タイトルQuickTime 4.1がリリース、開発者にメリットのある機能が多数追加カテゴリーQuickTime, OS関連ソフトウエア
作成日2000/1/21 15:0:20作成者新居雅行
QuickTime Ver.4.1がリリースされた。Mac OS 9に組み込まれているのは4.0だ。現在は英語版のみがリリースされている。4.1での追加機能などは以下に示すが、概して、デベロッパーやコンテンツ制作者にとっての新しい機能が中心だ。エンドユーザーに直接的なメリットをもたらすものはどちらかと言えば少ない。アップルも、ニュースリリースすら出していないものの、開発者向けのドキュメントは、100ページあまりのしっかりしたものをリリースしている。詳細は、このドキュメントを参照するのがよいだろう。なお、4.1は68kのサポートがなくなり、PowerPCのみに対応となっている。
◇What’s New in QuickTime 4.1
 http://developer.apple.com/techpubs/quicktime/qtdevdocs/PDF/QuickTime41.pdf

QuickTime 4.1ではMac OS 9の機能向上したファイル処理に対応し2GBを超えるファイルの録画や再生ができるようになった。そして、SMIL(Syncronized Multimedia Integration Language)に対応している。これは、XMLベースのマルチメディアデータ記述言語で、W3Cによって標準化されている。マルチメディアのプレゼンテーションを記述することができるもので、開発のための新しい手法が4.1で実際に使えるようになったと言える。
MP3フォーマットにはすでに対応しているが、対応するビットレートを増やし、さらにプレイリストのM3Uフォーマットのファイルも扱えるようになった。ストリーミングをHTTPで行うことで、ファイアウォール内での視聴をやりやすくなっている。これは、QuickTime Streaming Server 2.0と併用することで利用できる機能だ。
また、QuickTime PlayerがAppleScriptに大幅に対応した。従来はファイルやアドレスを開く程度しかできなかったが、ムービーのプレイなどの再生のコントロールをはじめ、テキストの検索など多様なコマンドがある。また、exportのようなコマンドもあるため、コンバータ的なものもAppleScriptでバッチ処理で可能になるだろう。AppleScriptについての情報は、上記のPDFファイルに詳しく記載されている。QuickTime for Javaについても変更があるが、これは別掲の記事で扱う。
QuickTime VRのコントロールボタンが変更されて、標準的なコントローラに合わせた。QuickTime Plug-inでWebページに埋め込んだムービーを、JavaScriptでコントロールできるようになった。プレイやあるいはスピードなどの操作をJavaScriptで行える。ただし、現状ではNetscape Navigatorでしか、JavaScriptコントロールはできない。

なお、日本語版のMac OS 9にセットアップしてみたところ、インストーラの最初の段階で、現在組み込まれている言語のQuickTimeと異なる旨が表示され、インストールは行われななかった。QuickTimeを捨てて強制的にインストールを試みたところ、システムが完全に起動できない状態になったこともお伝えしておく。とりあえずは、ドキュメントを見るだけにしておくのが安全かもしれない。
関連リンクGet QuickTime