タイトル | Internet Explorer 5のMac版が登場、レンダリング機能の向上などより多彩に | カテゴリー | ブラウザ |
作成日 | 2000/3/28 15:19:29 | 作成者 | 新居雅行 |
Webブラウザの代表格、Internet Explorer 5(以下、IE5)のMacintosh版がリリースされた。事実上の前バージョンの4.5から1年強を経て、Ver.5となった。Windows版については、1年ほど前からVer.5がリリースされている。IE5の新しい機能としては、今までにレビューなどで新機能についてはさんざん見られているかと思うので、実際に使った上でのザクザクした紹介で進めてみよう。 さて、Webブラウザにもっとも強く要求されるものとは何か? それは、HTMLなどの文書記述規格に限り無く忠実なものであり、さらにその処理が高速になされるということだ。IE5は、その答えとして、Tasmanというレンダリングエンジン(HTMLなどで記述したページを実際に人間が見えるようにグラフィックス的に整える処理をする機能)の搭載を行った。Tasmanは1年以上かけて開発されてきたとしているが、周辺情報を総合するとWindows版とは別に作られたエンジンだと思われる。Tasmanは、HTML 4.0、CSS(Cascading Style Sheet)1.0、DOM(Document Object Model)1.0、XMLに従っていて、特にスタイルシートを高い精度で再現するというあたりは、現状のWebデザインではもっとも注視されるところだろう。加えて、Windows版のIEとのレンダリング結果により近くなると言う特徴が言われている。そうなのだ、今までは同じIEながら、Mac版とWindows版でページ表示結果が異なり、苦労をしたデザイナーもいるだろう。そうしたことがなくなるというのである。では、高速化はどうなのだろうか? これは体感だが、いくらかは早くなっていると思われる。正確なベンチマークまではしていないが、ホームページであるAppleのトップページがいくらかきびきびと出てくるような感じがした…というくらいだ。 ●細かいところまで手が加えられたユーザインタフェース Webブラウザとしての土台の上に、使いやすいユーザインタフェースが搭載されていて、はじめて快適にWebサーフィンができる。IE5でも従来通りツールバーやアドレスバー、カスタマイズ可能なお気に入りバーがある。お気に入りツールバーにフォルダを作ると、ツールバーの項目をクリックすればポップアップメニューが表示されるようになったのはIE5の新機能だ。 さらに、ウインドウ左側には、お気に入りや履歴を一覧表示する場所があるが、IE5では「スクラップブック」として、Webページの表示結果を取り込むといった、スナップショット的な機能が用意されている。お気に入りは、後から見るための手がかりであるが、スクラップブックは見た結果そのままを残しておく。つまり、ページを構成するための情報を、IE5の側で保持するという機能だ。いくつかのページを交互に参照するような場合には便利だろう。たとえば、オンラインショッピングしたときに領収書とシリアル番号がWebページとして表示されることがある。もちろん、安全なのは印刷することだが、とりあえずスクラップブックに入れておくという使い方もできる。ただし、オンライン状態だと、スクラップブックの項目の呼び出しでも実際にWebページへのアクセスを行うので、場合によっては手動でオフラインにして参照するという必要も出てくるかも知れない。 ◇スクラップブックにWebページを記録していったところ。雰囲気はお気に入りと一緒だが、ページを構築する情報も記録される figs/ie5/IE5_12.jpg figs/ie5/IE5_12.png けっこう便利なのはツールバーを折り畳む機能だ。クリックすることで、ウインドウタイトルバー直下からいちばん下までの領域全部にWebページを表示できる。つまり、表示領域の縦の長さをより長く使えるというわけだ。ツールバーはしょっちゅう使うものでもないので、これは便利だ。また、折り畳んだ状態でも、戻るなどのよく使うボタンは、ウインドウの左端に小さく表示されている。 ◇上は通常のツールバーを表示した状態、下はツールバーを折り畳んでページ表示領域をより広く取った状態。マウスポインタが指している部分をクリックすることで切り替わる figs/ie5/IE5_03.jpg figs/ie5/IE5_03.png 折り畳んでいる時にアドレスをキータイプしたければ、「ファイル」メニューから「新規アドレス」(Command+L)を選択する。すると、タイトルバー直下にバーが出てきて、そこで入力でき、returnキーによってページを表示しながらアドレスバーは消える。アドレスバーにキータイプすると、それに続きそうなアドレスを履歴などの情報からさがして、ドロップダウンリストに一覧されるのは、Windows版にあった機能だ。このドロップダウンリストは、やや透けて見えるAquaなデザインとなっている。 ◇アドレスをキータイプすると、記憶しているアドレスの頭から調べて合致するものがドロップダウンリストに表示される figs/ie5/IE5_01.jpg figs/ie5/IE5_01.png (別掲の記事に続く) | |
関連リンク | Internet Explorer 5のダウンロード(MacTopia) |