タイトル【小池邦人のプログラミング日記】2000/5/29<WWDC 2001に向けて その1>カテゴリー小池邦人のプログラミング日記
作成日2000/5/30 15:47:29作成者新居雅行
今年のWWDCが大変盛況だったことを聞き及んで「来年はぜひ参加してみよう!」と考えている方も多いと思います。そんな方々のために、2回に分けてWWDCに関するちょっとしたノウハウを取り上げてみます。

近年のWWDCは、アップルが航空券とホテルのパックツアーを用意し、会場でのほとんどのセッションに日本語同時通訳が付いたおかげで、日本からの参加者が劇的に増えました。「WWDCはデベロッパーのための催し」と思われがちですが、昔と比較してセッションでカバーされる分野も多岐に及んでいます。直接にソフトやハードの開発をしていなくても、ディープなマックユーザにとっては有意義で興味深い催し物になりつつあります。実際に、同伴したうちの奥さんなどは「Macworld Expoより面白い!」と喜んでおりました。(プログラマーじゃありませんけどね)

まずは、WWDCへ参加するまでの道のりです。WWDCへ参加できる唯一の条件は、AppleのADC(Apple Developer Connection)会員であることです。(年齢制限もあったかもしれない。)ADCには「Premier」「Select」「Online」「Student」の4種類のプログラムが用意されています。このうち、Online会員になるのは無料ですので、WWDCへ参加するためだけに加入しても、特別な追加経費は発生しません。ADCの詳しいサービス内容については、以下のサイトから日本語版PDFファイルが入手できますので、参考にしてみてください。
◇Apple Developer Connectionのパンフレット
 http://developer.apple.com/membership/pdf/japanadc.pdf

ちなみに、私はSelect会員(年間$500)で、同伴したうちの奥さんはOnline会員として登録されています。ADC会員でないとWWDCに参加できないのは、よく話題に上る「Appleとの機密保持契約」がからんでいるからです。つまり、ADC会員になる時点でAppleと「機密保持契約」を結ぶことになりますので、それがWWDCへ継承されるわけですね。ADCはWWWDCのスーパクラスというわけです(笑)。ちなみに以前は、WWDC会場で機密保持契約を結ぶためのサインをしていました。ADC会員になるには、以下のサイトで加入手続きを行います。会員になると年会費が発生するログラムは、クレジットカードによる支払いが必要になりますので、先んじて用意しておいてください。
◇Apple Developer Connection Member Site
 http://connect.apple.com/MemberSite/

一度会員になれば、Appleから定期的に「ADC News」というメールマガジンが届くようになります。WWDCの会期が近づくと「WWDCの受付を開始しました。さぁ参加しましょう!」という案内がしつこく入るようになります。参加案内の開始は年々早くなる傾向がありますので注意して見ていてください。受付開始の連絡を受け取ったら、間違いなくAppleサイトに「WWDC 2001」の紹介ページがオープンしていますので、そこでWWDC参加の手続きをすることになります。WWDCには、早期受付による参加費の割引制度があります。今年の参加費は、4月15日以前に申し込むと$200割引の$1,195でした。また、ADCのSelect会員の参加費はさらに$100割引、Premier会員に至っては1人分の参加費が無料となります。参加することが確実な方は、この割引期間を有効に使うと良いでしょう。

参加費だけを支払い、往復の航空券やホテルは自分で手配してもかまわないのですが、ほとんどの参加者はアップルが用意したWWDCパックツアーを利用します。このツアーには、WWDC参加費用、往復の航空券と空港からホテルまでの送迎、会期中の宿泊費がすべてパッケージされており、独自手配よりかなり割安な価格設定がされています。価格はホテルのランク(部屋の広さや会場からの距離)で3段階に分かれています。また、部屋がシングルかツイン(2人部屋)かによっても価格が異なります。今年の例ですと、最上クラスのホテルで部屋がシングルの場合、参加費を含めて$2,514となっています。一番下のクラスで部屋がツインだと$1,950となり、日本円にして6万円ぐらいの差になります。

ランクを落とすと会場から離れた場所のホテルを割り振られますので、毎日「Right Rail」という路面電車やタクシー、レンタルカーを利用して会場へ通勤することになります。それはそれで楽しいですが、「ちょっとホテルへ帰って休憩」てなことは難しくなってしまいます。また、ダウンタウンで深夜まで飲み歩いた時の帰りなども心配です。少々価格が高くても、やはりお薦めは会場近辺のホテルでしょう。ただし、参加手続きが遅れると、指定したランクのホテルが空いていない場合がありますので注意してください。また、シングルに泊まるのはホテルのランク以上に不経済ですから、1人でWWDC参加を予定している方は、死に物狂いで一緒に宿泊する同僚を探し出しましょう。

ご存じの方も多いと思いますが、今年はAppleが雇った現地旅行代理店(?)の大バグで(実際は、どの部署のバグかは定かではない...)現地への往復で地獄を見たグループが出てしまいました。よって、会期後にAppleへ大量のクレームが入るのは必定です。(会場で気合いを入れている人達を何人も見ました。)とにかく、変な所で参加者のエネルギーを消耗させないように、Appleにはしっかりしてもらいたいものですね。
関連リンクオッティモ