タイトルAirMac発売初日購入レポートカテゴリーネットワーク
作成日2000/2/20 14:37:56作成者松尾真一郎
MacWorld Expo初日の基調講演では、新製品の発表と同時に、待たれていたAirMac(旧称:AirPort)の発売が2/18となることが発表された。その発売初日に早速購入とiBookへのセットアップを行ったので、そのレポートをお送りする。

AirMac製品は、Mac側に装着するAirMac Card(定価12,800円)とネットワークの基地局とも言えるAirMac BaseStation(定価38,000円)から構成される。1台のMacをAirPortに接続する場合は、AirMac CardとBaseStationを1台づつ購入する。2台以上のAirMac対応のMacを持っている場合は、AirMac Cardを2枚購入し、1台のMacでSoftware BaseStationの機能を使うことにより、ソフトウエア的にBaseStationの役割をこなすことができる。ただし。この場合はBaseStationを務めるMacは場所を固定しなければいけない。今回購入したのは、iBookに装着するAirMacCardとBaseStationの組み合わせである。

製品は、カメラ量販店で購入した。このお店はiBookの販売店にはなっていないが、AirMac自体が、今回のExpoで発表された新製品の登場によって、Mac全体で使えるようになったため、Macの販売店であればどこでも入手できる。値段は、初日と言うこともあるが定価だった。ただし、お店独自のポイント還元はあったので、実質的には1割引といったところだ。

AirMacCardには、機種別のCardの装着方法を記した冊子が付いてくる。ところが、この中には、新しいPowerBook G3向けの冊子だけはなかった。AirMacの製造タイミングとPowerBookG3の発表タイミングのずれが原因だと思われるが、新しいPowerBook G3を購入した人にとっては混乱するかもしれない。

CardのiBookへの装着は簡単だ。キーボードの上部のツメ2箇所を引き上げてキーボードを外し、中央部にあるアンテナ端子をCardに装着し、そのCardを手前側のスロットに差し込むだけである。変な話だが、購入して帰る途中のバスの中で装着をしてしまったぐらいである。

Cardの設置が終わったら、次はBaseStationを設置する。BaseStaionには、モデムポートと、10Base-TのEthernetポートが付いている。それまでモデムを使ってInternetなどに接続していた人は、モデムポートにモジュラーケーブルを接続する。一方すでにLANが設置されている場合には、そのネットワークにEthernetポートを使って接続する。筆者の環境は、LANが設置されている状況なので、Ethernetポートを利用する。

インストーラ起動すると、あとはiBookとBaseStationの間で無線で通信を行いながら、セットアップは進んでいく。手順としては、iBookのネットワーク関連の設定をBaseStationにコピーし、iBookに別のプライベートアドレスを割り振って、BaseStationでルーティングを行うように設定される。付属のAirMac設定アシスタントで行われるのはここまでだ。家庭などLANを使っていない環境であれば、これで設定は完了だ。問題なのは既存のLANにつなげる場合で、そのLANで使用可能なIPアドレスをBaseStationに設定する必要がある。この設定は、AirMac管理ユーティリティを使う。BaseStationは、デフォルトでは自身がDHCPサーバとなってAirPortを利用するMacに独自のプライベートアドレスを配る。既存のLANに接続する場合には、LANで決められた範囲のIPアドレスに納めたいことが多い。その場合は、BaseStationのルータの機能を切って、同じセグメントのコンフリクトしないIPアドレスをBaseStationとAirPortを利用するMacに設定すればよい。

電波の伝達状況が気になるところだろう。マンションの自宅という非常に限られたサンプルだが、マンションの一戸の対角線で、間にドアを2つはさんだ状況でも、電波は60%ぐらいの強度を維持して、通信上は全く問題がなかった。筆者の家では、PHSのホームステーション、ホームアンテナも利用していて、その電波も飛んでいるのだが、その電波よりもしっかりしている。

全体を通して、セットアップは非常に簡単だと感じた。ネットワークを含めて慣れている人であれば、全部で10分ほどで終わるだろう。一般家庭で、モデムを使ってInternetに接続しているような場合でも、30分もかからない感じだ。ただし、特に既存のネットワークに接続する場合、IPアドレスの割り振りを巡って混乱する可能性が十分あるので、ネットワークの知識がある人が作業する必要があるだろう。iBookが(充電されていれば電源も含めて)何にも繋がれていなくて、Networkを自由に使えるというのは、非常に快適だ。ただし、それだけで5万円はどうかといえば、高いのではないかという気もする。

余談だが、AirMac製品の付属の冊子によると、AirMac製品の通信機器としての認定は、ルーセントのCardとして行われている。つまり、製品としてはルーセントのCardと同じであるわけだが、これから考えるとAirMacの発売が遅れたのは、認定作業の遅れというよりは、商標がらみの遅れの要因が大きかったのではないかと思われる。

[松尾真一郎/快適iBook生活]
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