タイトル | クロスプラットフォームの開発ツールMetaCardがバージョンアップ | カテゴリー | Windows, UNIX, 開発ツール, 開発ツール |
作成日 | 2000/1/25 13:14:22 | 作成者 | 新居雅行 |
MetaCard社は、クロスプラットフォームの開発ツール「MetaCard」のバージョンアップ版、Ver.2.3を2000年1月中にリリースする。MetaCardは、HyperCard的な開発ツールであり、ビジュアルを中心とした開発環境で、手軽に画面設計ができるのがまずいちばんの特徴だろう。そして、ベクターグラフィックスを扱えることや、生成したアプリケーションがMac OSだけでなく、WindowsやUNIXで利用できるというクロスプラットフォーム開発が可能な点も大きな特徴だ。もとはUNIXのソフトだったが、1998年にリリースしたVer.2.2でMac OSにも対応した。もともと、HyperCardやSuperCard、Oracle Media Objectsで開発したソフトウエアをコンバートして読み込める機能が搭載されていた。スクリプト言語としてはMetaTalkが搭載されており、perlライクなスクリプト記述ができるとしている。また、QuickTimeはもちろん、さまざまなメディアデータを読み込める。価格は$995だが、開発したアプリケーションの配付ライセンスは不要だ。教育機関向けの割り引きもある。アプリケーションを生成すると、プラットフォームにかかわらず1つのファイルとして配付されるため、特にWindows向けのアプリケーションでは管理が楽になるというメリットがある。機能がある程度制限されたStarter Kitをフリーでダウンロードできるので、試用することも可能だ。Ver.2.3では、スクリプト言語でソケット通信の機能が組み込まれ、インターネットサービスを利用するソフトウエアを簡単に開発できるようになった。 カードと言うメタファーをベースにした開発ツールは、特にHyperCardが一時期は大きな支持を集めていたものの、ユーザ層の変化などから最近ではあまり話題を呼ばなくなっている。HyperCardが実質的に開発がストップしており、Windows分野でもToolBookのようなツールは大ブレークしたわけではなかった。ToolBookは、Microsoftの設立メンバーでもあるポールアレン氏が作ったAsymetrix社がリリースしていたが、現在はclick2learn.com, Inc.と名前を変えて、Webベースの教育システムへと特化している。ToolBook IIとして現在も販売されているが、重点はWebベースの開発ツールへと移行しているようだ。(ちなみに、click2learnはソフトバンクとジョイントベンチャーを作り、日本でオンライン教育関連のポータルビジネスに参入するという発表が今月なされている。)いずれにしても、アップデートが続けられているこの種の開発ツールとしてMetaCardへは注目をしておく必要はあるだろう。 | |
関連リンク | MetaCard Corporation |