タイトル | 【Carbon化シリーズ】開発環境を用意する | カテゴリー | Carbon/CF, Carbon化 |
作成日 | 2000/4/18 15:41:18 | 作成者 | 新居雅行 |
Mac OS XでもMac OS 8/9でも動くCarbon対応アプリケーションは、ここ数年のMac OS環境での主流となることは間違いない。少なくとも、現在あるアプリケーションを、Mac OS Xで動かすようにする最短距離と言える。Carbon SDKもリリースされ、サンプルプログラムやドキュメントも揃ってきたし、そろそろCarbon対応を真面目に考えるときだ(あるいはもう遅い?)。そこで、MDOnlineでは、既存のアプリケーションをCarbon対応するまでのプロセスを追って行くことにする。さて、最後まで行くことができるかどうか!? まずは、開発環境のセッティングから行う。Code Warrior 5.3への日本語版パッチがちょうど先月に来たばかりだが、そのバージョンはCarbonに必要なUniversal Header 3.3が含まれていない。3.2が入っている。そこで、以下の手順で、Carbon SDKにあるファイルを、Code Warriorのフォルダにコピーしておく。 まず、Cのヘッダとリソースのヘッダだが、Carbon SDKでは、CarbonLib_1.0.2_SDK→Carbon Support→Universal Interfacesというフォルダに(デスクトップから→に従ってフォルダに入ることを意味する。以下同様)、CIncludesおよびRIncludesという2つのフォルダが存在する。これらを、Code Warrirorが認識できる場所にコピーする。コピーをする前に、古いバージョンのUniversal Headersを取り除いておこう。CodeWarrior Pro 5→Metrowerks CodeWarrior→MacOS Support→Universal→InterfacesフォルダにあるCInludesとRIncludesフォルダを、CodeWarrior Pro 5フォルダの外に出しておく。そして、Carbon SDKのCIncludesおよびRIncludesを、Code Wrrior Pro5…のInterfacesフォルダにコピーしておけばよいだろう。 次は、ライブラリのコピーだ。CarbonLib_1.0.2_SDK→Carbon Supportに、CarbonLibというフォルダがある。これを、CodeWarrior Pro 5→Metrowerks CodeWarrior→MacOS Support→Librariesというフォルダにコピーしておけばよいだろう。 以上は、場所的にはMacOS Supportフォルダ内であれば問題はないが、古いバージョンのUniversal Headersは取り除く必要があるので、そこまでのフォルダを開くのだから、元と同じ場所に入れておくのが無難だろう。 ここでQuickTimeのサンプルプログラム「Carbon QT Graphic Import」をダウンロードして、コンパイルしてみよう。以上の準備をしていれば、プロジェクトを開き、Command+Mでメイクができるはずだ。プロジェクトを開くときに、プロジェクトをコンバートするかをたずねるので、それはコンバートするようにボタンを指定すればよい。プロジェクトが開くと、即座にコンパイルできて、エラーは出ないはずである。Mac OS 9ならプログラムもダブルクリックして起動するし、FileメニューのOpenを選んで適当なグラフィックスファイルを読み込み、ウインドウに表示できればよい。とりあえず、これで基本的な準備はOKだと思われる。 ここでプロジェクトの内容をざっとみておこう。CやRezのファイル、ヘッダがあるのは従来と変わらない。ライブラリについてみてみると、MSL RuntimePPC.LibとCarbonLibがあるだけだ。基本的には以前のように、いろいろなライブラリを登録しないといけないということはなく、シンプルになったと言える。コンパイルの設定については、PowerPCコードを生成するが、従来とは基本的に同じ設定でかまわない。 ◇Carbon SDK 1.0.2 http://developer.apple.com/sdk/ ◇サンプルコード「Carbon QT Graphic Import」 http://developer.apple.com/samplecode/Sample_Code/QuickTime/Importers_and_Exporters/Carbon_QT_Graphic_Import.htm | |
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