タイトルG4で動かすLinuxPPCはとても速いカテゴリーUNIX
作成日2000/2/20 13:48:5作成者新居雅行
Macworld Expoのアミュレットのブースでは、PowerPC搭載機で稼動するLinuxであるLinuxPPCを展示している。特に、LinuxPPC上で、Mac OSが動く「Mac OS-in-Linux」には多くの人の注目を集めている。そのLinuxPPCのプレジデントであるJeff Carr氏に、MacWIREと共同でインタビューを行った。
LinuxPPC 2000は、PowerMac G4でも稼動するが、非常に高速に稼動して快適だということだ。Linuxはマルチプロセッサの対応も不可能ではないが、それも必要がないくらい速いと感じているそうだ。PowerMac G4への対応は、ドライバやファームウエアの対応などが必要だったり、AGPグラフィックスへの対処なども必要だったが、それほどの多くの労力はかからなかった。一方、Darwinに対しては、BSDやMachなどといくつかの階層に分かれていることから、パフォーマンス的に不利な点も見えてくるという。一方、Linuxのようなモノリシックな環境の方が、パフォーマンス的にも有利だとしている。
LinuxPPC 2000は、使い勝手のよいインストーラが特徴だ。CD-ROMでブートすれば、マウスで操作できるディスクユーティリティが動くなど、コマンドラインをたたく必要がほんとんどない。また、GNOMEがデスクトップで動くなど、操作体系は完全にGUIになっている。Mac OS X Serverがアップルからリリースされていて、同じようにUNIXの上にグラフィックスの操作環境を乗せているが、実際にはグラフィックス環境ですべての作業ができるわけではなく、見かけから簡単に使えるとは限らないと指摘する。
Linuxはすでに大きな市場を形成しているが、競合相手となるのは、TurboLinuxなどのディストリビュータだと考えているそうだ。Jeff Carr氏が、PowerPCプラットフォームを選んだのは、自分がずっとMacintoshを使ってきているからだという。LinuxPPCは、Macintoshコンピュータ以外への移植も十分に考えられるのだが、PowerPCベースのマザーボード、たとえば以前のCHRPのようなものが供給されるようになったとき、新しい展開が可能になるという興味深い話もあった。Mac OSとは違う、別の意味でのPowerPC搭載パソコンに、LinuxPPCをOSに採用したものが、状況が整えば可能になるという。
Linuxはもともとはサーバ用だったが、デスクトップ用としても十分に通用するようになりつつあると話していた。アプリケーション環境の整備などの問題もあるが、UNIXをベースにGUIを搭載し、Mac OSもブートが必要だとは言え、Linuxの1つのプロセスとして起動できる。Mac OS Xが目指す環境のある側面は、すでにLinuxPPCで実現していると言っても過言ではない。Mac OS XがUNIX化という方向を持つ中で、LinuxPPCは無視できない存在になっていると言えるだろう。
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