タイトル | MRJの新版2.2が正式にリリース、ロングファイル名や新ツールの追加 | カテゴリー | Java, OS関連ソフトウエア |
作成日 | 2000/2/3 5:40:11 | 作成者 | 新居雅行 |
MRJ(Mac OS Runtime for Java)の新バージョンMRJ 2.2がリリースされた。1999年5月のWWWDCでMRJ 2.2の概要が発表され、7月にはEA1(Early Access 1)、9月にはEA2版がリリースされたものの、「秋に正式リリースする」という情報から、2000年2月まで音沙汰がなかった。Mac OSの新しいJava環境だとは言うものの、JDK 1.1.8に対応したものであり、Java2ではない。Mac OS 8.1以降のPowerPC搭載機で利用できる。英語版として配付されているが、Mac OS 9の日本語版にインストールして稼動させることもできた。また、開発ツールなどを含むMRJ SDKについても同時に配付が開始した。MRJは5.6MB、MRJ SDKは8.8MBである。 MRJ 2.2への更新は、ソフトウエア利用者にとってはメリットはあまりない。改良点は、サインを付与したアプレットの動作が改良されていること。証明書の保持や、証明書の記録がないものに対する適切な問い合わせがなされるようになった。また、クラスをおさめたファイルの構成が変わった。JDKClasses.zipにJDKの標準ライブラリがこれまではすべて入っていたが、国際化に関わるクラスがMRJ SDKで供給されるようになった。MRJの標準構成では、たとえば日本語の日付を書式化するような機能が組み込まれていないことになる。こうした機能に依存したプログラムを配付しているデベロッパーは注意が必要だろう。 一方、MRJ SDKのレベルではいろいろな変更点がある。まず、Mac OS 9で使う上では、コンパイラやあるいは実行環境が31文字を超えるファイル名を扱えるようになった。ただし、Finder上でそのファイルを参照すると31文字で切られる。HFS PlusのAPIを直接利用するために、31文字の壁を超えているのである。また、アプリケーションを作成するためのこれまでもあったツールJBinderyに加えて、MRJAppBuilderが新たに追加された。MRJAppBuilderは、起動プログラムがPowerPC化されたアプリケーションを生成する。また、アプリケーションの生成もテキストのプロパティファイルをもとに行うようになったため、必要な設定をテキストファイルで用意して、生成を行う。 また、MRJ 2.2は、Internet Explorer 5との親和性を高めることも言われていたが、CABファイルに対応するなどIE色が見えている。Mac OSのDrag Managerの機能をJavaからも使えるようにしたが、Java2でのドラッグ処理に近い形態でプログラムを作成できる。その他の詳細については続報でお届けしよう。 | |
関連リンク | MRJ 2.2 Software Download Page |