タイトルSal Soghoian氏によるAppleScriptのセミナーが開催カテゴリーAppleScript, イベント
作成日2000/2/23 8:37:10作成者新居雅行
2000年2月22日に、アップルで開催されたAppleScriptのセミナーでは、スクリプターの間では“神様”とまで呼ばれている、AppleのAppleScript Product ManagerであるSal Soghoian氏が講師をつとめた。絞り込んだユーザを対象としたためか、50人ほどの聴講者でそれほど広い部屋でもなく、Sal Soghoian氏と聴講者が至近距離で対話ができたセミナーだった。募集時にはDTPに特化したセミナーということだったが、実際にはAppleScriptの利点やこれまでの流れといった一般的な話題や、Mac OS Xといった次世代の話題も含まれていた。Mac OS Xについては別掲の記事を参照してもらいたい。
まず、AppleScriptの利点として、さまざまな会社でのコスト削減の実例を挙げた。「突き詰めればAppleScriptを利用することでお金が儲かる」という、非常に分かりやすい表現で、AppleScriptの利点をまとめた。AppleScriptによる自動化による生産性向上というのが広い見方ではあるが、「儲ける」という直接的な表現は、AppleScriptの利用を促す意味でも強いメッセージと言えるだろう。
Mac OS 9に搭載されたIP経由のスクリプト利用についても、ワークフローやキオスク端末のようなイメージを出して説明をしていた。異なるマシンを連係するようなワークフローを世界中にはり巡らされたインターネットをベースに行える。また、キオスク端末を別のところから管理するような用途も示された。さらに、Sal Soghoian氏のバージニア州の自宅にあるMacintoshを、AppleScriptでコントロールするデモも行われた。もっとも、自宅のマシンを見ることができるわけでないため、確認はできないものの、印象に残るデモであった。こうしたIP通信を利用したスクリプト処理では、アカウントとパスワードでの認証のプロセスも入るが、それも含めてデータのやりとりは暗号化されており、盗聴や改竄からはシステム的に守られていることも話された。
DTP関連のデモとして、QuarkXPressのレイアウトを、テキストや画像などの素材から自動的にカタログを作るようなものが示された。また、千明社の倉持哲也氏によってQuarkXPressの表組を自動的に行うプログラムのデモも行われた。このプログラムは倉持氏が開発し、フリーウエアで配付されているもので、Macworld ExpoのユーザーグループブースでのAppleScript User Groupで展示していたところをSal Soghoian氏が見て、今回のデモへとつながったという経緯がある。
さらに、フォルダアクションのデモや、ColorSyncによるデモも行われた。サンフランシスコの現在の景色をダウンロードしてデスクトップピクチャにするデモは、なかなか印象的であった。Sherlockのデモや、倉持氏のプログラムでも使われている開発ツールのFaceSpanのデモなど盛り沢山のデモであった。
セミナー終了後は、AppleScript Users Groupのメンバーを中心に、記念撮影と書籍へのサイン依頼が続き、Sal Soghoian氏がコアユーザの心を捕らえていることもうかがえた。
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