2000年3月6日に、アップルは近々出荷されるアプリケーションソフト「AppleWorks 6」についての説明会を開催した。AppleWorks 6は、クラリスワークスVer.4の後継というよりも新しいソフトとして位置付けている。ワープロ、表計算、ドロー、ペイント、データベース、プレゼンテーションが1つのアプリケーションで使える。これらを別々の文書として作成できるが、ドローや表計算をワープロ文書に組み入れるなど、各種機能を連係して使えるのが特徴である。クラリスワークスはシンプルながら使いやすいこともあり、さらにはiMacやiBookに添付されていることもあって、多くのユーザがいる。AppleWorks 6については、Macworld Expo/Tokyo 2000のときに発表されて展示されていた。発売予定は3月中旬と変わらず、具体的な日程もまだ決まっていない。なお、Windows版は予定がないと明言された。以下、2月17日に作成した記事で触れなかったことを中心に説明をしよう。 AppleWorksにはテンプレートやクリップアートが添付されるが、インターネットを通じても供給される。それを「オンラインストアハウス」と名付けている。ブラウザを使うのではなく、AppleWorksの中から直接ダウンロードできるようになっていて、追加のテンプレートが150、クリップアートは25,000用意されている。クリップアートはキーワード検索もできるようになっている。日本向けに用紙がA4になっていたり、あるいはCD-ROMでインストールされるものには日本向けのクリップアートも含まれている。ただし、住所録などのテンプレートにははがき印刷がないのが少し残念なところだ。 ワープロ文書はHTMLで書き出すことができるが、埋め込んだ表計算オブジェクトは、TABLEタグを使ってそのまま書き出される。位置などはHTMLに指定はされておらず、単にシンプルなタグを生成するだけだが、一応の表にはなる。テクスチャで塗りつぶしたグラフィックスオブジェクトについては、JPEGファイルで絵面が作成されて、それがIMGタグで埋め込まれる形式だ。ワープロ文書には、URLへのリンクや、AppleWorks文書へのリンクも設定できるようになった。 なお、他の形式のワープロ文書は、クラリスワークス1,2,4のいずれかのフォーマットの読み込みしかできない。書き出しはクラリスワークス4のみである。マックライトIIからの読み込み機能はなくなっている。データベースや表計算についても同様で、クラリスワークスだけしか特定のアプリケーションのファイルフォーマット変換はできない。なお、汎用的なテキストの形式は可能だ。また、AppleScriptのサポートを考えれば、独自の用途に応じたコンバータを作成するという可能性は残されているため、用意されたファイル形式だけに閉じているということは言えない。なお、AppleScriptに関するドキュメントはパッケージには含まれず、後からの提供となるため、用語説明をたよりにスクリプトを作ることになるだろう。グラフィックス系でサポートされているフォーマットは、QuickTimeに依存している。つまり、こうした処理を完全にQuickTimeで行っている模様だ。プレゼンテーションのトランジションも、QuickTimeの機能を利用して行っている。 表計算では、セルをドラッグ&ドロップして、移動やコピーができるようになった。関数については増えてはいない。カタログには「外部のセルを参照」と記載されているが、具体的な記述方法は確認できなかった。 書類の自動保存機能があり、指定をすると、一定時間ごとにファイルを保存するようになる。そして、アプリケーションがフリーズしてしまったときなど、再度アプリケーションを起動すると、自動保存で別途保存している書類を開くかどうかをたずねるという形式だ。 50の欧文フォントが添付されるが、日本語フォントの添付はない。アプリケーション自体は、マルチリンガル対応となっている。今後、iMacやiBookへのバンドル予定はあるが、時期については未定だ。また、アップグレードは用意しておらず、既存のクラリスワークスユーザも通常のパッケージを購入する必要がある。CarbonLib対応のアプリケーションであり、Mac OS 8.Xへのインストール時には、CarbonLibがシステムに自動的に組み込まれる。 |