タイトルCocoaはYellow Boxの進化形、Mac OSのディレクタにインタビューカテゴリーMac OSテクノロジー
作成日2000/2/20 13:47:14作成者新居雅行
Macworld Expoにあわせて来日しているApple社のOSテクノロジーのディレクタであるKen Bereskin氏にインタビューをした。開発に関連する内容についてお届けするが、インタビューの内容は、MacLife誌の2000年4月号に掲載する予定である。
Mac OS Xに対する開発者側から見た取り組みとしては、まずCarbonによってMac OS Xの多くの機能を利用できる魅力があり、また、移行しやすい手法として用意されている。さらに、次世代の新しい高性能な環境としてCocoaが用意されている。Cocoaは、従来のYellow Boxが進化したもので、進化したことによる違いとしては、Aquaといったユーザインタフェース機能や、Quartsといった新しいグラフィックスエンジンに対応したところがあげられる。なお、Carbonで作られたアプリケーションでも、通常のMac OSのAPIを使っているのであれば、Aquaの独特のユーザインタフェースは自動的に構築されることになる。つまり、OSレベルでAquaというユーザインタフェースが稼動しているため、Carbonアプリケーションでも、Aqua対応になるということだ。また、Aquaのアピアランスはある程度のカスタマイズができ、アイコンのサイズなどがその例だ。しかしながら、広範囲にカスタマイズができるわけではなく、一定の枠組みの中でのカスタマイズに限定するようになる。
多言語対応がMac OS Xの特徴でもあるが、インストールする最初の段階で、言語を指定して、それによって言語や関連する設定に応じたシステムのインストールを行うような形式になる。また、Mac OS 9で導入された「パッケージ」というアプリケーションファイルの配置形式も、Mac OS Xでも使えるようになっている。アプリケーションをこの形式で製作すれば、ローカライズに必要なファイルを、ユーザの見えないところに用意することができ、多言語対応がやりやすくなる。サードパーティが作るアプリケーションに対してパッケージといった形態を勧めると同時に、Mac OSのコンポーネントも、パッケージの形態をとるようになるだろう。
Mac OS XがG3以降のハードウエアしか対応しない理由として、まずは高度なグラフィックス処理などをこなすための必要なパフォーマンスが得られないからというのが答えだ。そして、対応するハードウエアを限定することで開発効率を高めるというのも理由である。また、ハードウエアの買い替えサイクルから判断しても、G3以降の機種で多くのユーザが利用できると考えるとのことだ。
Mac OS X Serverについても、積極的に機能向上は図る。Mac OS X Serverにはいくつもの固有のサービスがある。NetBoot、WebObjects、QuickTime Streaming Server、灰パフォーマンスのファイルサーバの機能は、Mac OS X Serverで提供可能なサービスであり、その点は重視している。ディレクトリサービスについても、現在のMac OS X Serverが対応しているNetInfoをはじめ、LDAPに対応し、また、ノベルやマイクロソフトのディレクトリサービスとの相互運用も、Mac OS Xでは可能になっている。
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