タイトル | 【Darwinシリーズ】はじめての起動 | カテゴリー | オープンソース, Darwin 1.0 |
作成日 | 2000/4/22 13:18:2 | 作成者 | 新居雅行 |
インストールが終わり、System Disk 3.0で起動するボリュームを選択すると、次はDarwinが起動するはずだ。再起動など適当な作業を行い、Darwin 1.0で起動してみる。ここで、起動時間を測ってみた。スイッチオンから2秒後にジャーンという起動音、そして、13秒で通常のMac OSの起動のときと同様、画面全体がグレーに塗りつぶされ、15秒後にお馴染みのマックのアイコンが画面中央にあらわれる。ここまでは同じだが、19秒後に、見なれないマウスポインタが出てくる。風船タイプのマウスポインタだが、色がケバい。これは、Mac OS X Serverの起動の時に出てくるものと同じだ。そして、画面の変化はしばらくないが、約60秒後に、プロンプトが出てきた。 Darwin/BSD (localhost) (console) login: のように表示される。コンソール、それはMac OSが否定してきた世界でもあるのだが、こうして私達の目の前に登場してきたのである。言うまでもないことだが、コンソールは、キーボードでコマンドを入れ、returnキーを押してコマンドの実行を開始し、結果も通常は画面で受け取るという型式のユーザインタフェースだ。マウスは、もはや使えない。しかも、いきなりグレーに塗り潰された画面上に、テキストのコンソール画面が現れるのである。ある程度コマンドを入れて、画面がスクロールアップされるまで、起動時のグレーの塗り潰しや、マックのアイコンは残ったままだ。いかにも、「製作中」を思わせるソフトウエアと感じてしまった。 ◇起動直後にコマンド入力をしたところ(デジカメで撮影) figs/darwin/DSC00001.JPG さて、いきなりログインとなったが、ここでは「root」と入力してログインすればいい。パスワード設定されていないので、rootの入力だけでログインされてしまう。ただ、最初の1回目の起動時には、「LUServer Can’t Initialized」のようなメッセージがプロンプトに重なるのだが、何度かreturnキーを押してプロンプトを出してrootと入力すればそれでOKだった。以後はこのエラーは出てこないようだ。 ここからはUNIXの世界だ。まずは、pwdコマンドで、カレントディレクトリを見てみる。起動直後だから、rootアカウントのホームディレクトリがカレントになっているはずだ。すると、 /Local/Users/Administrator となっている。このディレクトリ構成は、まさにMac OS X Serverと同じものだ。LinuxやFreeBSDとは大きく違うところであもある。また、通常はアカウント名がディレクトリ名になっているので、root = Administratorという図式も、Mac OS X Serverと同じである。当面は、rootでDarwinを使って行くことにしよう。蛇足かもしれないが、UNIXでは、ファイルがMac OSと同じように階層化されている。そして、ディレクトリの区切りは「スラッシュ」で行う。Mac OSのようにコロンではない。上記は、特定のディレクトリへのフルパス表記なのである。 なお、パスワードもなくログインされるのは危険と思うかも知れないが、リモートのログインは初期状態ではサポートされていない。だから、安心して使っていいだろう。もっとも、現状で重要なデータをDarwinに入れておくのは、あまりにチャレンジャー過ぎるとも言えるが…。 rootでログインすると、rootのホームディレクトリがカレントになっている。そこをlsコマンドで一覧してみると、.OpenStep、.dir.tiff、Documentsなどのファイルやディレクトリが見える(前出の図にコマンド入力結果が見える)。このユーザのホームディレクトリの初期状態も、やはりMac OS X Serverと同様になっている。Mac OS Xでも、ホームディレクトリの位置などはおおむね類推できると言えるかもしれない。 いろいろ見て行きたいところだが、もっとも肝心な終了の仕方を説明しておこう。終了も、再起動も、コマンドを入力しなければならない。終了は「halt」、再起動は「reboot」というコマンドを入力する。後は勝手に作業される。 再起動すると、また、Darwinが起動するが、これをMac OS 9の起動に切り替える方法も説明しておこう。これは簡単にできるようになっている。起動時に、optionキーを押したままにしておくと、Darwinが起動ボリュームになっていても、強制的にMac OS 9のボリュームを起動ディスクに変更する。これは一時的に変更するのではなく、起動ディスクの設定をMac OS 9側に設定するのである。だから、Mac OS 9が起動した後、今度はDarwin 1.0を起動したいと思った時には、System Disk 3.0で改めて起動ディスクをDarwin 1.0に切り替える必要がある。 | |
関連リンク |