タイトル通信機能を搭載したPalm VIIの日本版は2001年上半期カテゴリー業界動向, Palm & PDA
作成日2000/5/24 15:20:25作成者新居雅行
ワイヤレス通信機能を搭載したPalm VIIの日本登場は、2001年上半期に投入予定であることが明らかにされた。米国ではすでに発売済みだが、日本ではあと1年はおあずけだ。通信機能を内蔵する点では、インターネットを手軽に利用できるということに他ならないが、より大きな意味を持つのはWebクリッピングといわれる機能だ。Webをブラウズするのではなく、Webをベースにアプリケーションを動かすという意味合いがある。iモード専用ページなどがあるがそれに近いイメージだ。しかしながら、形態としてはPalmのソフトウエアをインターネット越しに利用できる、つまりオンラインでPalmソフトウエアを使えるというイメージに近いものである。ニュースサイトからの情報の取り出しや、コマースサイトへの発注処理などをPalmで行えるというサービスだ。
こうした機能を効果的に使えるようにするには、コンテンツを提供するプロバイダの存在は不可欠だ。そこで、2000年9月にコンテンツデベロッパー向けの会議を日本で開催し情報の提供を行う。そして地固めをした上で2001年上半期からの発売とサービス開始というのが示されたスケジュールだ。その段階で、おそらくPalm VIIを改良した小型軽量の新モデルを投入する予定となっている。iモードのインターネットが注目されているが、画面サイズではPalmの方が広く、より見やすいコンテンツを作ることが期待でき、その点を既存の携帯電話インターネット利用との差別化のポイントと見ている。なお、接続サービスのPalm Netや、どういった通信手段を用いるのかといった具体的な計画については話されなかった。
iモードを利用したサービスが1つのビジネスになることは証明されている。ならば、Palmでも同じことが起こる可能性があるが、具体的なコンテンツプロバイダ支援策が明らかにならないと何とも言えないだろう。つまり、コンテンツプロバイダとしては資金をどう回収すればいいのかというビジョンが示されないとどうしようもない。この点について今は明確ではないが、9月の段階で明らかになるかも知れない。いずれにしても、Palmをワイアレスでインターネット接続という大きな方針は示された。そうなれば、たとえば、Palmを端末として利用するASP事業ということも視野に入るだろう。外食産業向けに、注文をPalmで取り、調理工程指示や料金計算などをインターネットをベースに行うようなサービスも可能になると考えられる。Palmの世界がまた飛躍しそうだ。
関連リンクWeb Clipping