いコントラストが得られ、フリッカーもなく、つまりはCRTよりも性能が良くなっている。応答性や視野角の改善も図られ、バックライトの寿命も5万時間に伸びてきている。ディスプレイカードでのドライバソフトも、従来はRGB各6ビットだったのが、最近は8ビットで処理することが定着し、細かい色再現も実現されるようになっている。実際の画像をCRTと液晶で比べることも行われたが、特に黒色の深みに違いがあった。また、他社の製品と比べて、Apple Studio Displayを比較したが、色再現などの自然さなどで、Apple製品の高い性能をアピールしていた。 液晶ディスプレイをパソコンに接続する場合、従来のVGAケーブルを使う場合と、デジタル接続端子を利用する場合の2通りがある。ディスプレイ単体品はVGAが一般的だが、パソコン本体とセットになったものを中心にデジタル接続端子のディスプレイが出回りはじめた。デジタルの方がケーブルが長くできるだけでなく、コストもかからず、画質の劣化の心配もなく、より優れた方式である。デジタル接続の方式にはいくつかの規格があり、あるセットモデルのディスプレイを別のパソコンにつなぐような使い方は現状ではほとんど期待できない。デジタル接続では、アップルはDVIを採用しているが、他にDFP、DISMというものもある。いずれも伝送方式はTMDS(Transition Minimized Differencial Signaling)という方式を使っている。DISMは他に、LVDS、LDI、GVIFの伝送方式も規格に含まれている。また、デジタル端子での処理では、ディスプレイに関する情報をパソコン側に伝えるプロトコルなどが定義されており、最適な解像度などをパソコン側で認識するメカニズムが用意されている。つまり、プラグ&プレイにより、ディスプレイの情報を認識することができるようになっている。 アップルの液晶ディスプレイの現行モデルはDVIデジタル端子を備えているため、ディスプレイカードとして、Rage 128 Proが必要となり、必然的にPower Mac G4のAGPモデルでしか使えない。その他の機種では、VGA端子の液晶ディスプレイを購入して利用することになるが、アップル純正品は現在は販売されていないため、サードパーティ品を買うことになる。 |