WWDCの基調講演の目玉はMac OS Xだ。新しい話はあるものの、もっとも大きなニュースは発売の延期だ。WWDCの基調講演の後、Mac OS X Developer Preview 4が来場者に配付された。スケジュールとしては、夏にベータ版をリリースし、2001年1月に、1.0のファイナル版をリリースすると言うスケジュールに修正された。デベロッパーからのフィードバックを取り込む時間を確保するという説明ではあったが、いずれにしても、正式リリースが数カ月延長されたことになる。 Appleは、Mac OS X DP3に対するデベロッパーなどからのさまざまな要求を取り込んだ。まず、コントロール類が大きいという声に答え、Mac OS 9とサイズ的にほぼ同じものに変更した。そして、Finderは現状のMac OSにより近いものとなり、ツールバーを隠したりすることなどが加えられた。また、メニューバーにはアクティブなアプリケーションが表示されるようになった。Dockについても洗練された。アイコンのデザイン部分だけが並ぶようなものとなっており、またDockのバーの背後も透けて見えるなど改良がなされている。Dockのなかでは、アプリケーションと文書を明確に区別するようにもなった。 DP4では、Internet Explorer 5のCarbon対応版が組み込まれている。IE5ではFlashのコンテンツを含むWebサイトを実際に表示しており、プラグインに至まで利用できるようになっていることが示された。また、アドレスなどのURLをDockに登録するデモも行われた。また、OpenGLに完全に対応するとともに、Java2 Standard Editionにも完全に対応した。DP4では、APIがほぼすべて組み込まれているため、デベロッパーが自社の製品を開発する必要条件はみたされたとしている。 また、QuickTime PlayerもDP4には組み込まれている。従来との違いとして、トーンコントロールが組み込まれたことと、引き出し形式のチャンネル選択パネルではなくなった点が挙げられる。 Palm Desktopも、Carbonアプリケーションとしてリリース予定で実演が行われた。明言はしていないが、USBポートの利用についても、アプリケーションが利用できる段階まで示していると考えてよいだろう。また、AdobeのInDesignもCarbon化されていることが説明され、ゲームのQuarkeもOpenGLを利用したリアルな映像を表示していた。 基調講演の最後に、ジョブズ氏は、Appleで開発している人たちをねぎらったが、過去にOSをモダンにする試みは失敗したと評価し、現在のMac OS Xのチームは過去にできなかったことを可能にしたという点で高く評価をした。 |